東京都の勤務助産師 望月 康恵さんのコラム
将来の夢はケアが必要な外国人にも

 
【助産師を目指したきっかけ】
東京都の多摩市にある日本医科大学多摩永山病院の母子センターで、勤務助産師をしている望月康恵と申します。
助産師を目指したきっかけは、私が看護学生のときにDV(ドメスティックバイオレンス―配偶者または事実婚のパートナーなど親密な関係にある男女間における暴力)の記事を読んだときでした。
私は「世の中の女性と子ども達のために、何か助けになることをしたい」と思いました。
女性をサポートできる仕事に就きたく、必死で調べると「女性の一生に関わる存在は助産師である」という文章を発見!
それまでは、「助産師とは、出産を介助するだけの存在」と思っていたのに、それだけではなく、ずっと女性の側に寄り添いサポートする存在なのだと知りました。
こうして私は看護学校を卒業すると、そのまま助産師になりました。

【トコちゃんベルトアドバイザーとの出会い】
助産師として関西にある大学病院に勤務した頃から、トコちゃんベルトの存在を知ってはいました。
でも、当時の私は「母子に優しい関わりがしたい」とは思いながらも、骨盤ケアの大切さなんて、ほとんど理解していませんでした。
27歳になったときに、病院を退職しアイルランドで6ヶ月間、フィリピンで3ヶ月間、医療英語を学ぶために留学し、帰国後、東京都に移りました。

助産師になって10年。都内のクリニックに就職したときに、トコちゃんベルトアドバイザーの資格を持つ先輩と出会い、妊娠期を快適に過ごすための骨盤ケアを教えてもらいました。
トコちゃんベルトを着用後、疼痛が緩和され満足感を得る妊婦さんの姿を目の当たりにし、その効果にビックリ!「いつか私も骨盤ケアを勉強してみたいなぁ」と漠然と思いながら、月日は過ぎていきました。

【妊娠・出産】
そのクリニックを退職し、多摩地区にある総合病院に就職した後、34歳のときに1人目を授かりました。
「産休に入るまで元気に働きたい!」と思い、トコちゃんベルトをネットで購入し、自己流で使用していたのですが、切迫早産になり予定より1ヶ月早く休むことになりました。
勤務先は骨盤ケアに力を入れていなかったこと、自分らしい自然な出産をしたかったことから、都内にある矢島助産院での出産を選択。

助産院でさらし・ゴムチューブを使った骨盤ケアと、分娩所要時間12時間の暖かいお産を経験したことで、私はこれまで以上に母子に優しい出産と、産後のケアを目指したいと思うようになりました。

【子連れ満員電車通勤】
1人目の産後は、子どもを保育園に預けられなかったため、職場の院内保育園に預けることになりました。
縦抱き抱っこ紐を使用し、10kg以上の我が子を抱えて、片道約1時間の満員電車での通勤は、想像以上に大変でした。
特に、前に子ども抱き、両手と背中に荷物の重量が加わると、信じられないほど緩みきった骨盤に、どっしりと負荷がかかり、内臓が下がっていく…。そんな辛い私に抱かれた子どもも、さぞかし辛かったことでしょうね。

それでも、自分自身の体験から「これから出産する人や育児中の人に何か助けになることをしたい、自分が受けて良かったケアを還元していきたい」との思いは膨らむばかり。
でも、子連れ満員電車通勤生活を半年以上続けるうちに、心身共に徐々に限界に達し、「もう少し子どもが大きくなるまでは自宅にいよう」と思うようになりました。

【現在の職場に】
2つの思いの狭間で揺れつつ、結局は退職の道を選んだものの、「還元したい」との思いから離れられず、恋しさは募るばかり…。そんなときに偶然、自宅から通いやすく、しかも、院内保育園がある病院を見つけて就職しました。

今の職場には院内助産システムがあり、助産師に任される仕事が多く、主体的に働けるのが特徴です。そして、産婦さんに渡す「お産セット」の中に、珍しく、トコちゃんベルトが入っています!
ただ残念だったことは、私が就職した当時は、トコちゃんベルトアドバイザーがいなかったことです。トコちゃんベルトの着用指導がほとんどできていないこの現状を、何とかできないものだろうかと思っているうちに、あっと言う間に4年半が過ぎました。

【2人目の妊娠中にセミナー受講】
現在の職場に就職後、しばらくして2人目を授かりました。
「今度こそは切迫早産にならないように!」「妊娠中に自分の体で色々と良いことは試してみたい!」と思い、トコ企画のセミナーを次々と受講。いろんな講師の先生方や、先輩方と出会いました。
中でも渡部先生のお話は熱意あり、笑いあり、厳しさあり、愛情ありと、ファンの多さにも頷けました。講義はとても楽しく、満足感を得る自分がいました。
実際に、私も妊娠中から「だるまさんごろごろ体操」などを始めると、体操を行った後は体を動かしやすくなり、自分でも驚くほどマイナートラブルが楽になっていきました。
お蔭さまで2人目のときは、切迫早産にならずに済み、分娩所要時間7時間の安産でした。

育休復帰後は、今も着用しているトコちゃんベルトのアドバイザーの資格をもらえました。
正しい使用方法を職場のスタッフ全員で共有し、妊娠中から産後のママたちに着用できるようになってきました。
ただ、骨盤ケアの3原則に基づいた“整える”という部分は十分に提供できていないのが現状ですので、これからの課題です。

【今後の夢】
私にとって、ママと子どもの笑顔は癒し。
だからこそ、妊娠中から産後の方に寄り添った骨盤ケアを通して、体を整えて丈夫な赤ちゃんを産み、産後も子ども達とずっと笑顔で健康で暮らせる、そんな母子を増やしていきたいです。

今後はトコ・カイロプラクティック学院のベーシックコースを受講し、自分の体も他人の体もケアできるようになりたいです。
いつか…、遅くとも20年後、定年退職した後は開業して、渡部先生のように骨盤ケアと“まるまる育児”を広めていきたいと思っています。

そして、留学経験で身に付けた医療英語を生かし、ケアが必要な外国人にも同様にケアを提供できるようになりたい。それが私の夢です。
そのため、今もオンラインを利用してレッスンを続け、英語を忘れないように努めています。
先生の皆様、仲間となって下さった皆様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。