茨城県の勤務助産師 葉山綾子さんのコラム
尾骨の強打から始まった体調不良、そして、今
茨城県水戸市の個人病院で、パートで助産師をしている葉山綾子と申します。今の病院に就職してまだ1年、ここにたどり着くまでと、今の私の想いをお話しいたします。
【元気だった20歳までの私】
幼稚園の年中クラスの頃は、逆上がりができるまで4時間も鉄棒にぶら下がっていたくらい、外遊びが大好きでした。しかし小学校に入ると、母にひたすらピアノの練習を強いられ、外遊びはかなり制限され、中学高校では運動部に入ることも禁止されていました。それでも、車が家になかったことや、母に馬鹿じゃないの?と言われるくらい、真剣に体育の授業をやっていたことは、今では良かったと思っています。
大学に入り親元から離れ、解放感でいっぱいだった私は、3つもバイトを掛け持ちしながら合気道部で稽古に励み、車の教習所に通いつつ学校に通うという、多忙な生活を送っていました。
【尾骨の強打から始まった不調】
20歳のある日、幹部学年になったこともあり、「部活も頑張らなければ」と気持ちが先回りし、階段から派手に落ちて尾骨を強打。尾骨が内側に折れ曲がってしまいました。それからは、生理不順・不正出血・胃痙攣・パニック障害・不眠・子宮内膜症(チョコレート嚢腫)と、苦しい日々が続きました。
2004年に大学を卒業し、看護師・助産師免許を取得。すぐに東京の産院に就職し、NICU配属となりました。2007年にドクターストップで退職し、体の冷えのひどさに耐えられず、暖かい沖縄に移住して保育園に就職。ところが、保育園の方針が自分には合わず、2ヶ月で退職してしまいました。
【不調を抱えたまま妊娠出産】
2008年に茨城県の個人病院に就職し、翌年に結婚。子宮内膜症を理由に不妊治療を開始すると間もなく妊娠したものの、25週より切迫早産で入院。29週から児頭は骨盤内へ陥入し、2010年、38週で長男を出産しました。
2013年、第2子を妊娠し20週より自宅安静、27週より入院し、逆子、胎盤早期剥離の疑いで35週で緊急帝王切開で長女を出産しました。
【答えが見つからない中から】
上の子の授乳期には、月に1回は乳腺炎になっていました。その時に「B&Bマッサージ」という、おっぱいを軽く持ち上げて、優しく動かすケア法を学びました。「おっぱいを労ることが大切」という考えのケアを学べたことで、授乳指導にやりがいを感じながら働けるようになりました。
ところが、何度も乳腺炎を繰り返して、「何を食べたら良いか分かりません」と、うつに近い状態になって来院される方が年々増加。自分自身も授乳中、脂肪除去食で肌がガサガサになっても、乳腺炎が改善しませんでした。そこで、薬膳の勉強をしてみたのですが、答えは見つけられませんでした。
助産師として全く自信のなかった私は、できることを増やそうと『安産力を高める骨盤ケア』を買い、その中でトコ企画のセミナーの存在を知りました。
【トコ企画セミナーを受講】
2016年3月にメンテ“力”upセミナー、骨盤ケア アドバンスセミナーを受講。5月に受講した母乳育児支援“技”秘伝セミナーでは、頑固な乳腺炎の原因が体のゆがみから来ていることを実感し、上野先生の魔法のような手に感動しました。7月に安産誘導セミナーを受講した後は、苦手意識のかなり強かった分娩介助が楽しくなりました。
トコ企画のセミナーに参加するたび、体操などが全くできないなど、体の悪さや重さを痛感。先生方の助言をもとに、ひたすら体操を続けていて気づいたのは、「痛いから動かさないようになり、動かないのが普通になっていた」ことでした。
また、切迫早産で長期間安静していたためでしょうか…、「普通の生活も危ういくらいの筋力しかない」ことも分かり、「どうにかしなくては…」と焦るようになり、トコちゃんベルトアドバイザーの資格も取りました。
【総合ベーシック・カイロセミナーを受講】
それに続き、2016年8月から始まる総合ベーシックセミナーに進むかどうか、さすがに迷いました。子どもがまだ6歳3歳と小さいこと、近くに親戚がいなく、頼れるのは夫と保育園。でも、日程をよく見ると…、「保育園行事と1回もかぶらないなんて、今しかない!」と受講を決意。
初めは「月に2日も家を空けることで、できないことが増えるのでは?」と心配でしたが、セミナーを受講しはじめると、家事も育児も、仕事もだんだん楽しくなり、逆に前よりできることが増えました。
実習中は腹力が全く入らず、足はしょっちゅう攣り、施術の体勢にうまくなれず、手も思った方向に動かせず…、自分の体の状態に凹みながらも、ひたすら助言いただいたことを、毎日繰り返し練習し続けました。
腹力をつけようと必死に頑張ったら、今度は背中がひどく痛み、寝るのも座るのも辛くなり、泣きたい気持ちになることもありましたが、先輩方より暖かい助言をたくさんいただき、渡部先生の的確な助言・施術のおかげで、追試でやっと合格することができました。
さらに、今年の3月から総合カイロプラクティックセミナーを受講。実習をしている中で、合気道で培った体の使い方が生きていると分かり、驚きと喜びが湧き起こってきました。
過去のトラウマや自分の弱い部分を自覚し、それを改善しようと努力し続けることや、施術で体が軽くなることで、心もどんどん軽くなっていきました。もちろん、明らかに足りない筋肉を補ったり、凝り固まった体をほぐしていくための努力は、人一倍必要です。
【育児も仕事も楽しく】
2人の子ども達も、体が辛いと“おひなまき”やケアを要求し、喘息は改善し、熱を出すこともほとんどなくなり、元気に機嫌よく保育園や学校に通えるようになり、育児の負担もずいぶん軽減しました。
職場でも時間を見つけては、お母さん達やスタッフの体のケアをしたり、体操指導をしていたら、ありがたいことに効果を実感してくれるスタッフが徐々に増加。今年1月にトコちゃんベルトの(有)青葉から講師を招いて、骨盤ケア教室を開催することができました。それを機に、「退院指導や母親学級で、体操指導もやろう!」という流れに少しずつなってきました。
腰や恥骨の痛みに加え遷延分娩で、どんな言葉も耳に入らない産婦さんの体をケアすると、分娩が進行するので、私も無駄に力むことなく分娩介助ができるようになりました。
体のケアをすると、乳房緊満や硬結は軽減するので、指が痛くなるくらいマッサージをしなくても良くなり、自分自身の体の負担も減りました。そして、体がほぐれると、自然な抱っこができるので、反り返る赤ちゃんを、おっぱいに押し付けなくても良くなり、心が痛むことも減りました。
まだまだ私の力不足のために、症状が改善しきれない場合も、体操指導をして、長い目で見た声かけも多少できるようになりました。体が楽になると心も楽になるのか、表情が柔らかくなり、寝られるようになれば「頑張ろう」と自然に思えるようになる。そうすると、育児の負担が減って、虐待を受けるような不幸なケースが減るのかな・・・」と思っています。
「大きくなったらお母さんと同じ仕事をしたい!」と常々言っている娘は、私が研修に行くことにも、「私も教えてもらえる、体が楽になる」と喜んでくれます。もちろんまだ3歳。叶うか分かりませんが、「仕事や育児、家事は楽しいよ!」と背中が見せられるように、日々頑張ろうと思っています。
コツコツ継続して頑張るのは苦手でしたが、目標があれば楽しい。人の温かみにたくさん触れて、自分もそれを伝えられるようになりたいです。