渡部信子のコラム
東京での定頸シンポジウムを振り返って

 
トコ企画ではシンポジウム「定頸とは?~心身の発達に及ぼす首据わり・受け身の大切さ~」を2回 開催しました。
第1回 昨年の10月22日(日)@大阪
第2回 3月11日(日)@東京

私はコーディネーターとして、加藤靜恵先生(小児科医)の基調講演を、大阪のシンポジウム前日に開いた練習会で聞き、パワーポイントもそれ以前から何度も見て予習していました。
シンポジウム当日は座長として2回聞きました。でも、何度聞いてもパワーポイントを見ても、講演内容を十分に理解することは未だできません。

でも、今回の東京のアンケートでは「分かりやすかった」が51%を占めています。この違いは何なのでしょうか? 私の場合は…、聞けば聞くほど「なぜだろう?」「もっと他の考え方や方法があるのでは?」などと思ってしまうからなのでしょうか?

反対に、加藤先生のお話や講演を初めて聞いた人は、たくさんの文献の紹介などもあるため、「よくわかった!」と、思ってもらえたのかも知れません。事実「本日、初めてだったので、新しい知識を吸収できた」との記載もありました。
もちろん、これまでに子どもの発達に関する勉強をたくさんされている人には、分かりやすかったのかも知れません。

「分かりやすかった」「普通」「分かりにくかった」のいずれかを選ぶのが難しくて、とにかく1つに○を付けた人もいるのかも知れません。

それに、子どもの発達とはいったいどんな状態を「良好な状態」というのかもわかりませんし、人それぞれ考えが違うと思いますが…、私が思うには「良好な状態」であるには次の2点が重要だと思っています。

1.自分の体が楽であり、思うように動ける
2.世の中の人々に役立つことができ、迷惑をかけない範囲でしたいことができる

1.であるためには、首が据わっていること(定頸)と、受け身をしっかりとれることが大切だと思います。

2.をしっかり実践している人も多いとは思いますが、自分の体が毎日つらく、思うように動けないようでは気の毒です。
私の施術を受けに来られる多くの人達の体を診て声を聞くと、定頸の悪い人ほど体を自由に動かせず、体の痛みや不調を抱えていると感じます。

シンポジスト4人のお話も「とても興味深く、参考になった」との意見がたくさん書かれていました。特に作業療法士の森田綾先生のお話は「興味深かった」「よくわかった」などの感想が自由記載欄にたくさん書かれていました。

3人の子どもを育てながら開業助産師として頑張っている平松道子さんのお話も、骨盤ケア・まるまる育児を したか・しなかったかで「これほどまで違うとは!」との驚きの記載がありました。

また、アンケートには、「全国展開してほしい」との意見もありましたので、今後皆様からの要望を参考に、検討しながら企画したいと思います。

私自身のことですが…、40歳頃までは足腰が弱かったのですが、身体バランスが重要なダンスなどは得意でしたから、定頸や受け身の完成度は高かったと思います。その後、骨盤ケアをし続けるようになってからは、足腰の痛みが消え、どんどん身体能力が向上しました。

特に、66歳になる寸前からフルコンタクト空手を習い始め、それからは身体能力がグングン伸び、自分でも信じられないくらいです。
なので、足腰の不調や弱さは歳をとってからでも改善することはできるけれども、定頸・受け身の不安定さや、頸椎のバランスの悪さは、大人になってから改善させるのは難しいと思います。
これは私が多くの人達を何年も観察し、ケアし続けてたどり着いた結論です。つまり「胎児・新生児期から、首を大切にする育児が肝要」と、ますます思うようになったというわけです。

加藤先生やシンポジストの皆さんなどに、講演や勉強会の講師依頼が次々と舞い込むことにより、しっかり首が据わった発達の良い子ども・若者が、きっとたくさん育つと信じています。

シンポジウム「定頸とは?」については、私のブログ「魔女のひとりごと」に、それぞれ書いていますので、ぜひご覧ください。
要項 ⇒ http://blog.ap.teacup.com/majyosanba/1770.html
第1回のまとめ ⇒ http://blog.ap.teacup.com/majyosanba/1844.html
第2回のまとめ ⇒ http://blog.ap.teacup.com/majyosanba/1963.html