奈良県に住む3児の母 石井香理さんのコラム
“まるまる育児”で文武両道を子ども達の手に!
【はじめに】
初めまして、石井香理と申します。奈良県で6歳の女の子と1歳の双子の男の子を育てている専業主婦です。
第1子出産の翌日、骨盤ケアと“まるまる育児”に出会い、かれこれ7年近く続けています。
【初めての妊娠・超難産】
第1子の妊娠と同時にひどいつわりが始まり、水しか飲めない日々が続き、体重はどんどん減少。妊娠18週、子宮頸管が短いと言われ張り止めを服用すると、その副作用でさらに嘔吐。
お産は実家の長野県ですることに決め、里帰りしてもつわりは続き、妊娠前の体重に戻ったのは、30週に入ってからでした。そして40週6日、破水し入院。
陣痛促進剤の点滴で痛みはエスカレート、なのに、お産は進まず。隣の分娩台で次々に生まれる赤ちゃんの産声を、何人分聞いたかわかりません。
41週2日、最終的に吸引分娩となり、46時間37分もかかって3,375gの女の子が生まれ、出血量は1,325ml。分娩台から見た娘はずっと同じ方向を向いていて、そのことが気になりつつも疲れと貧血の私は、そのまま眠りに落ち、どうやって病室に戻ったのかさえ覚えていませんでした。
お産の翌日、担当の助産師さんから、私と娘の体の状態を聞かされ、「1日も早く京都の渡部先生の所へ行くように」と勧められました。
コットの中にはバスタオルで作られた“鳥の巣”が置かれ、その中でスヤスヤと眠っている娘は全身をバスタオルで丸く包まれ、首枕が当てられていました。首枕は助産師さんの手作りで、「整形外科病棟でもらって来た」というネット包帯の中に、丸められた新品のフワフワ靴下が入っていました。
そしてその日から毎日、助産師さんに教えてもらった体操をし、“まるまる育児”や骨盤ケアについて、渡部先生のブログを読んだり、教えてもらったりしました。
知れば知るほど「妊娠前からやり直したい」「産み直してあげたい」と思い、コットの中で丸く包まれて、スヤスヤ眠る頭のゆがんだ娘を眺めながら、「申し訳ない」との気持ちで一杯でした。
退院してからも実家で過ごした私は “まるまる育児”に助けられ、ゆったりと1ヶ月が過ぎて行きました。娘はほとんど眠っていて、起きていてもご機嫌。母乳をたくさん飲み、初めての育児なのに拍子抜けするほど楽でした。
【まるまる育児って新しくない】
奈良に帰る途中、京都に立ち寄り、渡部信子先生の施術を2人で受け、夫と娘と私の“まるまる育児生活”が奈良の家でスタートしました。
“おひなまき”をしている娘を見た人達から、良くも悪くも声をかけてもらいながら、先生に習った手遊びや体操を毎日続けました。
ひとつだけドキドキしたのは「夫の実家で“まるまる育児”を受け入れてもらえるか?」ということでした。
そして、ついに、その日は来たのです。
義母は娘を受け取るとすぐに、上手に膝に乗せて抱き、『ちょちちょち あわわ』や『かいぐり…』などの手遊びを始めました。
私が「して欲しい」とも言わないうちだったので、本当に驚きました。聞くと義母も母から教えてもらい、自分も子育てをしていたときにやっていたとのこと。
「私の不安は勉強不足のためだったんだ」と愕然。“まるまる育児”は新しい育児方法ではなく、昔から当たり前の子育て方法として、受け継がれてきたものだと知りました。
そして、それをすんなり受け継いでいる人が少ないことを渡部先生から聞いたとき、「なんて私は恵まれているのだろう」と、とても嬉しくなりました。
【やっと妊娠!】
1~2ヶ月に1度の施術を生駒で受けているうちに、義母と夫が施術を受けるようになり、家族皆で体を整え、次の妊娠を待ちわびること6年、遂に妊娠できたのです!
