三重県の勤務助産師 西森 ひろみ さんのコラム
院内から地域に 骨盤ケア・“まるまる育児”を広めていきたい
【はじめに】
三重県名張市の武田産婦人科で師長として勤務している助産師の西森ひろみです。独身時代は愛知県の大学病院、大阪府の医療センターで勤務。結婚して“忍者市”こと 伊賀上野市に移り住み26年が過ぎました。
結婚後、伊賀市内の産婦人科病院で5年勤務した後、滋賀県の産婦人科クリニックに15年勤務していました。そのクリニックは、分娩件数も多く色々なことが重なり、心身ともに疲れて退職しました。もっと妊産婦さんとゆっくり関わりたいと思い、武田産婦人科に就職し5年半が過ぎました。
滋賀県で働いていた時も今も、通勤はどちらも片道30kmを車で通勤。車がないと買い物もできない地域なので、ほとんど歩くことのない生活をしています。
【骨盤ケア・“まるまる育児”と出会ってから】
2005年に滋賀県に勤務していた時に、同僚に勧められて母子整体研究会の入門セミナーと、基礎セミナーの第1~4課程まで受講した時が、渡部信子先生との初めての出会いでした。しかし、受講後は職場や日常生活で全く活用することのない日々を過ごしていました。
今の職場で働くようになった時に、骨盤ケアをしているパートのスタッフがいましたが、職場で広めることはなく、個人指導をしているのを見て、私も「もう一度受講しなおしたい」と思っていました。
でも、当時は、助産師の人数が少なくて休みがとれず、受講もままならない状況が続いていたため、今年の初めに「職場を辞めよう」と思うようになり、今後の自分の働き方について模索するようになりました。
そんな時に、(有)青葉のオンラインで受講できる骨盤ケア講習会があることを知り、受講したところ「もっと知りたい」と思い、その後、着用指導士認定講義もオンラインで受講しました。
その後、(有)青葉に頼んで施設単位で実施される骨盤ケア勉強会を開催してもらい、助産師全員がオンラインで受講しました。その後、院内にトコちゃんベルトを在庫に置き、助産師全員が指導できるようにしました。
【あと10年生きられない?!】
指導している中で、疑問点が出てきて、それを解決するためにトコ企画のメンテ“力”upセミナーを今年の5月に受講しました。2日目のセミナー中、片足だるまさんコロコロ体操の実習中、首が痛すぎて悶えるような動きしかできない私を見た信子先生が「あんた、このままやったら、あと10年生きられへんで!」と言われ、「えっ?」と衝撃を受けました。「結婚後は自分のことは後回しにし、自分の体を大事にせずに生きてきたなぁ」と、改めて気付きました。
信子先生の施術を受け、「だるまさんコロコロ体操を毎日、30年間続けるように」と指導を受けたにもかかわらず、首が楽になると、ついつい目の前の日常に目が行き、いつしか「セルフケアをしなければ…」と思うことすらなくなってしまいました。
セミナーを受けた後、疑問点がさらに出てきてそれを解決するために、骨盤ケアアドバンスセミナー、新生児ケアセミナー、赤ちゃん発達応援セミナーを受講しました。
セミナー受講前は「そこまで学んだらいいだろう」と思っていたのに、「もっと自信をもって指導したい」と思うようになり、トコ・カイロプラクティック学院の基本整体セミナーに進むことにしました。
基本整体セミナーの1日目受講後、信子先生の施術を受けた時に、すぐに、「あんた、セルフケア サボっているやろ?」と見破られ猛省。人をケアするためには、自分の体作りが不可欠であるにもかかわらず、目の前の日常につい流されてしまう意志の弱さを痛感しました。
また、セミナー中の実習が苦手で、講師の先生のデモンストレーション通りにできず、落ち込むこともしばしば…。職場でも家庭でも上の立場になりがちな私を、セミナーは私を逆の立場に立たせます。これは、自分を振り返る貴重な機会となりました。
家庭では、子どものできない部分をつい注目してしまいがちでしたが、できない自分と向き合い、子どものできない部分についつい目が行ってしまうのですが、子どもがつらい思いをしていることも理解できるようになりました。
そんな私ですが、同じ研修を受講している年下の仲間に支えてもらえることはとても心強く、なんとか、トコちゃんベルトアドバイザー・まるまる育児アドバイザーとして認定してもらえました。
【これからの課題】
・職場で“まるまる育児”を広げる
今年の8月下旬、(有)青葉さんに“施設向けまるまる育児教室”を実施してもらい、院長をはじめ、勤務以外の助産師全員が受講しました。院長が受講したことの影響は大きく、試供用で頂いた院内専用天使の寝床・院内専用マイピーロネオ・おひなまきSを使って、9月から導入することができました。
現在は、出生翌日の沐浴後から赤ちゃん全員に“おひなまき”を使用しています。中には出生当日からよく泣く赤ちゃんがいるので、そんな子は天使の寝床に寝かせてマイピーロネオをすると、静かになります。
入院中に天使の寝床・マイピーロネオ“おひなまき”を使ったケアをしてはいるのですが、まだ退院後にも使いたいからと購入される人はいません。“まるまる育児”の素晴らしさを妊婦対象の母親教室で伝え、産後の育児教室開催へとつなげていきたいと思っています。
・データをとりまとめる
当院入院中に使用している天使の寝床・マイピーロネオ・“おひなまき”の、データをとりまとめたいと思います。そのわけは、30年前に乳房管理学を1年間、根津八紘医師から学んでいた時に、「自分のやったことは、データで残すように」と指導を受けて以来、大切なことだと思っているものの、未だデータ化できたものはないからです。
・統合ベーシックセミナーに進んで、助産力を高める
基本整体を受講中、何度も小林いづみ先生から「統合ベーシックセミナーに進んだら、
分娩介助がもっともっと楽しくなるよ」と聞き、「産むママも楽しくなるんだ!」と思いました。
武田産婦人科では、まだ助産師外来を開設できていません。そのために個人指導ができていません。そのためか予定日超過の産婦さんが多く、誘発分娩になるケースが多いと感じています。
ベーシックセミナーを受講し、分娩と育児が少しでもスムーズになるように、ママ達をサポートしたと思います。
【最後に】
11月9日にロールティッシュセミナーを受講した時に、信子先生から「たくさん妊産婦さんや赤ちゃんを触らせてもらいながら、手の感覚を鍛えていってください」とアドバイスを受け、?手″で触れることの大切さを改めて学びました。
末永く働くために、これからも学びを続けると同時に、無理のない範囲で、継続的に、私自身の体作りにも励みたいと思います。