骨盤エクササイズインストラクター 片山やよい先生のコラム
骨盤エクササイズ・“おとなまき”を通して、
体のメンテナンス・体作りの大切さを伝えていきたい
皆様、はじめまして、埼玉県朝霞市在住の片山やよいです。埼玉県内、都内などで、骨盤エクササイズのインストラクターを約10年しています。
大正生まれの父、昭和一桁生まれの母、母が39歳の時に私を産んでくれました。今では珍しくないですが当時としてはかなりの高齢出産でした。それでも、仕事が忙しく、休む暇がなかった兄たちの出産と比べて、一番楽な出産だったらしいです。
中学校時代では陸上部、高校では合唱部、短大ではスキー部に所属していました。今思い返すと、体作りの基本とも言える呼吸法と筋トレの両方を、学生時代にやって来られて、本当によかったと思っています。卒業後は、電機メーカーのOLをし、その後結婚。つまりこのころは、体の専門家になるとは夢にも思っていませんでした。
【骨盤エクササイズのインストラクターになったきっかけ】
1996年に初産、男の子でした。妊娠中から坐骨神経痛に悩み、産後2ヶ月でぎっくり腰になってしまい、辛い育児が始まりました。整体に行っても、また数ヶ月後には“辛い!”がやって来ます。それでも、なんとか2年後に女の子を出産し、育児に悩みながらも、奮闘する毎日でした。
娘が5歳を過ぎた頃、偶然、地域の骨盤エクササイズサークルに出会いました。週に1度通うだけでみるみる姿勢が改善し、腰痛もすっかりよくなり、育児がだんだん楽しくなってきたのです。
自分の体の変化が、これほどまでに育児に影響するのかと驚きました。それは私だけの話ではなく、周りを見渡すと、自分の体の辛さを抱えたまま、育児に奮闘しているママがたくさんいました。そんなママ達に「一人で悩んでないで! 体を動かしていたら体も気持ちも晴れるよ!」と伝えたくて“インスパイリング・エクササイズ”という骨盤エクササイズのインストラクター資格を取りました。
【インストラクターになって感じた疑問】
資格取得後、当時六本木にあったスタジオや、埼玉県内のカルチャースクールなどで骨盤体操教室やプライベートレッスンで、産後6週間~数十年のママ達に教えていました。5年ほど経ったあるとき、産婦人科のお医者さんと、書籍の撮影用にマタニティ向けのエクササイズを構築する機会がありました。それが縁となり、中目黒にある育良クリニックで、妊婦さん達にレッスンをするようになりました。
また、メイクやヘアメイクなどを学んでいる専門学校の生徒に、体育の授業の一環として骨盤体操を指導する機会をいただきました。80代からハイティーンまでの幅広い女性の、たくさんの骨盤に触れるにつけ、疑問は増えていくばかりでした。産後に骨盤体操に来られる女性よりも「20歳前後の女性の骨盤の方が緩んでいる?!」と感じることが増えて来たのです。そして、ものすごい冷えと、むくみも抱えていました。
また、20年前には「産後に尿漏れする」との声をあまり聞いたことがなかったのに、今はなぜ4人に1人という割合まで、尿漏れが増えてきているんだろう…? この年代の変化は一体なんなんだろう?
そんな時に出会ったのが、渡部信子先生のメンテ“力”upセミナーでした。講義の全てが、今まで疑問に感じてきたことに対しての答えをいただいているようで、とても興奮しました。同時に「このままでは、日本人はどんどん生まれなくなってしまうのではないか?」との危機感も抱きました。
【NPOの立ち上げから現在まで】
「もっと日頃の体のメンテナンスや、体作りが必要なことを伝えていきたい!」と、2014年にNPO法人“美えな塾(びえなじゅく)”を立ち上げました。
“えな”とは日本の古語で“子宮を包む膜”のことを指します。美しい“えな”を作るために、多くの女性が学び合える場をどうしても作りたかったのです。
2015年には、吉川先生にトコヨガを師事。詳しい解剖学とともに、エクササイズを伝授していただき、トコヨガのインストラクターも取得しました。教科書には載っていない、助産師としての経験を元に構築された、解剖学とエクササイズは本当に勉強になりました。
トコヨガ養成講座の受講中に“おとなまき”に出会いました。最初は、見た目びっくり!「苦しくないのかな?」と不安でしたが、自分が巻かれてみたところ、さらに驚きました。ものすごく体が軽く、楽になったからです。
“おとなまき”は体験してみるとわかりますが、お母さんのお腹の中に戻った時のような、安堵感や安らぎも感じます。まさに心身ともに緩みます。筋肉も心も緩んだ人ほど、最高のパフォーマンスにつながります。
産後のママ達は自分の体が辛いまま、自分が思っているより体を酷使している方も多いため、“おとなまき”をご希望の方には、教室が始まる前に実施してきました。体の辛さが取れるだけでなく、血流が良くなり、体が芯から暖かくなるので、今は、妊活中の方にもお勧めしています。
「様々な人に“おとなまき”の良さを伝えたい!」と体験会を企画し、日々ブログに活動の様子をUPしています。ブログだけでは “おとなまき”の衝撃的な見た目のせいか、いろんな誤解を受けやすいと感じていたため、体がとても楽になることをちゃんと伝えたくて“おとなまき”を巻いている様子をYouTubeにもUPしたところ、なんと1ヶ月で4万回以上の閲覧数になっていました。
海外からのコメントもたくさん入るようになり、なんと、ロイター通信社から取材の依頼をいただきました。さらには、ブラジルのテレビ局TVGLOBOというところからも取材依頼をいただきました。“おとなまき”はBBCでの放送をきっかけに、日本より海外でとても話題になっているようです。
【今後の夢】
自分の育児を通して、子どもは親にとって希望であり、宝であるとともに、地域や国にとっても同じく、宝であると感じました。子どもを健やかに育てていくことは、人材を育成していることと同じです。その基盤は母親の健やかな心身です。
今、国が産後支援に本腰を入れています。また、自治体によっては“ネウボラ” (妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援体制)を導入しているところも増えてきました。ネウボラの活動の中に、体作りのための骨盤ケアや体操を必須で入れていくこと。そのための人材育成もこれからやっていきたいと思っています。
健やかな心身を作っていくための体操教室や講演会を、様々な分野の方と協力しあって、草の根運動のように伝えて行くことが私の夢です。“美えな塾”には、今はまだ10名ほどしか実稼働できるインストラクターがいませんので、全国で体操教室や講演会を開けるよう“美えな塾”を大きくしっかり育てることが、私の使命であると思っています。