妊娠がわかったとき、「今度こそはちゃんと産んであげよう」との想いがふつふつと湧いてきました。
3回目の妊婦健診で1卵生双胎のMD(=1絨毛膜2羊膜)とわかり、「帝王切開になる」と告げられました。「自然分娩できない」と残念な気持ちになりながらも、「切迫早産にならないよう頑張ろう」と決意を新たにしました。
そしてまた、ひどいつわりに襲われ、家事も子育てもできず、夫や義母に助けてもらう日々。重症妊娠悪阻の病名で約1ヶ月間の入院もし、退院後は施術にも通いました。
こんなに施術に通っているのに、こんなにひどいつわりに襲われるのは、渡部先生によると…。
「ちょうど胃の裏あたりで急カーブしている脊柱側彎なので、胃の働きが悪い」プラス「下顎が左にずれていて、逆噛み合わせがあるため、背骨全体がきれいに整いにくいから」と。
そして、「しゃ~ないな~。そやけど、男の子が2人生まれてくるんやから、ええやん!」と。いつも笑顔。
途中、頸管縫縮術を受けましたが、切迫早産になることなく、帝王切開で37週2日、2,546gと2,158gの男の子が生まれました。
【ビックリなことが続々】
2人とも元気そのものだったのに、体重が少ないとの理由で保育器に収容され、その間は丸くすることも許されず、悔しい思いをしました。
長男は生後2日で保育器を卒業し、翌日ようやく抱かせてもらうと、左の額が真っ平ら! ひどいゆがみにビックリ!!あわてて写真を撮り、渡部先生にメールすると、すぐに「マトリョーシカ巻きにして、暇さえあれば頭をなでると早く良くなる」と着信。
お見舞いに来てくれた人達にも頼んで頭をなでてもらいました。
次男は頭の形はきれいで、自分で体を自由に動かすことができていたのに、体重が増えず、保育器からも新生児室からも、なかなか出してもらえませんでした。
授乳時だけは新生児室から出られたので、そのわずかな間、手遊びをしたり“おひなまき”にしたり…、悲しくてたまりませんでした。
マトリョーシカ巻きの長男を見た看護師さんが「どうして包んでいるの?」と聞くので、「頭のゆがみが心配だから」と返答。すると、「頭がゆがんでいない子なんてなかなかいないし、髪の毛が長くなればわからなくなる」と。それを聞きながら、「病院も人も違うけれど、娘のときも看護師さんに同じことを言われたなぁ」と思い出しました。
病院の中には骨盤ケアや“まるまる育児”を勉強している人が何人かいて、その人達が担当してくれるのを心待ちにしながら、頑として“まるまる育児”を続けました。
産後17日、私と長男が退院。その3日後、次男が退院。
お人形で“おひなまき”や“まるまる抱っこ”の練習をし、弟の誕生に備えていた娘とともに「これで誰にも邪魔されることはない!」と、“まるまる育児”を楽しんでいたある日、次男の出臍を発見、またまたビックリ! すぐに写真を撮って渡部先生にメールをすると、「“おひなまき”にしていれば治るよ」と。
1ヶ月健診を終え、初めて生駒に施術を受けに行き、先生から「きれいな頭やね~」と言われたときは心から安堵。次男の出臍も2ヶ月程ですっかり治りました。
「双子なので大変かな? 男の子だし手がかかるかな?」と、いろいろ心配しましたが、無駄泣きすることもなし。暑い夏も“おひなまき”にして買い物カゴで作った“おひなモック”の中で快適!
産後3ヶ月、夏休みを利用して長野県の実家へ。私の4日前に出産した末妹も里帰りしており、赤ちゃん3人の“プチ産褥院”のように賑やかでした。
奈良に帰って4ヶ月健診を受けたときのこと、2人とも股関節の開排制限を指摘され、ビックリ!!そんな馬鹿な!! 思いもよらないことを言われ少しパニックになりました。
渡部先生の施術を受けてから、レントゲンではなくエコーで検査をしてくれる病院を探し受診したところ、異常なし。
実はそのとき、“おひなまき”をして診察室に入ったのです。すると、医師から「こんなことをして!」みたいなことを言われ、「ガバッと足を広げた縦抱きをしなさい」と指導されました。
そして、「逆子だった子は様子観察のため、次も来てください。予約はいつにしますか?」と尋ねられた際、夫は「股関節に異常がなければそれでいいです」と言ってくれたので、通院はこのとき限りとしました。
【生まれたときからの顎のズレと首傾げ】
私の顎のゆがみと首の傾げは生まれたときからで、心配した母はいいと聞いた高価な枕を購入して、私を連れて整形外科や小児科を受診したそうです。でも、どこに行っても「異状なし。様子を見てください」。
中には「女の子は首を傾げている方が可愛いよ」と言われたこともあり、「治ることはない」と諦めたそうです。
小学校6年生で初潮を迎え、頭痛はそのころから徐々に強くなってきました。今となっては「側彎も頭痛も首傾げや顎のズレと関連がある。つわりも難産も娘の向き癖や頭のゆがみも…」と頷けるのですが、当時はそんな体の繋がりについて、頭の隅をかすめることすらありませんでした。
初めて渡部先生に出会ったときに「震度5の強」と言われた私の脊柱側彎も、今は「震度1~2」と言われるくらい改善し、頭痛もすっかりなくなりました。顎のズレも首の傾げもずいぶん目立たなくなり、母には会うたびに驚かれています。
【目指せ!必勝文武!!】
なんだかんだとハプニングがありながらも、どこへ行くにも“おひなまき”と“おひなモック”。
娘の参観日や運動会、卒園式や入学式といった大事な式典も無駄泣きせず、周りに愛敬を振りまいて参加することができました。
1歳になった今はハイハイも上手になり、眠たくなると自分から天使の寝床に入りに行くこともしばしば。
娘のときに始めた“おひなまき”は6年たった今、いろいろなバージョンに発展しています。「症状や場面に合わせて巻けるのでいいな」と思う反面、「そういう大変な赤ちゃんがたくさんいるということなのか?」と考えさせられます。
けれども、私は娘を出産した翌日に“まるまる育児”に出会ったお陰で、こうしてコラムを書けるくらい満足な子育てができていることに感謝しています。
これからも“まるまる育児”を続けて、「文武両道を子ども達の手に掴ませてあげられたら…」と思います。