神奈川県の開業助産師 平船 泉 先生のコラム
“ママと赤ちゃんの笑顔を応援!”をモットーに、仕事を楽しんでいます。

 
【はじめに】
 私は岩手県で生まれ、高校まで過ごしました。子どものころから、なんとなく看護師になると決めていました。そして、看護師を目指し聖母女子短期大学・看護科に入学。「女性子どものことをもう少し詳しく学んでみたい」と思い、短大の専攻科(助産学専攻)に進学し、すぐに社会福祉法人 聖母会 聖母病院に就職しました。
 当時の聖母病院は出産数が年間2,200件あり、分娩室・新生児室・産褥病棟とセクションが分かれている中、新生児室に一番長く勤務しました。

【結婚退職・出産】
 1996年結婚退職し、夫の実家のある横浜市に引っ越し。1997年長女を出産、子育てに専念していました。その当時、参加していた区の育児教室で、地域で働く助産師との出会いがあり、生後10か月の長女を義父母に預け、月に3~4件母子訪問の仕事を始めることになりました。
 その後、母親教室の講師も担当させていただくことになり、2000年、長男の出産で母子訪問の仕事からは離れましたが、母親教室の講師は月1回だけだったこともあり、義父母や長女のママ友の助けで続けることができました。

 2004年長男の幼稚園入園をきっかけに、母子訪問の仕事を再開することになりました。その後、子どもたちが大きくなり手が離れてくるころには、母子訪問数も月20件となっていました。育児教室の助産師相談も担当していましたが、1会場につき年1回のみで、母子訪問・育児教室の仕事は赤ちゃんに会えるのが楽しく、趣味のように続けていました。しかし、どちらの仕事も「継続して母子を観られない」というジレンマを、年々強く感じるようになってきました。

【母子整体との出会い。開業届け提出】
 気になる母子に出会うことが増えたのに、何をどうしてあげたらいいのかわからず、つらい日々が続きました。「赤ちゃんをずっと抱っこしていて腱鞘炎がつらい、授乳の抱っこもつらい」「恥骨や腰が痛い」などのお母さんの症状や、「股関節がかたい子や、反り返る子が多くなってるのでは?」と感じ、「なんでなんだろう?」という疑問が年々強くなっていきました。
 「点ではなく線で」ママと赤ちゃんとつながりたいと、ベビーマッサージの資格取得を考え始めたそんなとき、「助産院で母子整体をしている人がいる」と聞き、見学させていただきました。そのご縁から、赤ちゃんの発達とベビーマッサージを同時に学べるセミナーを2012年に受講。2013年開業届を提出し、ベビーマッサージと「まるまる育児教室」をスタートさせました。
 ブログ ⇒ http://ameblo.jp/baby-marumaru/

 2013年3月メンテ“力”upセミナーで、骨盤ケアと出会いましたが、妊婦健診の外来経験もなく、出産の現場からも離れすぎていたこともあり、正直なところ「未知の世界」と感じました。私の関心は、やっぱり赤ちゃんだったので、渡部信子先生の「何か質問ありませんか?」に対しても、「最近の赤ちゃんは反って体全体が固いように思うのですが、どうしたらいいですか?」と質問しました。すると、信子先生は「ベーシックに来て学んでください」とおっしゃいましたが、その時は正直なところ、「ベーシックなんて無理無理! 射程範囲外」と感じました。

【セミナーを受講し続けて】
 そんな私なのに、気が付けばその時から、セミナーを受け続けています。
 2013年9月トコちゃんベルトアドバイザーは3度目の正直で合格し、2014年9月ベーシックセミナーは再試で合格しました。そして、最近やはり2度目の試験で、無事にベーシックの更新ができました。
 私の身体はかなりバランスが悪く、技術を自分のものにするにも、人一倍時間がかかります。頭の中だけで納得するのも苦手、バランスの悪い自分の身体で体感しながら、自分の中に落とし込めるように、セミナーを受講し続けています。
 赤ちゃんの方向にベクトルが向きやすい私ですが、学べば学ぶほど、赤ちゃんは子宮の中の環境が大切、つまりは骨盤ケア・胎児ケアが大切なんだと痛感するようになりました。トコちゃんベルトの指導時は必ず体操も伝え、骨盤ケアの3原則(あげる・ととのえる・ささえる)を実感してもらうようにしています。

【少しずつ訪問依頼も増え、仕事が拡幅】
 ヨガが苦手な私ですが、ママたちに伝えられる引き出しを増やしたいと思い、2016年にはトコヨガ・インストラクター養成コースを受講し、深い呼吸ができる大切さを学びました。2016年からは、やっとトコちゃんベルトの指導の他に、骨盤ケアの施術も始めましたが、認知度はまだまだです。
 私は赤ちゃんメインの仕事が多いため、2015年まるまる育児アドバイザー資格が始まった時にも、すぐに挑戦し1回で合格!「好きこそものの上手なれ」ですね(^_^)v まるまる抱っこ・育児教室は毎月2~6人の参加があり、最近は妊婦さんも増えてきました。
 それプラス、アメブロ・facebook・LINE@のお陰で、産後の自宅訪問依頼も徐々に増えてきました。また、信子先生の『赤ちゃんがすぐに泣きやみグッスリ寝てくれる本』を読んで実践しているママや、妊娠中に他の助産師が開いている教室を受講したというママからの訪問依頼が月1~2件ほどあります。

 区での育児教室・母親教室・両親教室の講師や、育児支援ひろばでの助産師相談(月1回)、赤ちゃんの発達の話(年2回)、助産師会の電話相談や“ふれあいサロン”など、いろいろな形でママと赤ちゃんに関わりながら学びを深めています。
 年に1回、母子訪問の助産師仲間と、学童保育所での「いのちのはなし」の活動もしています。子どもも大きくなったので、少し前から、家から数分の助産院で産後の母子のケアのための当直をすることもあります。

【おわりに】
 自分が子育てをしていた時とは育児環境も異なり、ママ達の育ってきた時代・価値観の違いに戸惑いを感じ、「どのように関わるのがいいのか?」と悩みながらも、先輩・仲間に支えられ日々奮闘しています。
 今年度は、ママが赤ちゃんとの触れ合いを楽しみながら、赤ちゃんの発達を見守ることができるような教室を始める予定です。“ママと赤ちゃんの笑顔を応援!”をモットーに、まるまる育児と骨盤ケアを広めていきたいと思います。