渡部信子のコラム
人生は「体作りファースト」で!

 
【ストレートネックだと どうなる?】
セミナー・サークルなどで、「どこかでストレートネックと言われたことがある人、手を挙げてください」と言うと、たいてい半数の人の手が挙がります。
手を挙げない人もストレートネックや、それに近い人がほとんど。私のようにカマボコ型の彎曲のある首で、背骨全体がS字状に彎曲している人は、数十人中1人くらいかな?

背骨が真っすぐでは直立2足歩行ができず、ゴリラのように4足歩行でないと歩けませんから、真っ直ぐ背骨の人ほど仙骨の彎曲が強くて、尾骨の付け根が飛び出ています。ヒトの仙骨は手で押すと弾みが感じられるのが正常なのに、ゴツゴツでまるで岩石のよう(>_<)
「例えが上手い、良くわかる!」としばしば言われる私は、最近、S字状彎曲の弱い人の骨格を“真っ直ぐ背骨の丸岩石仙骨”と言うことにしました(^O^)

S字状彎曲が弱い背骨は衝撃に弱く、重い荷物を背負って歩くことなどが難しいと言われていますが、現代社会ではそんなことをする必要がなく、筋力を使わない便利な生活している人がほとんど。ですから、S字状彎曲が弱くても支障なく暮らせます。でも、若いうちはいいとして、60代・70代となっても元気に暮らせるのでしょうか?

【“高齢者”になると】
今年の1月13日配信のこのメルマガに、私のコラム「70代をイケイケで生きる!」を載せましたが、
https://tocokikaku.com/column/column.php?CLM_NO=480
とにかく、全国各地で人の体を診ていると、70代が一番立派なS字状彎曲がある背骨で頑丈な体をしています。「セルフケアを続ければ100歳まで生きられそうですよ」と言うと、とても喜ばれます。S字状彎曲の弱い人は、高齢者(65歳以上)にも少しはありますが、若ければ若いほど多いと感じます。

先日、久々に施術に来られた65歳になった女性が「腰が痛くて整形外科に行ってレントゲン検査を受けたところ『第5腰椎がつぶれている』と言われました」と! 画像を見せてもらうと、第5腰椎とその周辺はほとんど写っていなくて、モヤモヤ~とした画像が見えるだけ\(@@)/ モヤモヤとしている画像の正体は、骨密度が低下してスカスカになり、しかも、ずれたまま複数の骨がカルシウムで固まったりしているのでしょうね、きっと。

でも、画像の割には元気に歩けて、寝たり起きたりもさほど痛そうではなく、
触診をしたところ、第5腰椎の後ろの突起(棘突起) や横の突起(肋骨突起)は特変なく触れるのです。第5腰椎の周囲のこわばりを緩める施術をしたところ、楽になったようでホッとしましたが、私が心配になったのは首。
こんなにS字状彎曲の弱い背骨なんだから首もストレート。「腰椎同様、頸椎の画像もモヤモヤとしているのでは?」と思った私は、「仕事が忙しくって、次はいつ来られるか…?」と言う彼女の言葉をさえぎって、「貴女はそんなことを言っている状況ではありません! 仕事優先で暮らしていたら、ある日突然、起き上がれなくなることだってあるんですよ」と、言いながら頸部の脊柱管狭窄症の画像を見てもらいました。

その画像の人は、ある日突然、起き上がれなくなった80代半ばの女性で、首にはしっかりとした前彎がある人です。ということは、ストレートネックの60代以下の人達は、果たして80代半ばまで元気に生きられるのかと不安になりますよね。
そのうえ、ステイホーム・在宅ワークが叫ばれ運動不足、パソコン・スマホを見ながら長時間座っていたんでは、足腰の筋肉は弱り、骨密度も低下する一方。歩けなくなると、加速度的に体は弱っていく…。
ですから、65歳(高齢者)になり、体の痛みや不調を感じるようになったら、その後の人生は体のメンテナンス優先で、余暇で仕事をするようにしないと、つらい人生に突入していく可能性が高いと思うのです。

団塊の世代が100歳になったとき、100歳未満の人達は元気なんでしょうか? 100歳を超えた親が70代の息子や娘の介護をしないといけないなんて、まっぴらゴメンです(>_<)

【痛み方や、骨のずれ方が変わった】
激痛で歩けないようなギックリ腰の人に、15年ほど前までは年に数回は出会っていたのに、年々減少してコロナ禍に入る前にはそんな人と出会わなくなりました。そして、コロナ禍に入ってからは、第5腰椎と仙骨の間が横にずれている人に頻繁に出会うようになったのです。以前はこんなゆがみは珍しかったのですが…。
このゆがみは見つけにくいため、あちこちの病院・治療院・整体院などを巡っても良くならないため、私の施術を受けに来られる人が多いのです。

