埼玉県春日部市の介護士 森田唯さんのコラム
“まるまる育児サークル”が関東全域に普及するのを夢見ながら

 
【はじめに】
埼玉県春日部市の自宅にて子育てサークル“ゆいまーる”を主催している介護福祉士、森田唯と申します。第1子の産後、小児クリニックで看護助手として働き、その間にベビーマッサージの講師資格を取得し、現在は退職し開業しています。

【出会いと原点】
私がトコちゃんベルト・“まるまる育児”に出会ったのは今から約5年前、第1子妊娠中でした。特に腰痛トラブルなどに見舞われたわけではありませんが、「妊娠したらトコちゃんベルト」という認識があったため、妊娠がわかってすぐに、トコちゃんベルトの指導を受けようと思いました。
近くに受けられる教室がないか探したものの、通いやすい場所には全くなく、電車を乗り継ぎ高輪サロンへ通うことになったのが私の活動の原点です。

【出産後、独学の日々】
その後、大きなトラブルもなく無事に息子を出産。分娩台から下りるときもベルトを着用し、産後の骨盤ケアがスタートしました。そしてハンドブックで学んだ“まるまる育児”をスタートしました。
生後すぐから息子の向き癖がひどく、マイピーロネオを首の後ろに置いてもずれるばかり…。どのように活用していけば良いのかわかりませんでした。
丸い姿勢になれず反り気味の息子を“おひなまき”で包めず、「一人では限界」と感じ、「母子ともに心穏やかに過ごせればいいや」と思うことにして過ごしました。

あっという間に3ヶ月が経ち、強い向き癖は直ることなく、息子の頭をまじまじと見るとほぼ三角形! ひどくなる頭の形に悩みに悩み、地域の訪問助産師さんに相談もしましたが、なかなか解決できませんでした。
「このままでは良くない」と、30℃を超える暑さのなか勇気を振り絞って1時間半かかる千葉県まで出かけ、初めて“まるまる育児教室”と、赤ちゃん整体を受けることができました。
これを機に県外への外出にも自信が持て、埼玉県内だけでなく千葉県内で“まるまる育児”について学べる場所を探しました。すると、千葉市で“ふわり”というサロンを開業されている仲真衣先生が主催する、“まるまる育児サークル”の第1回が開催されたという情報を見つけました。
嬉しくなり、会場には自宅から2時間かかるけど、乗り継ぎが比較的簡単だし、「ここなら行ける!」と思って、その日のうちに第2回の参加予約をしました。
参加してみたところ、とても居心地の良い空間に魅了され、既に“まるまる育児”をスタートしている親子、これからスタートしてみたい親子、同じように目的を持ち子育てしている親子との出会いはとても新鮮で、貴重な体験となりました。
そして、「仲間が欲しい!」との一心で、毎月のようにサークルに参加。月に1度の外出とは言え、まだ歩かない息子をスリングやベビーラップで抱っこして、2時間の移動は大変なことです。
「もっと近くに、このようなサークルがあればいいのに」との思いは強くなるばかりでした。

【思っているだけでは実現しない】
思っていても誰かが作ってくれる訳ではなく、「それなら、誰かが作ってくれるのを待つより、私がそのような場を提供しよう! 作ろう!」と思いました。
その頃、マイピーロネオを使っている息子へ興味を持って質問してくるママ友や、見知らぬ高齢の御婦人達への声掛けに「どのように返したらしっくりくるのか?」とか、さらには「首を大切にすることの重要さ、妊娠前からの骨盤ケアの大切さを相手に伝えるには、どのような方法があるのだろうか?」などと考えるようになりました。

学びを深めるためにトコ企画のメンテ“力”upセミナーを受講し、トコ・カイロプラクティック学院のトコちゃんベルトアドバイザー養成セミナーを受講しました。
介護福祉士の専門学校でボディメカニクスや解剖学を少しは学んだものの、医療職ではない私が学びを進めることは容易ではありませんでした。時には悔しくて涙することも…。それでも果敢にチャレンジし、無事にトコちゃんベルトアドバイザーとなりました。

