皆さんこんにちは、No.141号に続き2回目のコラム登場の原田美佐子です。
No.141は⇒
https://tocokikaku.com/column/column.php?CLM_NO=141
昨年4月に徳島県内の公立病院を退職し、開業助産師となりました。訪問を中心として働く傍ら、3月からトコ企画のセミナー講師として歩み始めています。
では、徳島県でのこの1年間の変化からお話ししましょう。
【産婦人科医の変化】
退職して間もなく、近くの産婦人科医院の院長先生から、「うちの妊産婦さんには骨盤ケアをしっかり実践し、いいお産をしてもらいたい。難産や搬送を減らして、職員の苦労も減らしたい」と職員への指導依頼をいただきました。
今年に入って、徳島県で開催されたメンテ“力”upセミナーに、自ら受講されるほど熱心な女医さんです。ご自身だけでなく、妊娠中や育児中のお友達も誘って下さり、産婦人科の女医さんが3名も受講して下さるという、感激のメンテ“力”upセミナーとなりました。
現在その産婦人科医院での出産は、骨盤ケア教室受講が必須条件になりました。骨盤ケア教室は毎月2日で午前・午後、計4回開催。講師は“徳島骨盤ケアmidwifes”のメンバーと共に担当しており、私の担当は1回です。
「徳島のためには、うちの職員にしっかり学んでもらって、いずれうちのクラスはうちの職員が担当できるようにしないといけないですね。皆さんは他の施設にも、もっと指導に行くようになったら、お母さん達は徳島県内のどこに住んでいても助かりますよ」と院長先生はおっしゃっています。在職していた病院の産婦人科医師もそうでしたが、助産師が活動する上で、理解のある医師がいることは、本当に心強いものです。
また、今年1月から古巣の公立病院から声をかけていただき、週1回の助産師外来の勤務をしています。今のところ、腰痛・恥骨部痛・背部痛・骨盤位といった主訴を持つ方のセルフケア指導や、妊婦健診をしています。今後は、骨盤ケア外来として受診中の妊産褥婦をケアし、院内助産の支援もしていく予定です。
【保育園・幼稚園での変化】
昨年は、保育所でのおっぱい相談で、ママのちょっとしたセルフケアやまるまる抱っこで、赤ちゃんがす~っと落ち着くのを、保育士さん達に見てもらえる機会が何度かありました。その方達から講義依頼があり、ママ対象の教室と保育士対象の研修で、それぞれ2回ずつ講演しました。今年は保育・幼稚園関連の講義依頼がすでに2件あり、ママのケアとまるまる育児の良さを伝える機会が増えました。
このことも、県内の妊婦さんの健康度を上げ、胎内から健やかな子どもに育てることにつながりますので、地域にとって本当に大切なことだと思います。
【講師デビュー目指して】
退職することを渡部先生に伝えると、「トコ企画の新生児ケアセミナーと、骨盤ケアアドバンスセミナーの講師になって、四国でのセミナーを担当してな~」と声を掛けて頂き、講師をめざす決心をしたことはNo.141にも書いた通りです。退職後は、先輩講師のセミナー受講、事務局やアシスタントを手伝いながら、できるだけ多くのことを“盗む”努力を続けました。
そんな昨年の11月のこと、渡部先生から電話があり、何かと思って出ると、「3月に島根県松江市で講師デビューしてな~。島根の人達にはあんたのキャラが合いそうやし…」と。どういう意味かも良くわからないのに、背筋がピンと伸び、「いよいよか~、よしっ、頑張らなきゃ!」と思う心が、「はい!」と私に即答させてしまいました。
その直後、「20日(日)と、21日(月・祝)の2日間、新生児ケアと骨盤ケア アドバンスの2つやで~、なっ!!」という、驚きの指令\(@@;/ 「まずは新生児ケアセミナーからデビューするものだ」と思っていましたから、「はい」と即答したものの、2つ一度にデビューという事実に、胸中穏やかではありませんでした。
その後は先輩講師のセミナーを再度聴講させてもらい、練習し準備しましたが、「自分にできるのだろうか…?」と、とても心配でした。何かにつけ、先輩講師からは激励の言葉をいただきながら、3月19日(土)の出発の日を迎えました。
【講師デビュー】
松江は私自身初めて訪れる街。徳島からは5時間以上かかるため、前日入りです。余裕を持って早めに出発し、岡山で特急やくもに乗り換え、「あと3時間足らず」と、ほっこりしたのも束の間…。踏切事故でしばらく缶詰め。
ようやく動き出したかと思うと…、次は売店もコンビニもない山間の駅で1時間以上停車。3時間以上遅れて到着は21時_| ̄|○ ヘトヘトに疲れ、ゆっくり予習もできず、不安なまま朝を迎えました。
松江駅までは、誘致施設“たがしらレディースクリニック”の北尾さんが迎えに来てくれました。幸運にも、年末に京都で開催された「赤ちゃん発達応援セミナー」で北尾さんと会うことができ、助かりました。「大丈夫です、ドーンと私に任せてください」と笑顔で話す彼女、頼りになる現地スタッフに恵まれて、ほっと安堵したものです。
坂道を上って到着したクリニックは、ちょっとした公共施設のようなエントランス、楽しそうに子ども連れのご家族が出入りされていました。土地柄か温かくゆったりした雰囲気で、お掃除のスタッフの方にまで「遠くから、ご苦労さんだね」と声をかけていただいて、少し緊張がほぐれました。
【骨盤ケア アドバンスセミナー】
セミナー1日目は、前半、日光の加減で映像がやや見えにくく、ポインターが動いてないもの気が付かず、話を進めてしまいました。そんな不慣れな私を、大目に見ていただいて、本当に感謝です。骨盤ケアの3原則の理解と、自分や対象者の快・不快と超弱圧が体感できて、細やかなケアにつながるようにと、お伝えしたつもりですが、どうだったでしょうか?
