皆さまご無沙汰しておりました。このメルマガの「あいさつ」は月に2回ほど書いているのですが、コラムを書くのは何と1年4カ月ぶりです。
2017年10月に『まるまる育児バイブル』の初版を発行し、わずか3カ月後の2018年1月に第1版2刷を増刷いたしました。
ところが、“まるまる育児”を熱心に指導されている人達が、買いだめされていたようで、その後は売れ行きが伸びず、第2版発行までに1年9カ月余りかかってしまいました。
「次は改訂になるらしい。それなら新しいのが発行されたら買おう」と思われた方も多かったのかもしれません。
【4ページ増で内容を充実】
第1版の内容に加え、第2版には以下の内容を充実させたため、4ページ増えました。そのため、本体価格は200円アップの2,200円、消費税が10/1から10%となったため 2,420円となります。少し高いお値段となりましたが、十二分にそれに見合うと思っています。
【首据わり(定頸)の完了とは?】
「首すわり(定頸)」の Step1~3をわかりやすく解説し、Step3 が可能になって初めて「首すわりの完了」としました。
私たちはこれまで、「首が据わったからといっても、まだ激しい衝撃には耐えられませんからね。ですから、抱き上げ抱き下ろしのときなどは、必ず頭を支えてあげて下さいね」と言っていました。
何とも歯切れの悪い言い方で、なかなか理解してもらえず、なんとかならないものかと悩んでいました。
でも、「1歳半頃までは完璧には据わらないんだ」と思えばスッキリです。
ヒトの赤ちゃんは、サルの赤ちゃんと比べても4カ月は遅く、シカなどの赤ちゃんと比べると1歳から1歳半は未熟な状態で生まれてくるんですからね。
定頸に関する見解は作業療法士の森田綾さんから、提案・提供していただきました。
【ネックはネック(首)】
ところで首が据わるとはどんな状態でしょうか?
よく「あの人は腹が据わった人だ」と言いますよね? “腹が据わる”とは、様々な困難が降りかかって来ても、動じることなく、冷静沈着に問題解決していける力です。
なので、首にどんな方向から激しい衝撃が加わっても、しっかりと首をコントロールし、首を守る力です。
ヒトにとって首はとても大切な部位、その首が完璧に据わるには1歳半頃までかかる!ネックはネック(首)なのです。いろんな努力をしても上手くいかない“ネックとなっているのはネック(首) ”なのです。
ネック(首)を大切に育てることが、生きづらさを感じることなく生きられる体作りの基本だと考えています。もちろん、歯並びもきれいで、目カも強く、文武両道の若者に育つための土台となることでしょう。
【感覚統合・視知覚・原始反射なども追加】
「感覚統合」「視知覚」「原始反射」や、それぞれの関連についての記載が、増やした4ページ分を占めています。
原始反射を上手くコントロール(統合)できている体だと、見たこと聞いたことをするりと真似たり、思い通りに動いたりすることができます。
つまり、踊り・武術・スポーツ・仕事など、なんでも上手にできるのです。そんな体で生まれ育ちたいですよね。そうなるよう、子ども達の力になりたく、熱い想いで乳幼児期のお世話の仕方を書きました。
少し難しいかもしれませんが、子どもの心身の発達に関する重要なことなので、「あー、そうなのか、こんなことを考えながら育てないといけないんだなぁ。丁寧に観察して、丁寧に育てよう」と思っていただければ、改訂の苦労も何のそのです。
【発達手帳として】
首据わりや受け身の各Step、ハイハイ・立っちなどができるようになった月日と生後月数を記録しやすいようにしました。
私のブログ「魔女のひとりごと」で中身のチラ見ができますので、ぜひご覧ください。
https://blog.ap.teacup.com/majyosanba/2530.html
日本では母子手帳は皆が持っているのに、お子さんの発達を記録する手帳はありません。つまり、『まるまる育児バイブル 第2版』は「発達手帳」として活用できるのです\(^o^)/
お子さんが将来、お母さん・お父さんとなったときに、「私はこれができたのは何カ月のときなんだ」と分かるのですから、子育ての参考になりますよね。ですから、第1版は「親御さんが持つ本」だったのですが、第2版は「お子さんが持つ本」になります。
先日、3人きょうだいの施術をしていたときのこと、第3子の首据わりや受け身が「できている」と確認できた日を、私が鉛筆で記入していました。
それを傍で見ていた年長さんのお姉ちゃん(第1子)が、なんだか寂しそうでした。お母さんが「そうやね、あなたのはないね」と言うと、いっそう寂しそう。
私もなんだか辛くて、その場では何も言えなかったのですが、あとで考えてみると…、そのお姉ちゃんや第2子の定頸などの記録は、健美サロン渡部のカルテに残っているんやった!「それを今度、書いてあげればいいんや!」と気付き、お姉ちゃんの嬉しそうな顔が瞼に浮かんできました。
あ~っ、私もこんな本ほしかった~。なーんて言っても無理ですよね(^o^)
【発行に携わった人達】
発行にかかわっている人は以下の通りです(敬称略)
①監修:加藤靜恵(小児科医)
②小林いづみ(助産師)
③平山小百合(助産師)
④山口香苗(助産師)
⑤竹内華子(作業療法士)
⑥森田綾(作業療法士)*
⑦灰谷孝(ビジョントレーナー)*
⑧渡部信子(発行人)
*印のお2人は新たに加わっていただいた方です。
それに、筆者諸氏の微細なイラスト訂正のリクエストに、根気よく応じてくださった高木あかねさんにも感謝、感謝。そうなのです、この本は赤ちゃんの10本の手指、10本の足趾まできちんと描いているんですよ(o^-‘)b
【つぶやき・コラム増設】
「本文は読み飛ばしても、つぶやきだけはしっかり読んでいます」とおっしゃる方もあるんですよね。
なので、第1版は「トコばぁばのつぶやき」だけでしたが、以下の方々の「つぶやき」「コラム」を増設しました。
・加藤靜恵(しずえ先生) …つぶやき
・灰谷孝(灰ちゃん) …つぶやき・コラム
・小林いづみ(いづみさん) …コラム
・平山小百合(さゆりさん) …コラム
小林いづみさんのコラムのゲラができたときに、彼女にこれでいいか見てもらいました。すると、彼女は涙を流して泣きだしたではありませんか。
「なんで泣くんや?」と私が尋ねると、自分の子育て時代の辛かった思い出がフラッシュバックしてしまって…」と。いづみさんのように泣きながら育児をしているお母さんがいなくなるよう、泣かなくてもよくなる育児のポイントも満載です。
【購入方法】
ご購入は“まるまる育児”を指導している助産師などケアギバーからが最もお勧めです。“まるまる育児”指導を受けて、定頸などの確認などをきちんとしてもらえるところがいいですからね。
でも、通えるところにそんな人はいない場合は、(有)青葉・トコちゃんドットコムでどうぞ。
書店では購入できませんが、大手通販ではわずかですが、販売している店舗があります。大手通販のポイントを持っている人は、それを利用して買いたいとの要望が強いので、「何とかしなくてはいけないな~」と考え中です。悪しからずご了承ください。
では、『まるまる育児バイブル 第2版』ぜひ、あなたのお友達に伝えてあげてください。もちろん、あなたも1日も早く手に取ってみてください。乳幼児にかかわる仕事をされている方にはぜひとも熟読いただき、ご意見ご鞭撻いただきたい本ですので、よろしくお願いいたします。