渡部信子のコラム
古希の年末年始に思ったこと

 
12/24 夜9時のNHK総合テレビから、ショッキングなニュース!
厚生労働省の人口動態統計の年間推計によると、2019年の出生数が86万4千人!
2018年の出生数は91万8397人で過去最低を更新し、3年連続で100万人を割っていました。
ですから、「2019年は90万人を割るのでは」と予想はされていましたが、国の想定を2年も上回るスピードで減少したのです。

日本の2018年の合計特殊出生率は1.42 と、これも3年連続の低下ですが、この減り方に対して、出生数の減り幅が大。その理由は「団塊ジュニアの女性が出産適齢期を過ぎたため」とのこと。
また、第1子を出産時の母親の平均年齢は30.7歳と、これも4年連続で過去最高!平均初婚年齢も夫が31.1歳、妻が29.4歳と晩婚化が進み、晩産化が進んだので、第2子、第3子を産む人も当然少なくなります。

都道府県別の出生率では最も低い東京都が1.20、神奈川県・大阪府などの大都市圏は1.3台。長年多産を維持してきた沖縄ですら1.89。これが最も高い県だなんて…、愕然としてしまいます。

これらの数字に目を見張っている私の目に飛び込んで来たのが、MONEY VOICE というWeb News ⇒https://i.mag2.jp/r?aid=a5dec680ac5a60
世界の研究機関が「22世紀に地球上から真っ先に消える国は韓国」と指摘しているではありませんか!韓国の合計特殊出生率は2018年が0.98、2019年7~9月期は0.88、ソウルでは、なんと0.69と、東京の半分弱!

これは、ホモサピエンスが経験したことのない、前人未踏の「絶滅的」低水準記録だそうです。10~12月期は季節的に出生数が減少傾向なので、2019年の合計特殊出生率は、0.88よりさらに下回るのは確実のよう。
仮に2019年、0.86に低下すれば、韓国「亡国論」が世界的な話題になって、韓国の総合評価が下がることは間違いないでしょう。

日本では出生数は減る一方、死亡者数は増加傾向で、本格的な人口減期を迎えています。 https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00624/
国の経済成長にとって人口は重要な要素で、殊に、生産年齢人口(15~64歳)の動向がカギ。日本では団塊の世代が “金の卵”ともてはやされ、集団就職列車に乗って都会に移り住んで以降、高度経済成長に拍車がかかりました。

最近の合計特殊出生率の急低下は、15年後からの韓国・日本の経済成長率をますます押し下げるという、「時限爆弾」を抱えた状態になっていることを意味します。
ところが、韓国では公務員家庭の新生児数は、一般家庭の2倍以上!『朝鮮日報』2018年9月16日付によると、国民:14.5人、地方自治体公務員:30.7人、中央政府公務員:32.7人。何という差でしょう(@@;

文政権が登場して以来、出生数低下が加速されているというのに、公務員家庭は「別世界」。失業の心配はなく、確実に昇給し、有休休暇も保障されています。
ということは、韓国も日本も、韓国の公務員家庭と同レベルの生活ができるなら、出生率が上がる可能性があるってことですよね?それを行わない文政権、安倍政権に批判の矛先が向けられるのは当然です。

安倍総理は「1億総活躍社会」とか「女性が輝く社会」などと、女性が働くことを求め、共働き世帯が増えています。そんな社会では、出産・育児と仕事が両立しやすい環境を整えないと、出生率は上昇しないのは当然です。
でも、女性が結婚したくない理由、出産したくない理由は、それ以外にもたくさんあります。結婚したくない社会的理由としては、男性優位の“家制度”、家庭内における女性の家事負担の大きさ、男女同姓の強制、それ以外に、モラルハラスメント・パワーハラスメント…。

我々団塊の世代が結婚・出産適齢期だった時代は、結婚休暇もなく、出産手当金もわずか、妊婦健診料も乳幼児医療費も自腹でした。
産後休暇は6週間、育児休暇もなし、産休明けから保育園に入れないのは当たり前。「保育所入所希望者の会」を作って、共同保育で乗り切りました。
ベビーカーもなく、抱っこかおんぶで電車やバスに乗って保育園や職場に通っていました。それを思えば、今は天国です。

なのに、出生数が増えないのはなぜでしょう?
「独身の気ままで楽しい暮らしを手放したくない」「子育てをしている友達があまりに辛そう。私はあんな生活はしたくない」と思う女性も多いことでしょう。
それが晩婚化、未婚率上昇に拍車をかけていると思えてなりません。

身体的・心理的理由としては、職業と家庭生活を両立できない“弱さ”があると思います。
不健康で虚弱な体で、しかも、不器用で家事能力が低い女性が多く、1人産んで、妊娠・出産・育児の辛さが骨身にしみた女性の多くは、「2人目なんて考えられない。絶対無理!」と言います。

加えて、見聞きしたことを真似できない、二つのことを同時進行でできない、打たれ強くない…。そんな女性が私の周囲にもたくさんいるし、全国の助産師からも同様の声が聞こえています。

NHKで36年前に放送され、世界的大ヒットドラマ「おしん」。当時、全く見られなかった私は今、BSで再放送を見ています。
おしん以外にも、カーネーションの糸子、スカーレットの喜美子、彼女達のようにあれほど丈夫で仕事のデキる若い女性は、今の世の中にいるのでしょうか?
私は彼女達の1/3~1/4くらいの仕事しかできないと思っていますが、今の日本の30歳前後で、中程度に仕事ができる女性は、彼女達の何分の1の仕事ができているのでしょうか?

たくさん子どもを産むことも大切ですが、同時に“仕事のデキる人”を育てることも大切です。
そのためには、骨盤ケア・“まるまる育児”の普及が大切! とどのつまり、そこに行きつくんですよね。
だって、骨盤ケア・“まるまる育児”を知った多くの女性は、3人、4人と赤ちゃんを産んで人生を楽しんでいますからね。うらやましい限りです。

ところで、今の日本で、どんな人が子どもをバンバン産んでいるのでしょうか? そういう人たちの共通点は
1. 身近にたくさん産んで育てている人がいる
2. 夫が主体的に家事・育児に関わっている
3. 共働きである
とのこと。これはどこでコピペしてきたのかわからなくなってしまいましたが、当たっていると思います。

私も「このような地域社会を作っていく一翼を担えるようになっていきたい」と思うようになった、古希の年末年始でした。