NHKの「ためしてガッテン」も「あるある大事典」並みにレベルダウン?!
毎週(水)夜8時~NHKの「ためしてガッテン」は長年にわたって高視聴率をキープしている番組。データ捏造がバレて消えてしまった「あるある大事典」と比べると、ウサン臭さもあまり感じることもなく、かなり役立つ情報も多いので、私も見られる時は見ていました。
その「ガッテンから取材があった」とお茶の水の浜田病院副院長の合阪先生から連絡があり、8月3日放映の「骨盤ダイエット」を楽しみにしていました。もちろん私は、トコちゃんベルトを着けたり、骨盤体操をちょっとしたくらいで、簡単にダイエットに成功するなんて思っていませんが、「NHKが骨盤を正面から取り上げるのは初めてでは?」と思いつつ、それなりに期待していました。
ところが、始まってしばらくすると、だんだんおかしな方向に司会の二人が引っ張っていくではありませんか? ゲストも「こんなバカげた番組に出ていたくない」と思わせるかのように「おウチに帰る」を連発。司会も「あえて言いませんが・・・」と言いながら嘲笑するような顔のイラストを差し込んだりとNHKらしからぬ下品さと低劣さで、私は「いつもと違う」と思いました。
NHKは合阪先生に最初から「骨盤ダイエットは効果がない、ということを言いたい」と言っていたそうで、合阪先生が伝えたかった必要なところはすべてカットされ、そのストーリーに合うように、都合よく編集したのです。このズル賢さと非人道的行為にあきれてしまいました。これでは「あるある大事典」と同じではありませんか?!
本題の「骨盤ダイエット」の体操を2週間したら骨盤は締まるか? との実験で、恥骨上端角の測定を合阪先生が依頼されて、測定したところ、体操を2週間しても角度に変化はなく、その体操を2週間したくらいでは骨盤を締める「効果はない」と合阪先生がきっぱりと断言。
合阪先生は「トコベルを着ければすぐに骨盤上端角は改善する。トコベルで骨盤を支えることが大切だ」と取材陣に話し、助産師が取材に来た一人の女性にトコベルを着用して、体で感じてもらったそうです。なのにその部分は全く放映されず「効果はない」の部分だけが使われ、骨盤体操も骨盤ベルトを着用することも全て「効果がない」と合阪先生が言っているかのようにNHKが編集してしまったのです。合阪先生を良く知っている私ですら「骨盤? 実にくだらん」と合阪先生が言っているかのように受け取れました。
合阪先生はトコちゃんベルトと骨盤が大好きで、10年近くにわたって骨盤の緩みと切迫早産や排尿障害との関連を研究して、学会や雑誌で発表されてきました。それなのに司会の小野アナは「尿漏れは骨盤底筋群を鍛える体操をすれば良くなる」と言い切ったのです。合阪先生はわずかばかり映っただけなのですが、取材には4日間もお付き合いさせられたそうです。つまり、合阪先生はNHKに利用だけされて、自分の研究成果まで否定されたのです。
“こんなNHKの横暴をほおっておけない!”と考えたのですが、たとえトコちゃんベルトの医学的有用性をあげてNHKに抗議しても、NHKは「あの番組はあくまで“骨盤ダイエット”を検証したものです」と言うに違いありません。
当事者の合阪先生もご立腹の様子で、これから番組内で否定されたことに対して、学会や論文などで発表をすることでNHKに対して反論という形にされるということだそうです。
9月29日(月)~31日(水)、大阪国際会議場開催の「日本産婦人科学会」の、ポスターセッションの中で「尿失禁」について発表されました。