宮崎県の保健師 Sさんのコラム
娘に助産師を目指すよう勧めた私の壮大な夢

 
【母性看護学の素晴らしさに感銘を受けて】
宮崎県在住のSです。保健師の免許は持っているものの結婚して25年間、現場復帰する機会もなく、子育てが落ち着くと家業の経理や事務を手伝うこととなり、今に至っています。
こんな私がメンテ“力”upセミナーを受講した理由は、看護学生である娘から「“日本における助産師の役割と海外におけるドゥーラの役割”というテーマで卒業論文を書くので、一緒に考えてほしい」と依頼されたのがきっかけでした。

助産師を目指すよう勧めた以上、何か役に立ちたいと思い、いろいろな文献を調べました。以前から“産婆さん”という響きに温かさを感じていたので、ルーツも調べてみたところ…。
「女性が命をかけて次の命をこの世に生み出すためのお産の介助。そして生まれてからもその命が慈しみをもって育てられるよう支援すること。その思いは今の昔も変わらな
い」こんな文章に出会い、母性看護学の素晴らしさに感銘を受けてしまったのです。

【骨盤ケア・まるまる育児との出会い】
それから、図書館で文献を調べていたところ、渡部信子先生の『トコちゃん 誌上 助産院へいらっしゃい』が目に留まりました。他の著書も読み進めていくと、“骨盤ケア”“まるまる育児”“おひなまき”など、今まで聞いたことのない言葉が出てくるではありませんか!

現役時代は母子に関わる業務に携わったことはなく、20年以上前の自身の出産においても、こんな言葉は記憶にはありません。「おなかを冷やさないようお臍を隠す大きなショーツを履きましょう」「起き上がるときは必ず横向きになりましょう」「子どもの抱っこは抱きやすければ問題なし」。四半世紀前は常識だったことなのに…、「すっかり変わっている!」と、驚きました。

メンテ“力”upセミナーを受講した後、「もっと早くこの情報に出会いたかった。子ども達に申し訳ない」そんな気持ちでいっぱいになったものの…、過去に戻るわけにもいかず。
「この情報をもっとたくさんの人に伝えたい。そして妊産婦がより快適に過ごせるようサポートしたい」。そんな気持ちが芽生え、「助産師免許を持たない私にも、何かできるのではないだろうか?」。そんなことを考えるようになりました。

【俄然湧いてきた意欲と現実】
実際、セミナーへの参加者は助産師だけでなくいろいろな職種の人達で、それぞれが高い目標をもって参加していることを知り、俄然意欲が湧いてきました。
しかし、現実はそう甘くありませんでした。9月の後半からのセミナーを手当たり次第詰め込んだせいか、次から次へと入ってくる情報が頭の中で入り乱れ、整理がつかずオーバーヒート状態。
基本整体も体の使い方がわからず、不本意な結果でした。仕事と家事も加わり「私はいったい何をやっているのだろう? 何がやりたいのだろう?」と自問自答するようになりました。

そんな時、渡部先生からコラム執筆の依頼がありました。初めは「こんな状態で何か書けるわけがない。無理だ!」と断るつもりでした。けれども、頭の中を整理し、さらに文章化することで、「私自身がこれからどうしたいの?」が見えてくるような気がしたので承諾しました。

【私の壮大な夢】
今のところはっきりとした将来の自分の姿はて見えていません。ただ「女性をサポートする活動をしていきたい!」という想いは強くなっています。
セミナーで学んだ妊産婦や新生児へのサポートも大事な一つですが、思春期・壮年期・更年期・老年期と、あらゆる年代の女性達に関わっていきたいと思います。
一般的な女性は初潮・妊娠・出産・育児、そして、心と体のバランスが崩れやすいと言われる更年期から閉経を迎え、加齢とともに日常生活動作に支障をきたすようになります。
家事や育児で自分のことは後回しになりがちな女性達を、励まし寄り添い、支える活動をしたいと思っています。
具体的にどんな活動をするのか? それはまだ定まっていません。と言いつつ、実は私には壮大な夢があります(^O^) 娘と一緒に海外で女性専用のサロンを作る夢です。娘とは以前から話していたことで、娘に助産師になるよう勧めた理由でもあります。

海外における産後ケアは、日本より充実している国もあれば、日本よりも充実していない国があると聞きます。日本では当たり前のサービスが、海外では珍しいこともあるのではと思います。正直なところ、私の現状から考えるとあまりにも現実離れしていて、話すのがお恥ずかしい限りですが…。
産後ケアが充実していない国に住む日本人女性や、現地の女性にケアを提供するための活動の場を作って、妊産婦をはじめあらゆる年齢の女性達が集える場を作りたい…、そんなことを考えています。
理想と現実。それほど甘くはありません。海外となればなおさらです。まずは日本でたくさんの経験を積み重ねることが必要です。また語学力を身に付け、現地のことも調べなくてはなりません。考えだすと気が遠くなります。

夢の話はこのくらいにして、今は気になったことや目の前のことに挑戦していこうと思っています。それを積み重ねていけば必ず答えが出るはずです。
実際、渡部先生の本と出会い、セミナーに参加していること自体、間違いなく夢に近づいていると思います。ゼロからのスタートです。何年かかるかわかりません。まずは焦らず、自分のペースで夢に向かって歩んでいこうと思っています。