【はじめに】
初めまして、渋谷区を中心に地域で活動している助産師の代田佳恵(しろたよしえ)です。
マタニティヨガ、産後ヨガ、ベビーマッサージのクラスを定期的に開催し、訪問出張で母乳相談・乳房ケア・骨盤ケアをしています。
その他、新生児訪問や、保健所の乳児健診・両親学級・母乳相談や、子育て支援センターでの助産師相談なども担当しています。
2011年にトコちゃんベルトアドバイザー試験に合格、2015年にはトコ・ヨガインストラクター試験に合格し、更新を続けています(^^)/
この度このコラムを書く機会をいただき、トコちゃんベルトアドバイザーとして、トコ・ヨガインストラクターとして、どのように仕事に取り入れて、地域のお母さんや赤ちゃんのケアに当たっているかをまとめてみました。
【結婚、妊娠、育児】
長野県松本市の出身で、看護師・助産師の資格を得るまで松本で暮らしていました。1989年に卒業後、神奈川県内の病院に就職し、結婚後静岡で生活しました。
車は必需品でどこに行くにも車でした。1994年長女を出産し、渋谷区に引っ越してきたのは娘が1歳の時でした。
都会では1歳の子どもを連れてベビーカーもしくは抱っこで移動しなければなりません。車に慣れていたので最初は大変でした。
土地勘もなく公園に行っても同じくらいの子どもには会えず、マンションの管理人さんと1日1回話すくらい…。「みんなどうやって過ごしているのだろう?」と思うと同時に、孤独でした。
産後はウエストニッパーをしっかり使っていたので、くしゃみとともに尿漏れ…。体力もあまりなく、尾骨がポコッと飛び出ていて、仰向けに寝るのもつらく、いつも疲れていました。
坐骨神経痛も発症し、いろいろな治療を受けましたが、季節の変わり目や体調が悪いと今でも痛むため、セルフケアは必須です。
第2子が幼稚園に入ってから、新生児訪問と保健所の仕事を開始。と同時に、ベビーマッサージ・マタニティヨガ・乳房ケアなど様々な講習会を受け、開業の準備をしました。
【出張訪問での開業】
自分の育児の経験から「親子で出かけられる場所作りをしたい」「妊娠中から産後まで身近で気軽に相談できる存在になりたい」と思い、2003年に出張専門の開業届を出し、今年で15年目になります。
出張ケアを依頼された方や、マタニティヨガのクラスの参加者が、その後も赤ちゃんと一緒に参加できるよう、「ねんねの赤ちゃんとヨガクラス」「ハイハイの赤ちゃんとヨガクラス」を開いています。
10年前から故沖正弘先生の直弟子 中根学先生に師事してヨガを学び、現在一般のヨガクラスも担当しています。
ベビーマッサージのクラスでは、赤ちゃんの抱き方や寝かせ方なども話しています。
マタニティヨガクラス参加者には、産直後からメールなどでやり取りして、育児相談や、必要に応じて出張でケアをし、その後も、卒乳まで育児相談・母乳相談に当たっています。
そのお母さん達の中には、次の妊娠・出産後もヨガクラスに参加される方も多く、「継続は力だなぁ」と感謝しながら働いています。 HP
http://yshirota.com/
【トコちゃんベルトアドバイザーとしての喜び】
マタニティヨガクラスの中では、操体法・トコヨガを取り入れながら、骨盤ケアの3原則に沿ってセルフケアをお勧めしています。
すでにトコちゃんベルトをお持ちの方が多いのですが、使い方に不安があって使っていなかったり、着用位置が間違っていたり、強く締めすぎていたりと様々です。
ベルトを上手に着用できるようアドバイスすることはもちろんですが、自宅ではついついさぼってしまう“骨盤を整える”ことを、クラスで継続して行っています。
クラス終了時には、妊婦さんのお腹は柔らかく、子宮は上がり、腰痛も緩和し、笑顔で帰宅される姿を見送る私も笑顔になります。
出張先では「腰が痛いのでトコちゃんベルトを購入したい」とおっしゃる方や、お腹を持ち上げるように玄関まで迎えに出て来て、「お腹が張りやすくて…」とおっしゃる妊婦さんなど、いろいろです。
でも、骨盤ケアの3原則に沿ったセルフケアを伝えて実施しただけで、すっと姿勢よく立ち上がって、「お腹が張らなくなった」とおっしゃる方もありました。
切迫早産の方から「『子宮頸管がこれ以上短くなったら入院』と言われているんですが、入院なんてできません。何とかならないでしょうか?」と連絡をいただくことがあります。
骨盤ケアを始めた後、順調に経過して正期産できた方から、「無事に出産しました!」と連絡をいただくと、私も「やったー!」と、叫びたくなることも\(^o^)/
もちろん、十分な効果が得られないこともありますが、骨盤ケアをすることで入院を免れることもあるので、しっかり妊娠初期からケアしていきたいですね。
【産後の訪問ケア】
母乳相談や、乳房ケアも出産後早い段階で訪問ケアできると、赤ちゃんを丸く抱いたり、お母さんの授乳姿勢を工夫することで、授乳がスムーズにいくことが多いです。
でも、月齢が進んだ赤ちゃんの中には、向き癖や反り返りがひどく、お母さんも手首の痛みで赤ちゃんを抱いていられない方もあります。
授乳姿勢の工夫だけでは、しこりや乳腺炎の苦痛を解決するのが難しいこともあり、「子宮の中からの胎児ケアが、やはり大切だなぁ」と思うこともしばしばあります。
これまでに受講した旧母子整体研究会の基礎セミナーや、トコ・カイロプラクティック学院のベーシックセミナーの技術は、普段の乳房ケアに大いに役立っています。
いきなり乳房を触るようなことはせず、できるだけ痛まないケアを心掛けることにより、心身の苦痛は和らぎ、リラックス(-_-)zzz
【おわりに】
初回のトコちゃんベルトアドバイザー試験を受けたときから、ベルトの使い方も必要な体操なども大きく変わってきています。
年々変わりゆく今の妊婦さんの特徴や、注意すべきこと理解して、その人にあったケアをするには、継続して勉強していくことが大切だと思います。
女性が妊娠、出産と体が大きく変化する時に、確かな知識と技術と意識を持って、自分の体を整えて出産、育児に臨んでほしいと思います。
なので、できるだけ妊娠16週頃からヨガクラスに参加してほしいのですが、産休直前まで仕事をされている方が多いのと、外出できるくらい元気な妊婦さんが少ないからなのでしょうか、妊婦さんの参加が少ないのが今の悩みです。
快適なマタニティライフ、幸せなお産、楽しい育児につながるよう、これからも地域に根ざした助産師として活動していきたいと思います。