【はじめに】
みなさん、はじめまして。「AIKA Cure Home(アイカキュアホーム)」の深澤由紀美です。
山梨県の西の端にある、日本で唯一カタカナの地名を持つ南アルプス市で、2007年(平成19年)に助産院・整体院を開業し、今年で12年目になります。
私が開業しているのは、公共交通機関は何もなく、“田舎”と言うのがふさわしい人口過疎地域です。
でも、口コミや県内の病院に勤務する助産師仲間や産婦人科の医師、地域の保健師からの紹介で私を知った方が、自家用車でたくさん来て下さっています。
おかげで、産婦人科などでアルバイトをしなくても、3人の娘を育てながら生活できています。
【幼い頃から夢見た「看護婦さん」】
私は記憶にある限り3歳から「看護婦さんになりたい」と思っていました。風邪ばかり引いていて「病院に来ない月はないね」と言われるほど病院に通っていたので、そう思ったのかもしれません。
また、幼少期は“成長痛”でよく泣いていました。小学生の頃から腰痛で整骨院に通院していたこともありました。今なら「骨格に問題を抱えた免疫力の弱い子だったんだ」と分かるんですが、当時は「なんで私だけ?」と思ったものでした。
地元の高校を卒業後、迷うことなく地元の国立甲府病院附属看護学校に進み看護師になり、総合病院に就職し産婦人科・NICU・小児科の混合病棟で働きました。
ところが、3歳から夢に見ていた看護師なのに「何かが違う」と感じ、「助産師にならなければ…!」と思い立ち、27歳の時に国立病院東京医療センター附属東が丘看護助産学校に進みました。
卒業後、元の総合病院に助産師として戻ったのですが、またもや「何かが違う」との違和感覚えたのです。
【全てがここに繋がっていた】
新人看護師として就職した職場は、当時山梨県内で一番大きなNICUがあり、小さく生まれた赤ちゃん達のケアや、その両親への関わりを学ぶことができました。
保育器の中で長期間過ごさなければならなかった赤ちゃん達は、強い向き癖ができてしまったり、反り返りが強く寝返りをしてしまいそうなほど体を捻じったりする赤ちゃんもいました。
赤ちゃんは母親に抱っこされたら、心地よくおっぱいを飲み眠るのが本来の姿のはず。なのに、体がゆがんでしまった赤ちゃん達は、捻じれた体を無理やり真直ぐに抱っこされるので抱っこを嫌がり、保育器の中で体を捻じったままの姿勢だと、哺乳瓶からミルクを飲むのです。
抱っこを嫌がる我が子を前に寂しそうな母親達を見ながら、「どうしてあげたら良いんだろう…」と悩んでいたそんなある日、渡部先生が主宰されている(旧)母子整体研究会のセミナーで、べびぃ整体を学びました。
そして、そのとき、今まで感じていた違和感の全てが「ここに繋がっていた!」と雷に打たれたのです。
非常に強く反り返る赤ちゃんのご両親に、習ったばかりのべびぃ整体を「やらせてもらいたい」と話すと、快諾してもらえました。赤ちゃんの反り返りが治まり、抱っこで授乳でき、抱っこで寝られる子になりました。
赤ちゃんの体を整えることは、赤ちゃんにとっても必要で、赤ちゃんが心地よいことが母親の心も癒すことを学びました。
赤ちゃん達は生まれて来る日も、取り上げてくれる助産師も選んで生まれてくると言いますが、私が分娩介助に当たると顔まで生まれてきたのに肩が出てこない肩甲難産になるケースが多いのです。職場の先輩助産師に聞いても、「めったにそんなことにはならないよ」と。
教科書的には赤ちゃんはお腹の中では頭とお尻の縦軸が整っていて、出産時、「産婦がお尻をひねったり背中を反らせたりしたら、赤ちゃんは出て来られない」と学んでいました。でも、現実はそうではありません。
肩甲難産になるのは私の手技に問題があるのではなく、赤ちゃんがお腹の中にいたときにどんな格好でいたのか、どんな通り方をしているのかに原因があることを、やはり、渡部先生のセミナーを受けて知りました。
私が肩甲難産に多く出会うのは「母体の骨盤や子宮が真直ぐでないから通れないの。お願い! 骨盤ケアを学んで!」という赤ちゃん達からのメッセージだと感じました。
【想像を絶する第1子の妊娠出産】
毎朝足がつるようになり、立ち上がろうとすると踵からアキレス腱にかけて激痛。「なんで?」と思っていたら、妊娠していました。まだ渡部先生ともトコちゃんベルトとも出会っていなかったときですから、「カルシウム不足? 冷え?」くらいしか考えられませんでした。
妊娠7週から始まったお腹の張りは、張り止めの内服薬も点滴も効かず、妊娠40週1日「いざ、出産!」と思いきや、遅発性一過性徐脈が出現。
子宮収縮の後の胎児心拍数の低下と、微細変動が全くない直線の胎児の心拍数のグラフを見ながら、「教科書でも見たことがない程の見事な波形だな」と感心してしまって、かえって冷静になったほどでした。
すぐに緊急帝王切開になり2,864グラムの赤ちゃんが生まれました。あと30分遅かったら赤ちゃんは助からなかったタイミングでした。
術後は瞼が開けられず、眠すぎて喋れず、息が吸えない感じがして苦しい…。胸から下にだけ効くはずの硬膜外麻酔が、首まで及んでいたのです。
そんな矢先、血圧が下がったらしく昇圧剤が入れられ、今度は上がりすぎてしまった?! 目の前を星が飛びかい、頭がギューッと締め付けられるように痛く、喋れない。血圧は直ぐに治まったので良かったですが、伝えられないことにすごく恐怖を感じました。
赤ちゃんが生まれるまでは、麻酔がよく効いていたようで、創部も子宮も痛くなかったのに、生まれた途端、激痛に襲われました。これが後陣痛?!
