京都の2児の母 Kさんのコラム
育て方の違いと兄妹の発達の違い
今後も2人を“まるまる”で、人生を楽しめる体に育ててあげたい。

 
【はじめに】
 はじめまして。京都市に住むKと申します。4歳の男の子と0歳の女の子の母です。普段は、大学の事務職員としてフルタイムで働いているのですが、現在は、第2子出産後の育児休業中です。
 信子先生をはじめ主に助産師さんが執筆されているこのコラム。皆さまのお役に立つことができるか自信はありませんが、この場をお借りして、子どもの発達にまつわる私の体験を、お伝えしようと思います。

【上の子が不憫で、不憫で…】
 2017年1月23日付の信子先生のブログ「魔女のひとりごと」に、次のような記述があります。
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①の母子
・妊娠中から骨盤ケアに励んだ。
・妊娠中にまるまる育児クラスにも参加し、
 人形で“おひなまき”を練習した。
・赤ちゃんが生まれた直後から、まるまる育児を始めた。

②の母子
・妊娠中は骨盤ケアをしていなかった。
 or トコちゃんベルトを購入して着けていたが自己流。
・妊娠中にまるまる育児の予習はしていなかった。
・赤ちゃんが生まれて1~4ヶ月後に
    まるまる育児を知って、“おひなまき”を始めた。

①と②の赤ちゃんが同室していると、
体の柔軟性・表情・泣き方・人見知り・
運動・器用さ・なん語などの違いが
とても目立つことがある。
もちろん、①の赤ちゃんの方が発達などが良く
泣かないことが多いのだが、お母さんが経産婦だと心は複雑。

第1子の時は骨盤ケアも、まるまる育児も全くせず、
第2子の時は、①だと、二人の違いが歴然としていて
「上の子が不憫で、不憫で…」と嘆かれる。
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 私は、まさにこの経産婦の例と同じです。第1子出産後に「まるまる育児」を知ったものの、ほとんど実践できませんでした。第2子妊娠の際には、妊娠初期より健美サロンに通い、骨盤ケアに励み、まるまる育児クラスも受講し、産後すぐから、まるまる育児を開始。
 第2子は現在、生後4ヶ月になるのですが、毎日おひなまきに包まれ、天使の寝床で1人で遊び、疲れたら1人で勝手に寝て、ご機嫌に過ごしています。性別の差によるところもあるのかもしれませんが、本当に育てやすいのです。おじいちゃん、おばあちゃんにもかわいがられ、「泣いているのを見たことがない。泣くの?」と言われる日々。そして、おひなまきの結び目の余ったひらひらのところを、器用に掴んで口に運ぶ第2子を見るにつけ、器用さを予見し、何かにつけて不器用でどんくさい第1子のことが不憫になってきました。

【「不憫で、不憫で…」では、すまなかった】
 不器用でどんくさいお兄ちゃん。きっと、妹の方が、器用に育つんだろうなぁ。お兄ちゃん、ちょっとかわいそう。でも、「そんなどんくさいところが、またかわいいの」、と親バカ全開でのんびり構えていたある日、通っている保育園から「個別面談をしたい」と呼び出されました。
 面談では、日々の保育で、いかに不器用なのか、いかに社会性が未熟なのか、そして、「このままでは小学校入学後に大変なことになる、すぐに療育を開始するように」と、1時間にわたり、話がありました。確かに、指摘された内容は親として漠然と自覚していたものの、就学に耐えられないレベルとは…。療育に行かないといけないレベルとは…。あまりのショックに私はその場で泣き崩れました。

【公的な支援を受けるには…】
 衝撃の面談後、区の保健センターで相談しました。ところが京都市の場合、療育を受けるには、保健センターへの相談から約1年かかるとのこと…。愕然としました。
1.療育を受けるには、まず児童福祉センターで発達検査を受ける必要がある。
2.この発達検査を受けるのに、だいたい半年待ちが普通。
 我が家も1月に保健センターに相談し、先日、「発達検査は6月中旬の
 予定」との連絡がありました。
3.発達検査後、必要なら療育を受けることになるが、これもさらに約半年待ち。
 
【専門医受診】
 公的機関の支援を待っていられないので、子どもの発達の専門医(小児神経科)を自ら探し出し、受診しました。全国的に子どもの発達専門医は不足しているようで、地域によっては受診まで数ヶ月待ちになると聞いていましたが、運よくすぐに受診できました。その結果、「知的な遅れはないが、感覚統合が未熟で、協調運動障害があるようだ」とのことで、作業療法を勧められました。

 しかし、この病院でも作業療法は6ヶ月待ち。まずは、空きがあった理学療法から始めることになり、理学療法士さんから受けた説明は次のようでした。
1.指を5本ともしっかり広げたハイハイ(四つ這い)で、きちんと前進できて
 いなかったことが発端
2.ハイハイがきちんとできなければ、鉛筆をちゃんと持てない。
3.目できちんと物を追えなければ、本が読めない。
4.体作りができれば、社会性の未熟さの改善も期待できる。

 どれもこれも、知らないことばかりでした。

【人生を楽しめる体に育ててあげたい】
 子どもの発達についてWEBで検索している中で、どなたかのブログに「子どもの発達は、“点”ではなく、一つ一つの“点”が繋がった“線”だ」と書いてあるのを見つけ、強く心に残りました。ただ単にハイハイができればいい、ということではなく、ハイハイがその後の発達にどのように繋がっていくのかを理解し、その上で、適切に正しいハイハイを促していかなくてはならない。
 「まさに、この通りだったんだ」と後悔しながら過ごしていた先月のある日、お兄ちゃんは幸運にも信子先生の施術を受け、家でできる体操や遊びを教わることができました。
 その翌々日に受講した“らくらく育児”クラス。信子先生のお話は、まさに目が開かれる思いでした。「人生を楽しめる体に育ててあげることが、子どもへの最高のプレゼントです!」。これは、信子先生からのメッセージでした。

 「もしも私が、お兄ちゃんを“まるまる育児”で育てていたら、ここまでひどい状況にはならなかったのでは…?」と、悔やんでも悔やみきれません。でも、悔やんでいても何も進歩はありません。お兄ちゃんは、現在、施術の際に教わった体操や遊びを、楽しみながら実行中です。さらに、“おひなまき”(こどもまき?)も、感覚統合に効果がありそうなのでしてみようと思います。もちろん、妹の方も、引き続き“まるまる育児”で育てます。
 私の子育ては少々出遅れてしまいましたが、ここであきらめてしまわず、今後も子どもの発達について理解を深め、お兄ちゃんと妹を、「人生を楽しめる体」に育ててあげたいと思っています。