京都の出張専門開業助産師 平松道子先生のコラム
3人の子育てと職場での学びを糧に、勢いで開業!

 
【はじめに】
 皆さんはじめまして、京都市で今年4月に出張専門開業しました平松道子です。生まれは大分県南部の田舎育ち、大学から京都に出てきて現在に至ります。現在小1、年中、もうすぐ1歳の3児の子育て真っ最中です。

【骨盤ケアとの出会い】
 私の骨盤ケアとの出会いは、長男出産後でした。妊娠経過は19週から切迫で自宅安静そして入院治療。35週で退院したものの予定日に近づくにつれ上がる血圧に浮腫。出産は前期破水後すぐに陣痛発来し、分娩所要時間3時間弱というスピード出産で、出血も少なく安産でした。が、産後は痔の痛みに下肢の浮腫が強く、退院時は靴が履けないためお産セットに入っていたスリッパのままという様相でした。
 そして産後1ヶ月あたりから座るとお尻が痛くて、普通に座ることができなくなりました。当時そのことを助産師の友人に話すと、「骨盤がゆがんだのでは? 仙骨が飛び出る人がいるって聞いたことがある」と言われ、無知な私はそんなことあるの? どうして分かるの? 触って分かるの? と疑問だらけでした。
 ところがある日、入浴中に浴槽の中でバランスを崩したときに、ボキっと音が聞こえた瞬間、今まで座るときにあった痛みが、嘘のようになくなりました。そこで初めて骨盤が本当に関係していたことを実感した私は、いろいろ検索し、行き着いたのが信子先生の魔女ブログでした。
過去の記事も遡って読み、『骨盤メンテ』の本も読み…、感想は「もっと早く知りたかった!!」「すべては骨盤のゆるみから来ていたのだ」と、衝撃を受けました。

 産後1年たって仕事に復帰した後は、「早く骨盤のことが知りたい」と、母子フィジカルサポート研究会のセミナーを受け始めました。程なくして2人目を妊娠。これを期に退職を考えていたので、とりあえず切迫にならずに最後まで働くことを目標に、骨盤ケアに励みました。トコ企画のセミナーを受講する機会がなかなかなく、本とブログをこまめにチェックして、骨盤ケアとまるまる育児について勉強し実践しました。
 2人目は張り止めを多用したものの、無事に最後まで勤め上げることができ、大分の実家に近い助産院で出産しました。そして楽しみにしていたのは“おひなまき”。「ほんとに効果があるのか?」と、全く自信がないまま見様見真似で包むと、無駄泣きが少なく、なんてよく寝てくれること! いつも縦抱きで、置いたら泣く上の子とのあまりの違いに、私より夫が「もっと早く知っておけばよかった」と、ため息混じりに語ったほどでした。そして成長過程でも、体の軸の安定が上の子と全く違い、まるまる育児の素晴らしさを実感しました。

【実践の場を求めて】
 2人目の産後は、早くセミナーを受けたくて、1番最初は4ヶ月の子どもを連れて発達応援セミナーへ。その後は一時保育に預けてメンテ“力”upセミナー、その勢いのままトコちゃんベルトアドバイザーまで進みました。学んでいくと早く現場で実践したい思いが強くなり、個人の産婦人科医院にパートで就職しました。
 新たな職場は毎月約100件のお産、陣痛誘発・促進も多く忙しいところでした。忙しいけど、お産が多い分勉強できる楽しさ! こっそりと入院時から、脚の上げ下げや、押し出しの体操など、体操フルコースを試すことができました。回旋異常も多かったので、誘発が始まるまでに「何とか軸だけでも…」と、4つん這いでネコの体操や、骨盤高位でお尻フリフリなどを促しました。また、就職後すぐにベーシックセミナーを受け始めたのでそこで学んだ施術など、とりあえず自分ができることを実践していきました。
 今まではレオポルド胎児触診術にしても、児背がわかったら「はい、おしまい」だったのが、児の姿勢、骨盤のゆがみなど、一つ一つ丁寧に診るよう心がけ、「なんとなく分かってきた!」という快感に変わり、それに結果が付いて来ると、ますますお産が楽しくなりました。
 気付けば、「何をしてるの?」と関心を示すスタッフが現れるようになり、やがて「お尻フリフリしたら進んだよ!」「この時はどうするの?」と、骨盤ケアに取り組むスタッフが増えて来たではありませんか! そして、彼女達はそれぞれセミナーを受け始めて、院内で情報を共有することができるようにまでなりました。

【トコちゃん教室の講師と3人目妊娠】
 トコちゃん教室&Shopの講師のお話を受けたとき、「これはチャレンジするべきだ!」と即答。3人目の妊娠が分かると同時に講師としてデビューしました。忙しい病院勤務とは違って、ゆっくり骨盤ケアについて話ができること、参加者に身体の変化を感じてもらうことができる教室は楽しみでした。
 いろいろ学んで妊娠した3人目。初期から骨盤ケアの3原則を励行し、プラス、新たに商品化された“おなかまき”のおかげで、これでにない快適な妊娠生活。張り止めもほとんど内服することなく過ごせました。上2人は2,500g台でしたが、3人目にして妊娠後期の胃が圧迫されて苦しいという経験もでき、3,000g越えで出産できました。
 これまでの学びを我が子で実践でき、成長発達が楽しい毎日です。よく寝てよく笑いよく食べ、ただただ可愛い3人目です。

【勢いで開業へ】
 8ヶ月健診を受けに行った時、医師の診察を待っていると衝立の向こうから、「お座りも寝返りもするけど、うつ伏せから仰向けにはまだなれないんですが…」と相談する声が聞こえてきました。すると医師や看護師の「ほんとに?」と少し驚いた声が聞こえたかと思うと、続けて、「お座りも上手だし、寝返りまでできてるからもう少し様子を見て、できなければまた連絡して」という内容の会話が聞こえてきたのです。
 その話を家に帰って夫に話すと、「普通の人は発達のことを教えてもらってないんだから知らないよ」と言われ、ハッとしました。「そうなんや~、私には既に当たり前になっていることなのに(@o@)知ってると育児ももっと楽しいのに!」と。夫のその一言が衝撃で、開業を決めました。
 「骨盤ケアやまるまる育児、発達のことなどもっと知ってもらいたい」「教室をやりたい」という思いから、出張専門で開業届けを提出しました。「いつかは開業したい」と思っていたけど、ずっと足踏みしていたので、今がチャンスだったのかもしれません。
 7月からトコちゃん教室の講師も月数回で復帰、そしてありがたいことに「骨盤のことを教えてほしいから」と前職場からもお声をいただき、お産の現場にも、今後週1回で行けることになりました。

 勢いからの開業、準備はこれからです! せっかく身に着けた知識・技術も使わなければ持ち腐れ、薄れていきます。そうならないためにもアウトプットそしてフィードバックしながら勉強を重ね、できること・やりたいことを増やし、悔いのない人生を送りたいです。