札幌の開業助産師 木田 妙 先生のコラム
女性の幸せを届けに、臨床・教員を経て助産院開業
【はじめに】
札幌でオンラインと出張専門の「ぷれな助産院」を開いている木田妙です。助産師歴27年、全ての女性に向けて「子宮と膣を整えて自分らしく生きる」お手伝いをしています。
【勤務助産師時代】
大学病院・総合病院・産婦人科小児科病院で助産師として16年間勤務しました。外来・病棟・手術室・新生児室・分娩室・助産師外来なども経験し、約600人の赤ちゃんを取り上げ、さらに多くの妊産褥婦・新生児と関わってきました。
当時の私は助産師として多くの方と関わってきた自負があり、妊娠・出産についてなんでもわかっているつもりでいました。
しかし、自身の3人目の妊娠・出産をきっかけに、(旧)母子整体研究会に出会い、渡部信子先生のセミナーや施術を受け、その衝撃で開眼しました。
1人目・2人目の妊娠で大変だった謎が解け、「痛いのは妊婦だから仕方ない」「根性で乗り切るものだ」と思っていたつらい症状が、ケアで改善できることを信子先生が教えてくれました。
人はつらさを共感してもらうと少しは楽になりますが、妊婦の体の痛みは共感だけでは楽にならないことを実感し、痛みに対し助産師として積極的にケアができるようになりたいと思いました。
3人目を出産して少し落ち着いたH17年から、(旧)母子整体研究会の基礎セミナー・べびぃセミナー、トコ・カイロプラクティック学院のオステオパシーなどを受講したのですが、それまでの自分は妊婦の体のことについて何も知らなかったことが分かりました。
セミナーで学んだとこは、私自身が、「もっと早く知っていればこんなに妊娠・出産・育児で苦労しなかったのに」…と、思っていたことばかりでした。
学べば学ぶほど「これからの妊婦さんに同じつらい思いをしてほしくない」との想いは膨らみ、「整体マザー教室」や「ベビー教室」の開催に漕ぎつけ、講師をしたり、個別の保健指導を通じて母子整体を伝えたりしながら、充実した日々を送っていました。
【看護教員に】
しかし、困っている妊婦さんやママたちがあまりに多いので、一人ひとりに関わるのも大事だけれど、多くの妊産婦さんに関わる看護師に正しい知識を伝える必要があると感じ、看護学校の教員になりました。
看護学校では学生の体の悪さに戸惑うことの連続で、その一つに沐浴ができないことがありました。
全身の筋力の無さはもちろん、手や肘の捻じれのために赤ちゃんをうまく支えられなかったり、フラットバックや骨盤の緩みのため立っていることがつらかったり…、原因は複雑多岐で、解決策も見つからず…。
従来通りの沐浴方法では、赤ちゃんとママの安全を守ることが難しい時代になってきたことを感じました。
その後、助産師教育にも携わりましたが、教科書が実際の分娩に合わず、全く役立たないほど現実は変化していました。
多様化した出産に対応するため、より多くの知識が必要であると同時に、マニュアルではなく一人ひとりの妊産婦さんを看て、しっかりアセスメントすることが大切になっていると感じました。
【助産院を開業】
再び臨床・看護教員を経験しましたが、「直接妊産婦さんの役に立ちたい。ケアを届けたい」との想いが強くなり、助産院の開業を決意しました。
何も決まっていない状態の開業でしたが、「コロナで母親学級に行けなかったから、いろいろ不安で…」「健診に行ったけど病院ではコロナが心配で、助産師に相談することもできなかった」という妊婦さんの声にお応えして、オンラインで講座もしています。
また、最近は尿もれ・不妊症・月経前症候群・生理痛・更年期症状・性交痛・子宮脱などの相談が多くなり、全ての年齢において女性の体が変化していることを強く感じています。
ある20代の方ですが、小学生の頃から尿もれがあり「常にじゃなくて、くしゃみや咳をした時だけだから大丈夫です」と話されたことにショックを受けました。
実際に尿もれを経験している人が20代で約2割、30代で約 3割、40代で約 4割以上、50代約5割以上というデータがあります。
尿もれが高齢者や出産後の方だけでなく、若年齢化していると感じます。
さらに、不妊症の相談も増加しています。体外受精で生まれた子どもが2003年に17,400人から2018年には56,979人となり、15人に1人が体外受精で生まれている計算になります。
体外受精を否定しているのではないですが、普通に妊娠できるのがいいに決まっています。
実際問題として、女性の社会進出や晩婚化などの社会的背景はありますが、普通に産める体の女性が少なくなってきているのではないかと危惧しています。
政府は不妊治療の助成に尽力していますが、高度不妊治療に至る前の若い女性にアプローチしていかなければいけないと思っています。
実際に2019年の出生数は86万5239人と減少しており、次年はコロナの影響もあり、さらに減少すると予測されています。
せめて、子どもを希望している女性が、産めるといいなと思います。
一方、このような不妊や尿もれなどで悩む女性は、傷つき、女性として自信を無くしています。人間関係に悩む方も多いです。
女性の子宮は命が宿る神聖な場所、そこにつながる膣、これらを大切にすることは自分を大切にすることに繋がると考えます。
自分を大切にできない人は他人を大切にすることはできないと思うので、人間関係の基本を整えることにもつながっています。
子宮と膣を整えることは、女性としての自信を取り戻し、自分の人生を思い通りに生きることだと思っています。
そんな折、「膣ケアを教えてほしい」との依頼が増え、助産師として膣をたくさん見てきたこと、教員として伝えてきたこと、整体師の視点やヒーラーとしての経験を統合し、女性の子宮と膣を整えるお手伝いを始めました。
【これから】
女性が幸せになることは、パートナーや子ども、その女性を取り巻くコミュニティ、ひいては日本の隅々まで幸せが浸透するのに良い影響をもたらすと確信しています。
女性の幸せを願い、日曜~金曜までの毎朝8:50~9:00頃、健康・育児に関するテーマでFacebook liveをしています。
これからも必要な方に必要な情報が届くようFacebook liveを続け、YouTubeやInstagramでも情報を発信していきたいと思っています。
さらに、異業種の仲間とのコラボを強め、女性の幸せを願う人の輪を大きく育てていきたいと思っています。