赤ちゃん発達応援セミナー講師 竹内華子先生のコラム
8月26日に京都のトコホールで「赤ちゃん発達応援セミナー」の講師をさせていただきました竹内華子です。私の住まいは富山県東部に位置する黒部市。黒部といえば黒四ダム、トロッコ電車と名水が有名な、雪深い片田舎です。そのため、雪の季節は他府県でのセミナー計画は立てられません。そのうえ、3歳の長女のおっぱいが離れるまでは、日帰りセミナーにしていただいています。東京や九州遠方でのセミナー開催依頼をいただいていますが、こんな事情ですので、どうぞ今しばらくお待ちくださいますようお願いします。
さて、8月の京都セミナーは、私の初めてのセミナーでした。5年ほど前までは10年間にわたって、作業療法士志望の学生に正常発達の講義をしていましたので、しゃべるのは得意? 大好きな私です。
定員は当初30名と聞いておりましたが、申し込みが多かったようで、34名の方が受講してくださいました。遠くは鹿児島、熊本、愛媛、山梨からもご参加いただきました。みなさま、遠方よりありがとうございました。
開講の11時から90分間は、パワポを使って理論の説明。内容は主に次の2点です。(1) 胎児から歩くまでの2年弱で、筋肉がどのように変化し、姿勢がどのように発達していくのか? (2)脳の発達に伴って、体幹をコントロールしていくための反射と姿勢、筋肉の使い方などがどのように変化していくのか?それが上手くできるようになるためには、丸まる抱っこ、丸まるネンネが大切。
体幹のコントロールに関する理論は、ロンドンオリンピックのメダリストやプロサッカー選手も練習に取り入れている理論です。有難いことに、最近テレビなどで紹介される機会が増えてきましたので、丸まる抱っこやスリングに否定的な意見を言われたとしても、めげない自信がつきました(笑)「丸く育てる根拠を説明するのが難しいな~」と思っておられる方はぜひ受講されることをオススメします。
午後は実習です。時間が限られているため、育児支援者側の身体のケアは、十分にはとれません。「骨盤輪支持はできる人」との前提で進行いたしますので、できるだけ、前もってメンテ力upセミナーの受講をお願いします。簡単に体を整えたら、赤ちゃんを丸く抱きます。丸く抱くのにもコツがあります。抱く側の姿勢、重心の位置、赤ちゃんの姿勢、体軸の整え方、足の位置など細かくポイントを伝えました。続いて、おひな巻きの実習。固くて手が前に出ない、背中が丸くならない、泣いておさまらない…など、上手く巻きづらい赤ちゃんでも、上手く巻けるコツもお伝えしました。それから、スリング、寝かせ方、ゲップのさせ方、寝返り練習、重心の位置をコントロールしたり、赤ちゃんの筋肉を収縮させやすくする触り方でできることを増やす方法、、、実習はてんこ盛りでした。でも、受講者の皆さんは、もっとあれこれ対処方法を知りたい! と思われたに違いありません。「あ~~、先生、この子みてくださいよ~」と思われたかも?…(行けなくてごめんなさい)
赤ちゃんもママも一人ひとり違う脳を持っているので、よく似た子はいても、同じ子は絶対にいません。双子であってもそれぞれの特徴を持っています。その子がその家庭の中でよりよく成長していくために、このセミナーの内容をお役立ていただけたら嬉しいなと思います。
私はママ達にも、受講者の皆さんにも言いました。「答えは赤ちゃんが持っている」んです。
赤ちゃんがどうしたいのか? どうされたら気持ちいいのか?よく動けるのか? 笑うのか? よく眠れるのか?私はいつも手で、目で、耳で、赤ちゃんに触れている全身で「どうしたいの?」「どこがしんどいの?」と聞いています。赤ちゃんは全身全霊で今の状態を私に知らせ、全力で吸収して、自力で発達していきます。私は赤ちゃんに教えられたままにコリをとり、筋肉を収縮しやすくなるように手伝って、褒めるだけです。
泣き止まず、向き癖があって頭は変形し、座らせてもすぐに転び、左右非対称なハイハイをし、歩き方が変な赤ちゃん…でも「大きくなったら目立たなくなるからいい」とお医者さんに言われ…本当にそうでしょうか?
今回、受講された育児支援者の多くは、今までやってきた指導に理論的裏付けが加わり、自信を持って働ける心の糧となったのではないでしょうか。また、今まで異なるやり方をされていた方も、根拠をもって赤ちゃんの発達を応援できる育児支援者となられることと期待しています。また、これから産み、育てるママたちは、ゆったりと赤ちゃんの発達を見守っていく余裕ができたと思います。
赤ちゃんの持つ、無限の能力(脳力)を生かせる育児支援者、ママが日本中に増えることを願っています。