セミナー@大阪の報告と、分娩の三要素・ドライブの三要素
 
今年の冬は本当に寒いですね。豪雪地域の皆様にはお見舞い申し上げます。

私も中学一年生の時、石川県で「38豪雪」を経験しました。1週間吹雪が止まず、やっと吹雪が止んで外に出たら3mを超す積雪。学校も1週間休み、家には食料も燃料もなくなり、本当に大変でした。

ところが、こんなに寒い冬だったのに、我が家の庭にスミレが咲いているのを発見!
1昨年より1ヶ月も早いので、不思議です。

さて、2/15(火)と16(水)、第1回のメンテ“力”UPセミナーを大阪で開催しました。広報がまだ行き渡っていないためでしょうね、1日目は22名、2日目は21名と少人数だったため、仙骨の触診、腹直筋離開の触診などの実習も丁寧にできて、しかも、妊娠29週の妊婦助産師さんが受講されていたので、彼女のお腹を借りて、私の診察方法を皆さんに見学していただけました。

その後、ペアで腹部の打診実習までできて「とても満足」の声が多いセミナーとなりました。でも、受講者がこんなに少ないのは今回だけでしょうから、今後は、打診実習はできそうにありません。

当面はメンテ“力”UPセミナーをしっかりやって、今年の11月頃から助産力研鑽セミナーをトコ・カイロプラクティック学院で開き、そちらで打診や収縮輪の触診実習などをみっちりやりたいと考えています。受講条件は考え中です。

これらの診察が上手くできるようになるためには、メンテ“力”UPセミナーで基礎知識と技術をしっかり身に着け、診察できる体作りをする必要がありますので、ぜひ、皆様お誘いあわせの上、セミナーにお越しください。

1日目はパワーポイントをたくさん見ていただき、骨盤ケアと融合した産科学・助産学を勉強していただきました。妊婦も産科医療従事者も、誰もが安産を願っているのに、どうしたら安産できるのかについて、科学的に説明できる人は少ないですね。

それで分かりやすいように、分娩の三要素をドライブの三要素に例えてパワポにしました。お産が安産になるか難産になるか、ドライブが快適になるかどうかは、この三要素のバランスを考えるとわかります。

「娩出物(赤ちゃんなど)」は車体、「産道(骨産道=骨盤と、軟産道=粘膜・筋肉・靭帯など)」は道路・トンネル・橋など、「娩出力(陣痛と腹圧)」はエンジンの力や人力で押す力に相当します。

狭い道路を大きな車体の車が、整備不良で動きの悪いエンジンで走るとしたら快適なドライブはできません。おまけに、タイヤが道路の穴ボコに落ち込んでしまったら、いくらエンジンをふかしても、なかなか抜け出せません。

これをお産でいうなら、ゆがんだ骨盤の内側の凸凹に、赤ちゃんの骨重積の部分がぶつかり、激しい陣痛に痛み苦しんでも、なかなかお産が進まない状態です。

それで、前から引っ張ってもらわないといけないのが、吸引分娩や鉗子分娩。人力車で車を後ろから押すのがクリステレルの押し出し分娩です。

さらには、大きな落石が道をふさいでいたり、トンネルの天井から岩が落ち込んで、それに運悪く接触して動けなくなってしまったら、レッカー車を呼んで後ろから引き抜いてもらわないといけなくなります。

これがお産でいうなら、緊急帝王切開です。

皆さん、ドライブする時は、どの道路が大雨による落石で通行止めになっているか、事故や工事中で渋滞しているかなどを、確認しながら走りませんか? そんなの当り前でしょう?

でも、お産の時に産道がよく整備されているかどうかなんて、産婦人科医も助産師も、ほとんど気にかけていないのが日本(世界?)の現状です。

だから助産師などが力を合わせて、これから妊娠出産する女性に骨盤のメンテナンス方法を指導しないといけないのです。

もちろん産婦人科医にも加わってほしいのですが、多忙なお医者さんに加わってもらうまでもなく、助産師などが力を合わせればできます。

整備の良い骨産道なら、高齢初産婦でもたいてい安産できます。なぜなら、現代女性のほとんどは農作業などの重労働をしたことがないので、骨盤も緩んでいるし、軟産道も昔の人ほど硬くないですね。

40歳の三人目の経産婦より40歳の初産婦の方が安産するってことは珍しくないでしょう? 産道を整備した者勝ちです。

安産は祈願するだけではできません。安産は勝ち取るものです!

“必勝”安産 (^o^)/