医師は「神様が赤ちゃんを産んだことを忘れないように、子宮にだけは麻酔が効かないように体を作ったんだよ」と励ましてくれるのですが、半端じゃない痛み…(>_<)でも、喋れない。顔をしかめてボロボロ泣くしかなく、痛みとの戦いが続きました。
産後はずーっとお尻の骨が飛び出していて、ズボンや滑り台で皮膚が擦れて出血はするわ、体重は妊娠前より2kgも減ったのにズボンがきつくなるわ…、体型面でも情けない年月が続きました。
今ならこの妊娠・出産に伴って生じたトラブルは、「骨盤の緩みから仙腸関節にずれが生じて足がつり、踵が痛くなり、下がった子宮が大きくなることでお腹が張り、骨盤内も胎盤内もうっ血して胎盤機能が低下。陣痛が始まっても赤ちゃんは産道を通れず、麻酔も効きにくく麻酔薬が多めに使われたため首まで効き、術後の子宮もうまく収縮できなかったから」と分かるのですが、当時は「予防できるもの」なんて夢にも思いませんでした。
【第2子のときも】
2子を妊娠・出産したころは、前回帝王切開でも経腟分娩を試みられた時代で、私も「第2子は経腟分娩で」と思っていました。でも、妊娠した瞬間、本当に、「今、妊娠した!」って分かったんです。と同時に、この子を経腟分娩したら、私もこの子も死んでしまうって思ったんです。
妊娠5週からお腹が張り始め、同時に腰痛が酷くて寝返りもできない、階段も登れない、座ると立ち上がれない…、想像を絶する痛みでした。11週で胎動が分かりました。きっと羊水が少なすぎたんでしょうね?
赤ちゃんの頭は妊娠初期から骨盤内にあり、18週のNSTで早発一過性徐脈が出現。子宮が下がっていて、胎盤機能も低下していたんでしょうね、「赤ちゃんは小さめだから、帝王切開は1週間延ばそうか?」なんて話も出ていました。
ところが、担当医の「大安にしましょう!」の一言で、1週間待つことなく、妊娠37週、帝王切開。縦長の頭をした2,635gの次女が生まれて来ました。
執刀医によると「お腹を開けたら子宮の壁が薄~くなっていて、赤ちゃんが透けて見えた。1週間遅かったら、経腟分娩でも帝王切開でも、子宮破裂が起きたかも知れない」と! ベストタイミングでした。
縦長の頭で生まれて来た次女は、3歳になって胎内記憶を話してくれたとき、「頭が痛かった」と(>_<)
実は、この妊娠中にトコちゃんベルトと出会ったんです。
知り合いのO助産師が「すごいことを勉強してきたんだよ。トコちゃんベルトすると腰痛も切迫流早産も良くなるよ」って熱弁し、ベルトも貸してくれました。
でも、トコちゃんベルトを着けると吐き気がするし、違和感しかないんです。でも、「きっとこれは私の体に何か原因がある。出産したら自分の目で、耳で、体で学びに行こう」と決心しました。
O助産師は(旧)母子整体研究会のセミナーを受講した山梨県で最初の人。これが山梨県におけるトコちゃんベルトを使った骨盤ケアの萌芽でした。
【骨盤ケアに出会い、雷に打たれました】
次女の産後3か月、初めてセミナーを受講しました。
母体のゆがみによって、赤ちゃんは子宮の中にいるときからゆがんでしまうことがあることや、そのために出産がスムーズにいかないことや、骨盤ケアの方法などを知りました。
目から鱗のことばかり。私の心は大興奮。「雷に打たれるってこういうことを言うんだ」と実感。目の前が開けて、自分のやるべき人生の目的が見えた気がしました。
これで辛い思いをしていた赤ちゃんや母親を助けてあげられる。もっともっと、技術も知識も増やしたい。それまでの違和感の全てがここに繋がっていて、そのための勉強時間だったんだと思いました。
その後に妊娠出産した3女のときは、前の2回とは全く違って、快適そのもの。第1子の産後からきつくなっていたズボンは、体重がまだ戻っていないうちから履け、これまた衝撃を受けたのでした。
あまりにひどい妊婦時代だったので、今まで話すこともブログに書くこともしていませんでした。
でも、コラムを執筆するにあたり、辛い思いをしている妊婦さんの励みになればと思い、「何で今の仕事をするようになったか?」について、いろいろとブログに書いてみました。
お時間があるときにでものぞいてみてください。 ⇒
https://ameblo.jp/yukimi0346/
【私の願いは、全ての子ども達と母親の笑顔】
妊娠中~産後の母子の骨盤ケアを主たる仕事にしていますが、妊婦さんだけではなくご家族を巻き込んで、
・母体のケアの大切さや、お腹の中の赤ちゃんのこと
・赤ちゃんの発達や、発達を促すための育児方法
これらを知ってもらうセミナーも開催しています。
全ての子ども達と母親が、笑顔で毎日を過ごせるには
・妊娠中の体が楽
・満足できる出産
・上手な子育て(抱っこも授乳もネンネも“まんまる”に、腹ばいでたくさん遊んで、しっかりハイハイ)
これらが大切だと思うんです。
まだまだ骨盤ケアも“まるまる育児”も知らない方、気になる妊婦さんや赤ちゃんをたくさん見かけます。私の活動を伝えたい人が山梨にもいっぱいです。
これからも、ますますパワフルに活動して、願いを叶えていきます。