かなり緊張していたので、あまり細かい記憶が無いのが正直なところです。感想に不満足はなかったですが自己評価は? 今回は不明なところがあれば、フォローをお願いできるレベルの現地スタッフさんがいるのも心強かったです。
ベルトの位置や補正の方法でモデルになっていただいた受講者の反応が、「さくらですか?」と言いたくなるほど良く、何人もの方が頷いて聴いて下さり、本当に温かく迎えていただいて、「初セミナーが松江で良かった~」と思った瞬間でした。
【新生児ケアセミナー】
2日目は、かなり緊張も解け、私がややリラックスして臨んだせいか、質問も多くあり、理解して自分のものにされている印象でした。「まずまずだったかなぁ」と自分自身では“可”判定です。
7月に開催される山口香苗先生の「発達応援セミナー」はすでにキャンセル待ちとなっていて、うれしい限りです。新生児ケアセミナーを一度受けられた方も、他の講師のセミナーも受講されると、違った発見(伝え方や話題の切り口やそれぞれの特徴)があります。
引き出しは多いほど、対応力が上がりますので、機会があれば、ぜひ、受講してみてくださいね(^_^)v
【講師デビューの感想と今後の目標】
2日間を通しての反省は、「受講者に講師の緊張が伝わるようではいけない」ということです。理解しつつあるから沸く疑問があり、それが声に出せるセミナーであるべきでした。また、余分な言葉が入り説明をわかりにくくしたところがあり、シンプルな説明で分かりやすく伝えられるように努力したいと思いました。
そして松江の皆さんへ、「初めてなので大目に見たけど…、ほんとは言いたかったこと」などがあれば、トコ企画セミナーやベーシック・カイロプラクティックセミナーなどでお会いできた時に教えて下さい。反省点は、大切な自分の伸びしろとして、一つ一つクリアしていきたいと思います。
次のトコ企画セミナーの講師予定は、次の通りです。
6/29(水) 骨盤ケア アドバンスセミナー … 京都トコ会館
8/22(月) 新生児ケアセミナー … 京都トコ会館
中四国の各地で、誘致していただければ、どこにでも参ります。どんどんセミナーを担当できるよう励む所存です。
【今後の目標】
私自身、色々なセミナーを受講し、訪問ケアで実践を続け、その中から学び続けています。これまでは、乳房トラブルの再発を繰り返している方へのケアは、時間がかかり過ぎるのが悩みでした。しかし、上野順子先生の“技”を学んだことにより、時間が短縮できるようになり、痛みも少なく気持良いケアを提供できるようになり、助かっています。
上野先生の中四国でのセミナー開催のニーズが高まり、下記のセミナー日程が決まりました。
9/17(土) 安産誘導(Renew) 丸亀市民会館
9/18(日) 母乳育児支援“技”秘伝 同上
9/19(月) 安産誘導(Renew) 広島県福山市備後遺族会館
9/20(火) 母乳育児支援“技”秘伝 同上
上野先生の“技”は ①あまり痛みがなくママ達の心と体に優しい。②セルフケアにもつなげやすくママ達の自信も付く。③ケア時間が長引かない。④結果、ママ達のお財布にも私達にも優しいと、一石三鳥以上の効果を感じています。
私たち助産師が日々学ぶこと、実践することの大切さを改めて感じています。その実践がママや子どもたちの笑顔につながる時は、助産師として大きな喜びを感じる瞬間でもあります。
一緒に学び合える仲間が地域にもっと増えて、研鑽し合えることを夢見ています。
私自身は、より効果的で効率的なケアができるように、今年はカイロプラクティックセミナーに進み、学び始めました。まだまだ、学びの途中で、試行錯誤の日々です。自分の子ども達が育つこの徳島、そして四国に、ゆっくりではありますが、骨盤ケアとまるまる育児を着実に広げたいと願っています。
そして、ママと赤ちゃん、その家族、そして医療スタッフにも笑顔が広がっていくことを願いつつ、今後も楽しく生きていきたいと思っています。