「モトコちゃんの トコヨガセミナー」の講師 吉川元子先生のご挨拶
 
皆さん はじめまして (^_^)v
新しくトコ企画主催の「トコヨガ入門セミナー」の講師をすることになりました、助産師の吉川元子です。
今回は皆さんに、私がこのセミナーを始めようとしたキッカケと、セミナーの内容を少しばかりご紹介します。

「トコヨガ? 何それ?」と思った方も多いのではないでしょうか?
私の名前は「ヨシカワ モトコ」。「ヨシカワ モ トコちゃん」
だから「トコちゃんヨガ」⇒「トコヨガ」。モチロンそれは、ダジャレです(^o^)/

分娩時に呼吸法がうまくできなくて、吸引分娩もや帝王切開になる人が増えていますよね。そんな人は、妊娠中から呼吸がつらくて、お腹もカチカチです。せっかく母親教室やヨガクラスで習ったことも、出産時にうまく使えず、産後も腰痛・尿漏れ・オッパイトラブル・腱鞘炎などに悩む方が多いですね。
そんな方に、外来やお教室の短時間で教えられて、効果の高い体操やポーズをお伝えしたいと思い、今回講師を引き受けました。どうぞ、よろしくお願いいたします。

私がヨガを始めたのは、出産後3年間の保育園勤務で、人生初めての腰痛に悩まされたのがきっかけでした。その後、今から18年前、夫の転勤でつくばに移り、パート助産師をしながら近所のヨガサークルに参加して広池ヨーガを始めたところ、なんと3ヶ月で腰痛が嘘のように無くなりました。この時「もしかしたら妊産婦さんの腰痛や恥骨痛も、ヨガで良くなるのではないか?」と直感しました。

その後マタニティヨーガを習う機会を得て、自分でヨガ教室を担当するようになり、「ヨガで腰痛などの不快症状は改善する」は確信に変わりました。
ヨガを毎日練習した方は、腰痛などの不快症状が改善するだけでなく、柔軟な身体は出産をスムーズにします。腹式呼吸による呼吸法や、リラックッスして痛みを乗り切ることは、胎児をよい状態に保つことにも、役立っていると感じました。

しかし、教え初めて3年、5年と経つうちに、腰痛に効くポーズを教えたくても、「胡坐(あぐら)になれない」「仰向けになれない」「手も上げられない」など、ヨガのポーズそのものも、うまくできない方が年々増加し、その原因がわからないでいました。
ヨガだけで、安産できる身体を作ろうと頑張っても、時間がかかる一方で、身体作りが間に合わず、「呼吸法やリラックスもできなかった」というアンケートが増え続けました。

2003年渡部先生と出会い、「そうだったのか!」(皆さんが受けた衝撃と同じ感覚です)
ヨガがうまくできないくらい、身体に原因があるならば、「ヨガに骨盤ケアと操体法を取り入れてしまえば良い!」私はまた直感しました。そこからヨガと骨盤ケアのコラボクラスが始まったのです。

予想通り、ヨガと骨盤ケアのドッキングは、大成功。腰痛、便秘、夜間頻尿、尿漏れなどの妊娠中のマイナートラブルが改善されました。リラックスで安定した心で出産した方からは、「育児を楽しめるようになった」との声が届くようになりました。

しかし、受講する妊婦さんの身体は、年々悪化の一途を辿って行き、留まる所を知りません。
ヨガのポーズもできないくらい、身体が悪化している妊婦さん達の身体を、1~3ヶ月という短期間で、妊娠・出産・育児に適した身体に変えるには
「ヨガができる身体作りこそが大切なことではないか?」と考えるようになりました。

マタニティヨーガも、一般ヨーガも、ティラピスも、エアロビクスも…、そうしたポーズを極めて行う体操をするには、「できる身体」が必要です。
妊婦さんたちが「できる身体」になるには、「どう指導すればいいか?」、「何がポイントか?」について、解剖学的な解説を含めて、トコヨガ入門セミナーの中で、お伝えしたいと思います。
と同時に、ご自分自身の身体を通して、身体の変化と気持良さを感じ取って頂ければ幸いです。

