千葉県の開業鍼灸師 常井 淑恵 先生のコラム
ギャン泣きの第1子の育児中に出会った“まるまる育児”から
【はじめに】
皆様、はじめまして。千葉県流山市在住、鍼灸師の常井淑恵です。2歳の娘、0歳の息子がいます。昨年、自宅で女性専門の鍼灸サロンを開業しました。現在は育児中のため、知人のみの施術を行っています。
先日、信子先生と小林いづみ先生のご指導の下、“まるまる育児アドバイザー”試験に合格できました。元々、人前で話したり、発信したりが大の苦手な私ですが、信子先生にコラムの話を頂いて、これを機に発信も頑張っていこうと思います!
【鍼灸師になるまで】
私は小さいころから医療系の仕事に就きたいと考えていました。高校時代は陸上部のマネージャーをしていたため、選手が怪我をすると監督が「鍼に行ってこい!」と度々言っていたのを聞いていました。それで、ある時付いて行ったところ、数分で痛みがなくなるのを間近で見たのです。
「なんだ!この魔法みたいな技術は!」と驚いた私は、「鍼灸師になる! 私も同じようにスポーツ選手の怪我を治したい」と、スポーツ系に強い鍼灸の専門学校に進学しました。
いざ学んでみると、スポーツトレーナーになるには、テーピングやストレッチの技術が必要とされ、鍼灸だけではやっていけない現実に直面。しかも周りはスポーツ経験のある人ばかり…、私が活躍できる場ではないと思いました。
その後、学校での授業を受けていると、鍼灸は婦人科疾患にとても有効だと知り、「これだ!」と直感。当時ではめずらしい不妊治療専門の鍼灸院に就職しました。
多い時で1年間に150人ほどの人が妊娠され、希望の方は妊娠中も鍼灸治療を行って、朝から晩までたくさんの方の治療をしました。
【想像とはかけ離れた育児】
就職して7年、ようやく私も妊娠! 妊娠中も鍼灸によるケアに励み、「こんなに体を整えたのだから、穏やかな子が生まれてくるはず!」と確信していました。
ところが出産は、陣痛促進剤を4日間も使用して、なんとか生まれてきた娘はとにかく反って、ギャンギャン泣き…(*_*; 新生児期でも、日中スヤスヤ布団で寝てくれたのは数回。ほとんど抱っこか授乳をしていました。なので授乳クッションを腰につけたまま生活していたぐらいです(^O^)
「なんでこんなに泣くのだろう? こんなに泣くって聞いてない! あんなに体を整えたのになんで? これも個性?」どうしたらいいか分からず必死の毎日。
2年経った今も、当時を振り返ると涙が出そうです(:_;)
【“まるまる育児”との出会い】
6ヶ月が過ぎた頃、児童センターの先生が「ちょっと反り返りが強いかもね」と教えてくれました。「やっぱり他の子より反り返り強いのかぁ」と、帰り道は落ち込みながらも「何かできることはあるのかな」と急いで検索し、自由が丘のみひかるサロンの予約をすぐに取りました。
予約当日、縦抱きの抱っこ紐にピンピンの背中で入っている娘を見て、池田匠美先生が、「まずは抱っこから直そうか」と抱っこを変えると、ピンピンだった背中が少しふんわりするのを実感できました。
そして、おひなまきとスリングですぐに眠る娘を見て、衝撃! 娘に今までつらい思いをさせてしまっていたと気づき、とても申し訳なくなりましたが、「これから変えられるんだ」と、希望の光が見えたのです。
それから、おひなまきとスリングでの抱っこを教わり、昼間も安定して寝てくれるようになり、ギャン泣きもおさまり、私自身も育児に少し自信が持てるようになりました。
【骨盤ケアとの出会い】
やがて育児に余裕が出てくると、「私のような経験をしないですむように、1人でも多くのママに“まるまる育児”を知ってもらいたい!」との思いが強くなり、娘が10か月の頃“姿勢育児サポーター”の講座を受け始めました。
そこで母体の骨盤との関係を知り、衝撃(@@;
