はじめまして。富山県の「こそだてサークル雪月」代表の江尻由紀子です。
老人施設で介護福祉士として、また、リハビリ病院で理学療法士・作業療法士さんの助手として、人と関わる仕事を20年間してきました。
2002年、第1子出産後に日本製の“4way抱っこ紐”を使用しましたが、肩こりと腰痛が起こり、使用を断念。子どもが歩き始めてから、アフリカの女性が布を縛って抱っこ紐にしているのを見て、真似をしてみましたが、これもしっくりせず断念。
2005年、第2子妊娠中にスリングの作り方・使い方をテレビで見て、「これなら調節ができて密着感が得られる!!」と感じ、産後にテレビで見たスリングの本に出会い、スリングを手作りし、スリング育児のスタートを切りました。
本を見ながら試行錯誤のスリング抱っこでしたが、気持ちよい密着感と、子どもの穏やかな表情に癒され、どんどんスリングにはまっていきました。
そして、当時お世話になっていた助産師さんから「スリング抱っこ上手ね!」「ママたちにスリングを作ってあげて! 使い方を教えてあげて!」と背中を押され、2006年12月~スリング製作、スリングアドバイス、2007年3月~こそだてサークルの活動を始めました。
最初は本に書いてある通りの使い方をアドバイスしていましたが、うまく使える人はほんの一握り。「赤ちゃんをうまく抱っこできない」「赤ちゃんが突っ張ってアドバイスにならない…」とつまづいた時、まるまる育児と出会いました。そして気付いたのです。「私って、自分の子どもたちの育児中は、“まるまる育児”という言葉を知らなかったけど、実は少しだけど、まるまる育児をしていたんだ!!」と嬉しくなりました。
それは介護の仕事で体位交換をしていたお陰か、上の子の育児を始めた時から、上向きで寝かせたことがほとんどなく、2人とも頭の形がきれいに育ちました。それから、子どもたちの着替えも、寝たきり患者さんの着替え方で行っていました。
ただ、大きな大きな失敗がありました。上の子が活発に動いて目が離せない時期に、下の子が這い始め、上の子を自由に遊ばせてあげたくて、下の子をずっとスリングで抱っこしていました。スリング育児がラクすぎて、歩かない…いや、「歩けない子」に育ててしまったのです。これは、スリングアドバイス時に失敗談として話しています。
2008年に旧母子整体研究会のセミナーを初めて受け、「これはすごい! なんてすばらしいの~!!」と衝撃と感動を受けました。「これをスリングアドバイスに取り入れなければならない! 取り入れることができればママも赤ちゃんも変わる!」と感じました。
そして、まるまる抱っこの形のままスリングで抱っこができる使い方を模索し、改良を重ねながら、現在の使い方となりました。現在はスリングを使用する際に必須となる“片手まるまる抱っこ”をできない方には、“おひなまき”のレッスンも併せて行っています。
この数年でセミナーを繰り返し受講し、初心を忘れず、新たな学びを得ています。(有)青葉のメッシュの“ベビハグスリング”の使い方をはじめ、一般的なリング付きスリングの使い方はこちらをご覧ください。
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https://www.youtube.com/watch?v=Fz_jYOKbq1o
この10年で多くのメーカーのスリングに出会い、スリングの作り方、布の種類、リングの種類などにより、使い心地が違うことがわかりました。
・リングなしスリングは密着感を得にくい。
・リングと布の相性が悪いと、調節しにくかったり、調節後に布が滑って
戻ってしまい、密着感が得られない。
・布の裏表がわからないと、初めてスリングを使う人は混乱しやすく、
使いにくい。
・布の種類・布幅・長さ・縫製方法により、ママと赤ちゃん双方の体への
負担が大きい品もある。
など…、「これでは安定した抱っこは難しい」と思えるスリングが、日本中に数多く出回っていると実感し、現在に至るまで、少しでも母子にとって良いスリングになるよう、改良を重ねながら少しずつですが製作しています。
適切なスリングの使い方をすることなく「良いスリングならいい」というわけでも、スリングの種類に関係なく「使い方が良ければといい」というわけでもありません。母子双方の体に負担をかけることなく、楽しく快適なスリング育児を続けるには、両方とも大切なのです。
スリングを購入するには、「良いスリング」+「まるまる抱っこのまま、スリング抱っこができる使い方指導・アフターフォロー」を提供できるところで購入することをお勧めしています。これは活動開始当初からの、断固として譲れない、大切にしていることでもあります。ですから、私の手作りの布製スリングを、「ぜひ、売ってください!」と、リクエストメールが届くことも多いのですが、それは一切行っていません。直接お会いし、使い方のアドバイスをした方にのみ、お渡ししています。
どうですか? 私の“まるまる抱っこ指導”や、“スリング指導”に、興味が湧きませんでしたか? 嬉しいことに「いろんなスリングを試着してみたい。スリングについて学びたい!」とおっしゃる方が、全国から次々に富山まで来て下さるようになりました。
富山ではママも赤ちゃんも“まるまる抱っこ”ができるよう、トコ企画セミナー講師の竹内華子先生をはじめ、トコちゃんベルトアドバイザーの助産師さん達、それから、ベビーマッサージ・スクラップブッキング・手芸など多分野の講師とチームを作り、多方向からママと赤ちゃんを継続的に支えられる体制作りにも力を注いでいます。
「これからも末永く、たくさんの方々と手を携えながら、いろいろな面から母子を支える活動をしていきたい」これが私のライフワークです。ぜひ一度、あなたも富山までおいでくださいね!