花子先生のコラム
赤ちゃん発達応援セミナー講師の竹内華子です。私の住む富山県黒部市は、立春が過ぎた今も真っ白な雪景色。道路は真っ白に凍結してツルツル、吹雪で視界も遮られ、お天気が良ければ良いで眩しすぎる…。ウインタースポーツが好きな方には最高の環境も、毎日の暮らしは、雪かきや雪おろし、通勤、通学、通院、どれをとっても大変です。ですから、赤ちゃんがまだ小さいママや妊婦さんたちはどうしても家に引きこもりがちになってしまいます。そして運動不足になってしまいますね。
厚着をさせられている赤ちゃんも動きにくくて運動不足になっていたり、脇や背中にコリを作っていたり、股関節が動きにくくなっていたりします。そうすると今までできていたことができなくなったり、私の予想を裏切って発達が停滞していたりします。
発達教室に来て薄着にしてちょっとコリを緩めただけで寝返りができたりハイハイができたり…、「あらら、服で動きにくくなっていたね~」ということがおきます。1歳までの赤ちゃんは薄着でおひなまきやスリングでまん丸にしておくと体温が下がりにくいのであまり厚着にさせないでくださいね~。
こんな冬でなくても、車社会の富山県。わざわざ歩かないと、ほとんどの方がドア・トゥ・ドア。私は学校に勤務していた頃、当時5歳だった保育園児の息子は12000歩、工場で働く主人は8000歩くらい毎日歩いていました。なのに、私は1日たった500歩しか歩かなかった日がありました。デスクワークだけの日はほとんど動かない不健康な状態ということが判明し、トイレや食堂へ行くにもわざわざ遠回りして歩数を増やすように動線を変えたことを覚えています。
発達教室にいらっしゃるママからも、産後太りから元に戻らない…と骨盤ケアの依頼やベルト装着・操体法の指導依頼も増えました。皆さん口をそろえて「冬は運動不足になる」「赤ちゃんがまだ小さいから出歩くこともままならない」とおっしゃいます。
赤ちゃんやママだけでなく、子ども達も実は運動不足になりがちです。親が寒さや雪を理由に外に出ないので、子ども達も家の中で遊びがち。カルタやゲーム、DVD、私が子どもの頃に比べると、家の中でも楽しい遊びがたくさんあって「ヒマ」じゃない。昔の子どもは外で雪遊びばかりしていました。雪だるまを作ったり、かまくらを作ったり、雪合戦をしたり。近所の子どもたちと一緒に毎日のように雪遊び。家の中ではつまらなかったからです。
今は外で遊んでいる子もあまりみかけません。近所の子も少ないし、それぞれの家庭で出かけていたり、スポーツや習い事をやっていたり。せっかく遊ぶといっても一緒にゲームをしていたり…雪のない地域でも「寒い」ので出歩く機会は減りますよね。
特に「歩かない」ことは脳に大きな影響を与えます。
1歳を過ぎて歩けるようになった子どもたちの脳は「歩く」ことで発達します。子どもたちはただ単に(大人のように)黙々と歩くということができません。興味に従いキョロキョロ、ウロウロ、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、突然立ち止まったり、道路に転がっているものを蹴ったり。大人から見たら「危ない!まっすぐ歩きなさい!」と言いたくなるような歩き方をします。でも、黙々と歩くことよりも、視覚や聴覚の刺激に気づき、歩いて行ってそれが何であるか確かめ、記憶する。こういうことが脳を発達させるのです。
寒いから~、道路が凍結していて危ないから~と歩かせないのではなく「風って冷たいね」「風が強いから木が(電線が)揺れてる~」「凍ってるから、そ~~っと歩こう~」「氷蹴りながら行ってみよう」と自然環境の変化に合わせた、子ども自身の適応力を高めるいい機会だと思って、雪でも凍っていても短い距離からでも散歩してみてください。凍結路面を転ばずに歩けるようになった時、子どもの重心が丹田にストンと落ちて、下半身が安定した姿勢になっていることに気付けたら、ママの運動不足も少しは改善されていますよ~~。
冬場の運動不足を解消する方法を考えることも、ママの脳の発達を促します。それぞれの地域や家庭環境に合った“歩く”“運動する”“脳を育てる”ための工夫をしてみてください!