ミルキーママからのご挨拶
「泣きながら授乳しているママがないように」
来年の2月からトコ企画主催のセミナー講師をさせていただくことになりました、山川不二子と申します。愛知県岡崎市で主にオッパイ相談、ママと赤ちゃんの体のケアや健康相談を行う「ミルキー助産所」の所長をしています。ミルキーママと呼んでくださいね。
私は平成2年、29歳の時にママと同世代、等身大のアドバイザーを自負して、助産所を開業しました。開業助産師というと、誰のせいなのか、大体は“太った年配の人で、キツイことを言い、痛いことをする”というイメージが広まっているようでしたが(もしかして今も?)「覚悟してミルキーさんへ行ってみたら、痛いことをしない優しいおねえさんじゃん!」というサプライズを売りにしていました。そして女のフルコースを経験しつつ夢中ですごしていたら、いつのまにか20年以上経ってしまいました。ふと気づくと、おねえさんじゃなく、おばあちゃん世代、姑さん世代に足を突っ込んでいるではありませんか!29歳から年をとってないはずなのだけどおかしいなぁ・・・でも、やはり時代の流れを嫌でも感じさせられます。
20年前にはほとんどなかった携帯電話、インターネットを誰でも普通にこなし、様々なもののデジタル化、家事のさらなる省力化、それはライフスタイルや恋愛の仕方だけでなく母子の体をもずいぶん変化させているみたいです。そのせいか開業当時は、ママたちがそんなに悩まなかったことが、最近は大きな悩みになったり、めんどくさい問題に発展してしまったりすることが多々あり・・・とくに母乳育児なんて悩むことじゃなく、普通にできそうなことなのに20年前より難しくなっているってなぜだろう?ママがスムーズに授乳ができて、育児を楽しむために何かできることはないかと現代を生きるママと赤ちゃんのニーズに合ったケアを模索する毎日です。
なぁんて、とても立派そうなことを言いましたが、実は割と最近まで私はママのオッパイと赤ちゃんの口元しか見られない「ご立派な」助産師だったのです。それなのにオッパイ本の出版までしちゃったため、偉そうにマタニティーセミナーやママクラス、看護職対象のセミナー講師もしてはいたのですが、その裏で実はケアの限界を感じていました。
そんな時、母子整体をされている渡部先生に出会いました。先生との出会いで、“母子の体そのものを診ることができなくてオッパイなんて診られない、母子のニーズに合ったケアができるはずない”ということに気づかされたのです。まさに目からうろこが落ちました。また先生の教えは自分が今までオッパイケアについて勉強してきたことを同じことでも違う方向からまた学べる感じで新鮮でした。そして腑に落ちました。最後はやっぱりセルフケア! という価値観もぴったり。私ができるケア、ママたちのセルフケア、赤ちゃんへのケアの幅も広がりました。
さて、世の中には泣きながら授乳しているママがたくさんいます。一日の大半を費やす授乳が、そのたび涙にくれるようでは、育児が楽しいはずはありません。授乳がうまくいくと、育児を楽しいと感じ、すべてがよい方向へ動いていくことも多いと思います。
育児はエンドレスですから、楽しくないとやっていられません。今回「トコ企画主催のセミナー講師に」と渡部先生からお声をかけていただきまして、お引き受けいたしましたのは、「ひとりでも多くのママが痛い思いをしたり、泣きながら授乳したりすることがないように、笑顔で赤ちゃんと向き合えるように」との思いからです。そのために何を見て、何をすればいいのか、自身の学びの中からできるだけたくさんのすぐ役立つ提案をさせていただこうと思っています。
またトコ企画でのセミナーは、看護職だけでなく一般のママも受講していただけるので、一般のママ、看護職の受講生さん、そして講師の私とお互いに学びあいましょう。楽しみだなあ。何だか今からワクワクしてきました。
年齢はいつの間にか姑さん世代ですが、気持ちは以前と変わらず優しいおねえさんのつもりなので、和気あいあい楽しく、しかも実のあるセミナーにしていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします!