【コロナ禍とオンライン化】
2020年はコロナ禍により日本中に仕事・学会をはじめ、家族や友達同士でもオンラインによるつながりが急激に広がりました。施術までもが「オンラインで」と希望される方が増え、私もオンライン施術なるものを体験しました。
そんな中、11月にトコちゃんベルトの(有)青葉でも「第1回 オンラインセミナー」を開き、たくさんの方にご受講いただきました。
【歯並びと頸椎・口蓋】
そのきっかけとなったのは、2020年4月号の「小児歯科臨床」に掲載された、丸茂義二(日本歯科大学 名誉教授)先生らの論文です。その内容は、歯並びの悪さと第2頸椎の変形とは関係があることを示唆するもので、私のブログにも書いています。⇒
https://blog.ap.teacup.com/majyosanba/2728.html
この論文は私にとって、コロナ禍の陰鬱を吹き飛ばすなんてものではなく、これまで20数年間模索し、考え、働いてきたことの正しさを、ついに画像で証明してもらえたと、嬉しくて「ヤッター!」と一人で叫んだくらいでした。
この論文を教えてくださったのは、歯科医師の高島隆太郎先生です。彼はこの論文を目にした途端、私に「教えてあげなくては!」と思ったそうです。と同時に、自分達がしてきた仕事に対するショックは、「コロナ以上」と落胆されていました。
彼とは空手つながりで仲良くしていて、私の仕事に関しても深く理解してもらっています。お陰で、この論文をすぐに読むことができたのです。大切ですね、人のつながりって。ほんまに有難い。という経緯で、秋に開くオンラインセミナーの講師を依頼したというわけです。
高島先生は「0歳からの健口長寿研究会」副会長で、会長は増田純一先生です。増田先生は長年にわたって、何千人もの小学生の口蓋の形を撮影し、口蓋の形が丸型だと歯並びは良く、三角型だと良くないことに着目し、報告されています。
口蓋とは上顎複合体の一部であり、つまり、頭蓋骨の一部です。
ということは、頸椎・頭蓋骨がきれいな形で育たないことには、歯も姿勢もきれいな子に育つのは難しいということですよね。頭蓋骨は頸椎の上に乗っているものなので、頸椎のバランスも良くないと、頭蓋骨のバランスも良くならない…、ということになりますよね?
従来から「歯並びの悪さと姿勢の悪さは関係があるのでは」と、と多くの歯科医師が感じていたようですが、歯並びと口蓋・第2頸椎歯突起の形状との関係が、画像と数字でハッキリと証明されたのです。このことは歯科医療関係者だけでなく「小児に関わる多くの人々に大きな課題を投げかけることになった」と言っても過言ではないと思います。
【耳鼻咽喉科領域の病気と頸椎】
そんな中、私が気になるのは、子ども達の耳鼻咽喉科領域の病気の多さです。中耳炎で半年~1年間も抗生物質などを内服し続けている子ども達や、鮮明で大きな声が出ない子や、自分の唾液でむせる子のなんと多いことよ!
「免疫力で大切な役割を果たしているのは腸内細菌」と言われているのに、抗生物質を内服すると、すぐに腸内細菌叢がダメージを受けることが報告されています。長期間、中耳炎を患って抗生物質を内服している子に、にこやかで力強い表情を見たことがありません。
「副鼻腔炎になるかならないかは、鼻中隔を見れば分かる。真っ直ぐな人はならない。彎曲している人はなる」と初めて聞いたのは、今から20年ほど前でしょうか?
実は、私は年末に人生初の脳のMRI検査を受けました。結果、脳神経外科医から「脳内には脳梗塞・出血・腫瘍などの異常所見は何もない」と説明されました。
でも、私は画像を見ながら、鼻中隔が緩く彎曲しているのに気づいたのです。
私は高校時代に慢性副鼻腔炎と診断され、2カ月ほど耳鼻咽喉科にほぼ毎日通院し、鼻洗浄をしてもらっていた経歴があるので「きっと彎曲している」と予想していたので「やっぱり…」と納得。
私の頭は左右対称ではなく、右後頭骨が平らなゆがみ絶壁です。その頭の形に沿うように、左右の脳を分けている真中の線も、鼻中隔も彎曲していることが分かりました。ということは、新生児期の向き癖⇒頭のゆがみ⇒鼻中隔彎曲⇒副鼻腔炎となったのだと思いました。でも、副鼻腔炎になったのはその時だけで、薬を飲んだ記憶もなく、その後は一度も副鼻腔炎で受診したことはありません。
MRI検査を受けることになった理由は、眼科の定期受診時、片目が少し動かしにくく、見づらかっただけだったのですが、「脳梗塞の疑い」と、検査を勧められたのです。
私は「あり得ない」と思いつつも「保険扱いで検査をしてもらえるなら、こんな有難いことはない」と思って受け、お陰で脳内を見ることができました。
医師の説明を聞きながら「椎骨動脈をはじめ首の動脈は左右対称で、狭窄もなくきれい」とわかり「椎骨動脈もきれいですね~」と口に出してしまったところ「よくご存じですね」とちょっとばかり驚かれた様子でした。「頸椎も写っていたらいいのに…」と思ったんですが、残念ながら全く写っていないようです。
私の施術に通っている子で、「中耳炎のため長期間抗生物質を内服していたのに、たった一度の施術で中耳炎が治った」という子が、これまで何人かいます。そんな子はたいてい第2頸椎がゆがんでいるのですが、それを整えると、免疫力が高まるのでしょうね、治ってしまうのです。
ネットで「鼻中隔・副鼻腔炎」と検索すると、鼻中隔彎曲は中耳炎にもなりやすく、その治療として鼻中隔の手術が有効と書かれています。
私は副鼻腔炎・中耳炎だけでなく、目まい・難聴・耳鳴りも頸椎のゆがみと大いに関係あると思っています。なぜなら、頸椎を整えることで症状が消えてしまう人がたくさんいるからです。そこで、「耳鼻咽喉科の先生がそんな論文を書かれていないだろうか…」と、ネットで探したのですが、残念ながら見当たりません。
【私の夢】
考えてみれば、患者さんが長期間通院してくれれば、再診料・検査料・手術料・処方料…と収入につながりますが、健康な体作りを目指して頑張る人が増え、通院患者さんが減れば収入は減ってしまいます。そうなっては病医院の経営は厳しくなります。自分で自分の経営を悪化させるような研究は誰もしたくはないですよね?
でも「中耳炎が治らず、難聴になってしまった」とおっしゃる方もあります。それでは気の毒です。耳鼻咽喉科の先生だって「あそこに何年間も通ったのに、難聴になってしまった」なんて言われるのはつらいのではないでしょうか?
歯科の先生も「あそこに何年も通ってお金もいっぱい払ったのに、歯並びは良くならなかった」と言われるのはつらいと思います。そんな中で歯科の先生達は頸椎・姿勢・口蓋に目を向けられるようになったのだと思います。
「近い将来、歯学部だけでなく、医学部でも各種症状と頸椎・頭蓋骨をはじめ全身の骨格のゆがみとの関連について、教えられるようになる日が来るといいな~」「そしたら、病院通いすることなく、楽な体で人生を送れる人が増えるのに…」と、夢見ている私です。