「娘の反り返りは、私に原因があったのか?!」と申し訳なくなりました。あれだけ鍼灸で整えたつもりだったのに、母体の姿勢や土台である骨盤がこんなにも影響するとは…、盲点でした。
「もっと学びたい!」と思い、トコ企画のメンテ“力”upセミナーを受講すると、「とにかくつらい動きはしない。楽な方に動く」。それだけで体がとても楽になるのを実感しました。
治療院勤務時代も妊婦さんを治療していたので、知識はある程度あるつもりでしたが、骨盤ケアや、胎嚢の形の話など目から鱗でした。妊娠中からでは遅い、妊娠前からのケアが重要と知り、「妊活中の治療は得意分野なので、私が伝えられる!」と嬉しくなりました。
【第2子】
第2子妊娠と同時に、骨盤ケアの3原則に沿って、体操とトコちゃんベルトの着用を毎日欠かさず続けました。すると、自分も楽になるし、お腹の子も「お部屋が広くなったよ~」と言ってくれているような気がして、体操を通じて対話しているようでした。
信子先生が「陣痛中には冷蔵庫を拭く動きがいい」とおっしゃっていたのを思い出し、38週のある日、窓の汚れが気になって大きな窓4枚を拭いていたところ、その日の夕方から陣痛が始まり、3時間で産まれました。
1人目との違いに驚き、もっと学びたくなった私は、トコ・カイロプラクティック学院の基本整体講座を受講。人の体に触れるのは慣れていたつもりでしたが、人によって心地よさは違う。いかに相手を思って感じ取るか、ということの大切さを学びました。
そして、信子先生と小林いづみ先生のご指導の下、先日まるまる育児アドバイザーに合格できました。でもまだまだ学ぶことはたくさんあります。講座を受けたことで自分の課題がたくさん見つかりました。現在息子は6カ月。一緒に学ばせてもらおうと思います!
【夫のストレートネック】
私の夫の話です。元々体がさほど強くない夫。生まれつき左の眼はほとんど見えていないため、その分人より疲れやすいのに、平日は朝から晩までPC作業。コロナ禍でリモートワークになったため、週末以外は外に出ることもなく、ずっと座りっぱなし。
案の定、頸肩はガチガチに凝ってしまうため、週1~2回の鍼灸治療が必須です。治療しているとどうしても気になるのが頸椎の硬結。いくら鍼でこりをとっても治せない部分がありました。しかし、先日信子先生の施術を受けると、ストレートすぎる頸にカーブが!! 1回の施術でこんなに変わるとは!
家に帰ってから頸を触診させてもらうと、いつもあるところに硬結がなく、夫もとても調子が良さそう。「早くできるようになってよ」と懇願されています(笑)私も整体ができるようになりたい!
ですが、信子先生からは「あんたの体じゃ、こんな技はできん!」と言われています。確かに体の使い方が下手で、腹力もなく、万年腰痛。
いつか信子先生のように1日に何人もの施術ができるよう、まずは自分の体としっかり向き合いたいと思います。
【私の変化とこれからの夢】
今までの私は、どこか人の顔色をうかがったり、常識にとらわれたり、人からどう思われているのかを気にしながら生きてきた気がします。しかし、トコ企画やトコ・カイロプラクティック学院の様々なセミナーを受けて、人によって快・不快の感じ方は全然違うということを知って、正解も間違いもなく、自分が思うままに表現していいのだなと思いました。
特に基本整体講座では色々な職種の方と、お互いを尊重しながら、意見を言い合うことができて、切磋琢磨できたことが私の自信にもなりました。
私の住む地域は大規模な開発が行われ、子育て世代が急増し、駅前はいつもママと子ども達で賑わっています。そんな中にも、妊娠を望む人や、過去の私のように育児に悩んでいるママはいるはずです。
そんな女性に、鍼灸・骨盤ケア・“まるまる育児”を届け、妊娠から育児までサポートできるようになりたい。そして、地域の人々と心を通わせあえる鍼灸サロンを作り、信頼され頼りにされる鍼灸師になりたい。それが私の夢です。