【“姿勢ケア育児サポーター”(商標)に】
学びを深めたものの、その後は一歩踏み出す勇気が持てず、すぐにはサークルを立ち上げられずにいました。その頃、千葉市の仲先生のサロンで、“姿勢ケア育児サポーター養成講座”が開講されると知り、「私も“まるまる育児”を経験された仲先生のもとで学びを深めよう!」と受講。晴れて“姿勢ケア育児サポーター”になりました。
2021年の春、仲先生のサークルは伊藤美奈さんに引き継がれ、月に2回開催されるようになり、私は息子を預けサポーターとし単身参加するようになりました。
サークルでは、初めて参加されたママが不安にならないよう、輪の中へ入りやすいように、お声がけしサポートしたり、泣いている赤ちゃんを抱っこしたり…。
すると、私のまるまる抱っこで、赤ちゃんはそのままネンネ!「あんなに苦手だと思っていた私の抱っこで、こんなにも心地よさげに赤ちゃんがネンネしている!!」と私自身が一番驚きました。「サークルに参加して私も活動したい、私にもチャレンジできることがあるんだ!」と、自信を持てるようになりました。

【自宅でサークル開催】
サポーター仲間からの後押しもあり、2021年のゴールデンウィークに初めて自宅サークルを開催しました。初回は近隣に“まるまる育児”が根付いているわけではないので“まるまるママ”の参加者はゼロでしたが、スリング体験や赤ちゃんへのお世話のポイントをお伝えしました。メインはママのリフレッシュ。ママが笑顔になれるよう耳を傾け楽しいひとときを過ごしていただきました。
そんな活動を細々と続けている中で、SNSから近隣にお住まいの“まるまる育児”実践中のママ達からのお問い合わせや、他のアドバイザーの方々から紹介していただき、”まるまる育児”を実践している親子との出会いが徐々に増えてきました。

2020年から始まったコロナ禍による自粛生活で、私が出産した時より孤独な期間が長引き、育児の悩みはますます深刻化していると感じるようになり、私だけの力では至らない点も多くなりました。
「悩んでいるママ達の力になりたい」と思い『まるまる育児バイブル』の著書のお1人、富山県の竹内華子先生を春日部に来ていただきケア会を開催。参加された皆さんにはとても満足していただけました。
勉強熱心なママが多く、ケア会後も月に1度、サークルを開催し交流を深めています。定期的に会うことで成長を見守ることもでき、またその成長段階での悩みにも相談に乗ることができています。

私自身がとても楽しく過ごせ、学びが深まる自宅サークル。昨年まではひっそりと開催しているサークルでした。今年に入り、パートを退職したのもありSNSでの発信を強化し、事前に開催をお知らせすることで、初めて出会う親子も増えました。
“まるまる育児”は知らないけどサークルに参加してみたい!」「成長が気にかかるから、話を聞いてみたい!」と問い合わせをいただくようになりました。
そして、ついに今年の9月、渡部信子先生に春日部に来ていただき、施術会を開催することができました!!

【今後の目標】
ママとして参加していたサークルは、とても楽しく、私にとってかけがえのない場所でした。核家族が増え、気軽に育児を相談できる相手がいない。公共施設での子育て交流の場が失われ、大変な中で子育てしている令和のママ達。そんなママ達に少しでも笑顔が増えて欲しい。お世話のコツを、つかめば子育てってとても楽しい。そんな風に過ごしていただきたいと思いサークル活動を続け、その中でいつも「姿勢は健康に過ごす上でとても大切」と伝えています。

今後の活動には、私一人では限界があります。そのため、助産師さんなどと協力をし、
支援の輪を深く広めていくことを考えています。そして埼玉でも「姿勢は大切」と考えて丁寧な子育て支援ができるサポーター仲間の輪も作りたいです。
最短距離でゴールに辿り着くのは困難かもしれませんが決して諦めません。自分らしく我が子の子育てを楽しみながら、学びを深め続けていきたいと思っています。そして、埼玉だけでなく、千葉や東京、関東全域に“まるまる育児”が普及していくことを夢見ながら、携わっていきたいと思っています。