具体的な、セミナー内容のご紹介は、次回のコラム「②お産力をアップさせるトコヨガクラス」でお話します。
ご期待くださいね。
第65回日本産科婦人科学会学術集会の企業展示報告
 
第65回日本産科婦人科学会学術講演会が5/10(金)~12(日)札幌で開催され、企業展示に参加しました。
今回の会場は、札幌市内の四施設で、それぞれにポスター会場と企業展示会場が分散していて、先生方や我々も、徒歩やバスの移動でという、とても大変な会場でした。

そんな中、一番遠い会場の一番奥が青葉展示場所に決まりました (>_<)
本当に一番奥の展示だったので、「ほとんど来てもらえないかも?」と心配しましたが、妊娠をきっかけに「トコちゃんベルトを巻かなくては!」と女医さんが数名、「腰痛にはトコちゃんベルト、信用してるよ!」と声かけて、足早に去っていく先生方や、先日、金沢での日本助産学会ランチョンセミナーで講演いただいた、自治医科大の桑田知之先生もお越しくださり、予想に反して盛況となりました。

私は、この数年この学会の企業展示に参加していますが、ブースでの様子や会話は、数年間でずいぶん変わってきました。
「うちの助産師は一生懸命やってるよ」との先生方の生のお声を、聞くことが多くなってきました。

以前は遠目に眺めていただけの先生(特にベテランの先生)が、年々ブースとの距離を縮め、立ち寄られるようになってきました。
また以前は、全面否定から始まった先生も、我々の主張に対する疑問を、現場で意識して診ていくうちに、理解を深め、研究を始められた先生もおられます。

本当に素晴らしい変化が起きています。それもこれも全国の助産師さんが、トコ企画のメンテ力upセミナーなどを受講し、現場で実践し、さらにその成果を様々な学会で発表…という積み重ねがあったからこそ、先生方が認識してくださっているのだと実感します。

講演会の2日目には、千葉県柏市の窪谷産婦人科の古屋智先生が、「体操用ゴムチューブを利用した骨盤ケアが分娩時出血に与える影響についての検討」について発表されました。
古屋智先生が話されていたのは「助産師が熱心にしているので…」でした。事実、窪谷産婦人科からたくさんの方がトコ企画のセミナーを受講されていて、病院での骨盤ケア教室も開催されています。

青葉展示ブースへ来られた方には、予め「2日目にはこんな発表があります」と、告知をしました。すると中には、「面白い発表だけれど、賛否厳しい意見が出るんじゃないかな?」とおっしゃる先生も何名かありました。

発表後の先生方の質疑はかなり厳しいことが多く、しばしば鋭く突っ込まれてる姿を見ます。特に分娩時にベルトやゴムチューブを巻くという感覚は、先生方にはありえないようで、ブースでも、いつもそこは理解してもらえないことが多いでのす。ましてや新しい概念の研究発表ですから、「古屋先生は、相当な覚悟で向かわれたのでは?」と想像していました。
発表時もかなりの数の先生方が集まられ、「トコちゃんベルト」という文字はないのに、あちこちから「トコちゃんベルトの・・・」「うちも使ってる」との声が聞こえてきました o(^-^)o
発表後の質疑では、「当院でも実際に現場でやっていますが、分娩時にゴムチューブを巻くと心音がとれなくなるけれど、どうされていますか?」など具体的な質問が出てきて、分娩時のケアとしても、広がってきていることを実感しました。と同時に、批判的な発言が全くなかったことに驚きました。

助産師さん達からは「分娩時も骨盤ケアをしたいのに、医師の許可がなかなか得られなくて…」と、よくお聞きします。せっかくの今回の発表ですから、全国の助産師さん達に読んでいただかないともったいないと思います。
それで、何らかの形で読んでいただけるよう、現在、交渉中です。
結果が出次第、改めてお知らせいたしますので、お楽しみに(^o^)/~

学会の発表に関する渡部信子のブログ記事もご参照ください。
体操用ゴムチューブを利用した骨盤ケアが分娩時出血に与える影響についての検討

日本人妊婦骨盤形態の変化


    (有)青葉 宣伝・企画部 金崎久美子