花子先生のコラム「寝返りは最初の移動手段」
赤ちゃん発達応援セミナーの講師をしております、竹内華子です。
8月から始まった赤ちゃん応援セミナーも回数を重ね、今年は12月2日の名古屋を残すのみとなりました。京都・長岡・金沢・大宮と各会場満員御礼!半袖で汗をかきながらのセミナーとなりました。参加された多くの方々に感謝申し上げます。
受講者は圧倒的に助産師さんが多いのですが、看護師・保健師・保育士・理学療法士・作業療法士・柔道整復師鍼灸師・ヨーガインストラクター、そして一般のママさん方と、多岐にわたっていました。
発達の講義は専門的で、かつ、姿勢・運動にマニアックなためアンケートを読むと「難しい」と感じた方もいらっしゃるようでしたが、普段から赤ちゃんの発達に携わっている方々からは「面白い」「興味深い」との声もいただきました。
医学では赤ちゃんの発達は脳や筋肉が発達したことで、運動や言葉を覚えるということですから早い・遅いという個人差はあっても環境(姿勢や声のかけ方)を整えてあげればだいたい同じような発達を示します。では、どのような環境がいいのか? そのポイントは「丸く対称的に包む」こと!でも「丸く包みさえすればいいんだ!」では、いけないのです。「なぜ丸く包むとよいのか?」を考える基盤は赤ちゃんの脳や姿勢・運動の発達を知ることにあります。
実技では、丸まる抱っこ、おひなまきの仕方、寝かせ方、スリング装着、連続寝返り、腹ばい遊びなどをしました。「もっと時間をかけて欲しい」「何回かやってみたい」とのリクエストもありましたので、来年からのセミナーでは、取り入れられるように工夫したいと思っています。
また、連続寝返りの誘導では皆さんまさに「目からウロコ」というお顔をされていましたが、最近の赤ちゃんは寝返り移動をしないのですね。自分で仰向けから腹ばいに寝返ったら、すぐにずり這いすると思っていらっしゃるのかしら?「寝返り」は移動手段として一番初めに出現する運動発達の状態です。コロコロと寝返りする途中、側臥位でのバランスを上手くとることにより、赤ちゃんは上肢~体幹~下肢の筋肉を鍛えています。そして体軸を整えています。この「上肢~体幹~下肢の筋力強化」と「体軸が整う」ことはおそらくその半年後に開始するであろう歩行の安定に非常に大きな役割を担っていると考えられます。「安定した二足歩行」はヒトとして進化してきた証です。「ドタン・バタン!」と寝返るのは上手な寝返りとはいえません。実はパパもママも、コロンコロンと上手に寝返りができる人って、意外と少ないんですよ。赤ちゃんの首がすわったら、親子そろって床の上に寝転んでコロンコロンとスムーズな寝返り移動ができるように、ぜひとも練習してみてくださいね!
来年は3月の富山を皮切りに毎月、自宅(富山県黒部市)から日帰りできる範囲でセミナーの講師を務めさせていただきます。実技も丁寧にやっていきたいと思いますので、定員を40くらいにしたいと思っています。早めの申し込みをお願いします。育児支援者の皆さんも、ママも、もちろん赤ちゃんも身体を整えて、元気に冬を乗り切りましょう!