東京都の助産師 Yさんのコラム
死にそうな体から、やりたい仕事をできる体に

 
【はじめに】
東京都23区内で、訪問中心で開業している助産師Yと申します。私が骨盤ケアを勉強し始めたのは30代の半ばで、かれこれ17年位前になります。

旧 母子整体研究会の門を初めてくぐった日のことを、未だ忘れることができません。衝撃でした。
研修内容はとても興味深く、分かりやすく、初めて知ることばかり。内容にはとても満足。「もっともっと知りたい!」と思いました。

【死にそうな体?!】
さらに衝撃だったのは、その後。個別で私の体を診て下さった渡部信子先生の一言。「ひどい体やな。この体じゃ、色々大変やで!」
続けて、「あんた、死ぬで~」と。そして周りにいた助産師達も皆頷いている…。
何をおっしゃるのか、この先生は。冗談かと思いきや、真面目な顔をされています。
聞けば、私の総頸動脈は信子先生でさえ見たことのないくらい、今にも破裂しそうなくらい激しく拍動していて、それを皆がまんじりともせずに見ていたそうです。

晴天の霹靂。私は小さい頃から、それなりに勉強もでき、要領も良く、スポーツもそこそこでき、クラス委員やお手本、見本になることが多くありました。褒められることはあっても、叱られることは数えるくらい。
体も丈夫で、大きな病気も怪我もない。ましてや、痛いところも不具合もない健康体。
「ひどい体」などと言われたことは一度も無い! しかも初対面でのこと! 衝撃過ぎて何も言えず…。
心の中で「変なことを指摘するよなあ!」と思いつつ、骨盤ケアの内容はもっと知りたくて、毎月研修に通うようになりました。

【本当に死んじゃうかも?】
ところが日がたつにつれて、信子先生の言葉が予言だったように当たってくるではないですか!
健康体で不具合の無い体、と思っていたのに、だんだん頭痛が出現するようになってきました。研修の途中で何度も頭痛が始まり、気分が悪くなって座っていられなくなり、後ろで寝たり、研修帰りの電車で気持ち悪くなって吐きそうになって、途中下車して駅のベンチから立てなくなったり。
頭痛薬が無いと心配で、常に持ち歩くようになりました。これはいったい何なのか?! 信子先生の言葉通り、私は死ぬのか?!

セミナーを受けるようになってから、こんなに不具合が出るのはどうしてなんだろうと、不思議に思ってある日信子先生に尋ねました。
すると、「セミナーを受ける前の貴女の体はゆがみ固まっていて、グラつくこともなく、知覚も鈍くなっていたから。柔軟になってからでないとゆがみは整わないし、知覚も戻って来ない」と言われましたが、本当に健康な体になれるのだろうかと不安でした。

でも、研修を受け続けているうちに、私の体に何が起こっているのか、だんだんと解るようになりました。
要は、骨盤をはじめ、色々な体の部分が緩くてゆがんでいるのです。
それを、周囲の筋肉や靭帯が代わりにコリ固まって、体を支えていたのです。
多くのママ達の体同様、私の体もすごくゆがんでいたのです。今までは体力・気力・努力でカバーできたことが、年齢とともにできなくなって来ていることに気づきました。

「このままではまずいぞ、本当に死んじゃうかも!」と、心から焦りました。
「真剣に学んで、ママ達の体が改善するように、私自身のこの体も良くしていかないといけない!」と思いました。

【死に物狂いで頑張った研修】
研修内容は毎回目から鱗。知っているようで知らないことだらけでした。1つでも多くのことを学んで、技術を身に着けようと毎回必死でした。
そして早く上のクラスに上がりたく、そのために試験をパスしないといけないので、休日は知識の整理と暗記、自主練もできるだけ参加して技術を習得しようと、死に物狂いで頑張りました。
もちろん、頭痛と戦いながらです。

でも知識、技術を学び、セルフケアで自分の体を管理し始めると、少しずつ体に変化が出てきました。そういえば、研修中に頭痛が起きない! 最後まで聴いていられるし、帰りの電車も気持ち悪くならず元気に帰れる!
もちろん、研修の度に信子先生に体のゆがみを直して頂いていました。「こんなに変わるのか、楽になるのか…?」と、自分の体で実感する日々でした。

【訪問中心で開業】
頭痛と戦いながらも、信子先生に背中を押され、まだまだ自信は無いまま開業したのが2005年頃。上の娘が5歳、下の息子が3歳の時でした。
私のように体のしんどいママ達がたくさんいます。病院に行っても、治らない、と言われ、仕方ないと諦めて、毎日我慢して頑張っているママ達。

「少しでも楽になってもらえるのなら」と、訪問中心で骨盤ケアや、母乳マッサージの依頼を受けることにしました。
だんだんと口コミや区の宣伝で骨盤ケアの依頼は広まり、多い時では月200人、年間2,000人を超す依頼が来ました。

気が付くと、私の頭痛はすっかり無くなっていました。びっくりです。30代で死にそうだった私は、50代の今、とっても元気です。
今は少しゆとりをもって仕事をしているので、月120~140人位ですが、2週間位の予約待ちの方が常にいらっしゃいます。
一旦施術を受けられると、リピーターになる方が多く、体が楽になった!と嬉しい声をたくさん頂いています。

骨盤ケアは本当に人生を変えるものだと、思います。実際私の人生も骨盤ケアによって変わりました。
私は、1人でも多くのしんどいママ達の体を変えていきたい。私が楽になって、元気になったように。
60代になっても、70代になっても頑張って続けます。信子先生のように(全く及びませんが…)

【3分間スピーチのおかげで講師活動も】
余談ですが。トコ企画のメンテ“力”upセミナーで、アシスタントをよくさせて頂きました。
アシスタントは必ず最初に自己紹介の3分間スピーチをします。
起承転結などを考え、骨盤ケアに関すること、自分言いたいことを分かりやすく、受講生の皆さんに伝えるのです。
最初はあがってしまい、活舌が悪くなったこともありましたが、経験を積むうちに、内容は勿論のこと、話の仕方、声の出し方、ジェスチャーなど、色々なことを考えながら話せるようになりました。

これが毎回とても勉強になり、今は骨盤ケアなどの個別施術の他、性教育・コミュニケーション講座などの講師も行っています。
対面での講座が難しい今は、オンラインという、さらに講師としてのスキルが必要な講座も開催しています。
これもアシスタント時代のスピーチ練習のおかげです。

【元気が一番!】
やりたいことはいっぱいあります。そのためには、まず体がしんどくないこと、元気であることが一番大事!
まだまだゆがみのある体ですが、同世代の友人達より元気な私。これも骨盤ケアのおかげ。メンテナンスを続けていけば、まだまだ大丈夫! と思っています。

いつか医療に携わる仕事をする娘と、「母子に関わる仕事を一緒にできたらいいなあ」と密かに夢見ながら、これからも骨盤ケアを続けていきます。