香川県の開業助産師 三浦香理さんのコラム
想いはひとつ! “四国でのケア普及”1度きりの人生を楽しむ

 
【はじめに】
 皆さん、はじめまして。「ベビー&ママ教室 みこと」の三浦香理です。香川県丸亀市で、骨盤ケア・ベビーケア・おっぱいケア・まるまる育児、トコちゃんの骨盤ケア教室をはじめ各種教室を開催しています。
 地元の商業高校を卒業し、一度は進学を諦め就職しましたが、「生まれてくる瞬間やお母さん達に寄り添ったケアができる助産師になりたい」と思い、地元の看護学校を経て、徳島大学医療技術短期大学の専攻科に進学しました。

【病院勤務助産師時代】
 卒業後は愛媛県にある総合病院の産婦人科病棟に就職し、勤務助産師時代を15年間送りました。就職時、年間400件だった分娩件数は、2年後には600件を超え、それと同時に帝王切開率は10%⇒15%近くまで増えていきました。大好きな赤ちゃんや出産に関われる機会に恵まれ、充実した生活を送っていましたが、分娩に関する疑問がわくばかり。医師に尋ねても明確な答えは返ってきませんでした。

【骨盤ケアとの出会い】
 そんなある日、助産雑誌で(旧)母子整体研究会のセミナーの広告を見つけ、13年前くらい前に岡山で開催されたセミナーに参加。「四国から初めての受講者!」と言われたと記憶しています。その後、四国で初めて同セミナーが開催され、その会場となったのが新居浜駅前にあった「別子荘」。かなり古い建物でしたが、交通の便も良く、食事も美味しく…、懐かしく思い出されます。
 2004年には渡部先生から「オステオパシーセミナーを受けてみない?」と声をかけていただき受講。2006年にはカイロプラクティックセミナー…。間違いなく頭はパンク状態になりながら学びました。
 2010年、愛媛県の病院を退職する前に、オステオパシーから改変されたベーシックセミナーを受講。筆記試験は苦手で、見事に撃沈。その後、再試験で合格。2012年にはなんと、丸亀市でベーシックセミナーを開催という機会を与えていただき、今でも感謝しています。

【私の人生を変えた出会い】
 母子整体研究会のセミナー初受講から約1年が過ぎた頃、産後に恥骨結合が大きく離開した経産婦さんと出会いました。当時の私にできたことはトコちゃんベルト(2段式の旧タイプ)で腰腹部を支持することくらいでした。ところが整形外科受診時にベルトは外され、「恥骨結合離開」の診断のもと整形病棟転科となり、2ヵ月の入院生活を余儀なくされました。
 それから2年後、第3子の出産に来られ、医師との話し合いの結果、帝王切開を選択されました。術後はトコベルを着けてケアを続けることで、恥骨部に痛みを感じることなく経過し、「自宅に戻っても骨盤ケアを続けます」と退院して行かれました。諦めず伝え続けて良かったと思えた瞬間でした。

【骨盤ケアでお産が変わる。陣痛も変わる】
 勤務助産師時代は「分娩停滞していたお産」、「絶叫するくらい痛がっていた人が家族もびっくりするくらい静かになり、そのままお産になる」という、骨盤ケアでお産や陣痛が変わることを幾度となく経験しました。さらに「自信をもってケアをできるようになりたい」、「観察・診察・診断力をもっと身につけたい」と思うようになり、その想いはずっと変わらず、学び続けています。

【退職を決意】
 骨盤ケアを広めたいと日々奮闘する中、やっとスタッフから新居浜で開催されるメンテ“力”upセミナーを受講しようという声が聞かれ、助産師7名が受講。その後、産後1日からの骨盤輪支持はなんとか導入することができました。
 38歳頃から、体に明らかな不調が出てきたこともあり、「一度きりの人生や、やりたいことをやろう!」と、40歳の時に退職を決意。実家のある丸亀市に戻りました。

【開業】
 退職してすぐに開業したわけではなく、月に1週間、京都のトコ・カイロプラクティック学院ビルに住み込んで、1年間整体の勉強をしました。交感整体セミナーを受講しながら、2011年1月に「ベビー&ママ教室 みこと」を開きました。
 最初の広報手段はブログと、トコカイロ学院や助産師会のホームページ内の開業助産師の紹介ページの掲載だけでした。そのため、愛媛に住んでいた時からのお客様や、その人達からの紹介で、月に数件の依頼が入る程度でした。
 ホームページ・ブログ・Facebookを始めると、依頼が徐々に増え、ニーズも多様化。プライベートレッスンや教室の内容もそれに合わせて増やしていきました。プライベートレッスンの料金は値上げしたにも関わらず、教室より予約が多いのが現状です。一番人気は産後ケアメニューで、「お母さんも赤ちゃんも一緒にケアを受けられる」と好評です。
 「ベビー&ママ教室 みこと」ホームページ
     ⇒ https://baby-mamacare-mikoto-4.jimdosite.com/

 2015年にトコちゃんベルトアドバイザー資格を更新し、渡部先生に勧められて、2015年からはトコちゃんの骨盤ケア教室を開始。香川県内だけでなく、徳島県や愛媛県からも多く、先日はなんと山口県からの参加がありました。
 トコちゃんの骨盤ケア教室 ホームページ
    ⇒ https://toco-care.com/lecturer/kagawa/

 同年、まるまる育児アドバイザー資格も取得。「まるまる育児教室」には、トコちゃんの骨盤ケア教室や骨盤ケアを受けたことのある方の参加が多く、満席になる月も増えてきました。

【開業から6年が経ち】
 開業当時、「ケアを受けられるところが身近にない」と、里帰り中の方からの依頼の方が多かったです。ありがたいことに、前回の妊娠中・産後にケアを依頼された方から、妊娠報告と併せてケアを依頼されることが増え嬉しい限りです。
 最近では他県で教室やケアを受けていた方からの依頼を受ける、ケアの繋がりを感じる一方、プライベートレッスンや教室では「個別ケアを予約してもらわないと!」と言いたくなるレベルの重症者が増えています。「妊娠中・産後を問わず急に動けなくなった」、「早産・低出生体重児を出産された方」からの依頼が県内外を問わず、月に2~5件入ることに驚きを隠せません。

【自分の体の変化】
 物心ついた頃から、とにかくよく転ぶ子でした。中学の頃には毎月、頭痛や生理痛で鎮痛薬を飲む生活でしたが、マット運動では模範演技で選ばれることもあり、運動が苦手だと感じたことはありません。部活で足首を捻挫し、医師から首の悪さを指摘されるまで、自分の体が悪いなんて考えたこともありませんでした。
 そんな私でしたが、セルフメンテナンスを続けることで、5年前からやっと薬を持ち歩くことも内服することもなくなりました。車での移動時間も貴重なメンテナンスの時間。快適に過ごす工夫も忘れません。今は“おとなまき”がアイテムに加わり、セルフ巻きで体を整えています。

【四国で広がる骨盤ケア・まるまる育児】
 2015年から「骨盤ケアアドバンス」を始め、「安産誘導」「母乳育児支援“技”秘伝」2017年2月には渡部先生の「メンテ“力”up」3月には「新生児ケア」「赤ちゃん発達応援」が開催。地方でこれだけのセミナーを開催できたのは“常連受講者”の協力があったからこそです。広報の範囲を広げたことで、施設勤務助産師の受講者も増えました。徳島の原田美佐子先生がトコ企画の講師となり、ますます、四国で骨盤ケアやまるまる育児が、広く深く普及することを願っています。