それと多いのは、股関節が痛む人が増えて来たこと。大腿骨を骨盤にしっかりと縛り付けている靭帯は、とても硬くて丈夫なのが正常なのに、伸びて柔らかなっている人の多いこと! コロナ禍以前は中高年の女性か、妊娠中~産後間もなくの女性にしか見られなかったのに、最近では男性にも見られるようになってきたのです。

もちろん私は、これらの不調の原因はすぐに見つけられるので、施術後すぐに「楽になりました~」と喜んでもらえるのですが、何しろ筋肉も靭帯も弱っているため、痛みのない体を維持することが難題です(-“-; しかも、セルフケアをしたことがないから。
それと、そのような不調をいろいろと訴えられる人は“真っ直ぐ背骨の丸岩石仙骨”の人が多いのです。女性はもちろん男性も。

【胎児・乳幼児の体が大変】
“真っ直ぐ背骨の丸岩石仙骨”の大人が多くなっているということは、妊婦も同様の体が多くなっているということです。
すると、その母体の子宮の中で育つ子は、理想的な胎児姿勢とは程遠い姿勢で過ごし、顎を引かずに産道に突入するため、首を傷めて生まれてきます。お相撲さんが立ち合いで顎を上げて相手にぶつかっていくことは絶対にないですよね。そんなことをしたら首を傷めてしまい、相撲どころではなくなりますから。
生まれてからの赤ちゃんの姿勢も、捻じれて、傾いて、反って泣いて…、育てるのも大変です。私のところに来る子は“まるまる”で育てられた子がほとんどなのですが、何しろ頸椎のゆがみの強い子ばかりが各地のケアギバーから紹介されて集まって来るので、いわば“選りすぐり”。
ですから、反って泣く、むせる、斜視、左右の目の大きさが違う、なかなか首が据わらない、受け身が取れない、倒れて頭や顔を打ってけがをしたり、歯を折ったり…、ということがあるわけです。

でも、頸椎をはじめ骨格全体のゆがみを整え、正常な背骨の彎曲が育つようにホームケアを続けることにより、1歳8か月頃には健康で頑丈な体になります。おしゃべりも上手で、器用に何でも上手にできる子になるので、家族の皆さんも喜ばれ、近所の人や保育園・幼稚園の先生方も驚かれるのです。

反対に、骨格のゆがみにも気付かず、ホームケアもしないと、転びやすい子になりがち(*_*; すると、1人で転んで頭を打ったのに、脳にダメージが及ぶと“親による虐待”と疑われて、児童相談所に収容されてしまう赤ちゃんもいるそうです。『さらわれた赤ちゃん』という本が出版されているくらい(-“-;

首のケアをされないまま生まれ育った子は、S字状に彎曲した脊柱の大人になることは期待薄。“真っ直ぐ背骨の丸岩石仙骨”になりやすく、親の世代よりさらに運動不足のまま大人になり…、これが続いたら虚弱な日本人がどんどん増えていきます。

【体作りファーストで!】
今40歳の人は、20年後は60歳、子どもがまだ経済的に独立していないうちに、親が仕事もできず生活にも支障を来すようになると、子どもも気の毒です。それに、70代60代の人達が痛みや不調でグズグスしている20年後の日本を想像するだけでも、眉をひそめてしまいます。

そうならないためには少なくとも次の2つのセルフケア体操を、生活習慣にしてしまうことが大切です。
・体操用マイピーロを使って、首クルクル体操
・片足抱えのだるまさんコロコロ体操
この2つは自病を持つ人の定期内服薬のようなものですから、動けない体になるまで、毎日、30年・60年と続けると、同年代の人より元気な高齢者になれると思います。
これ以外に、腰が痛いときや肩こりがひどいときにする体操や操体法をお教えしますが、これらは「頓服(症状が強い時に服用する薬)のようなもの」と説明しています。

私が知っている中で、最高のセルフケア名人は仲真衣さんだと思います。彼女の体の変化には目をみはるばかり。それを写真入りの記事にしましたので、ぜひこちらをご覧ください。
https://blog.ap.teacup.com/majyosanba/3477.html
セルフケア名人になるためには、セミナーやサークルなどに参加しましょう。講師から学び、仲間同士で教えあって、自分に合った方法にリメイクする力も伸ばしましょう。

もちろん、ダンス・武道などを誰かと一緒に習って続けることも大切。家で孤独にやっていたんでは、5分間続けることすら難しいものです。仲間と共に楽しむこと、それが長続きのポイントです。
どこも痛まない快調な体だと、仕事も家事も、習い事も・登山なども楽しくできる。つまり、人生を謳歌できるんです! ぜひ皆さんも、「体作りファースト!」で、これからの人生を歩み続けてほしいと思います。