上野順子先生のコラム
「母乳育児支援 順子姉さんの“技”秘伝セミナー」のご案内

 
 青森県八戸市の上野順子です。地元では「骨盤ケア体操教室」と「施術」、隣の岩手県盛岡市の個人病院では、非常勤で勤務(お産係です (^^)v )、トコ企画では、「安産誘導セミナー」「骨盤ケア アドバンスセミナー」の講師と、様々な仕事をしています。
 そこにさらに、平成28年5月から、「母乳育児支援 じゅんこ姉さんの“技”秘伝セミナー」の講師をすることになりました! 渡部信子先生命名の「“技”秘伝」は、ちょっと荷が重いですが、「他の人はやってないだろうな~」って技術であることは確かです。

【セミナーの内容】
  メインは「安産力を高める骨盤ケア」のp122~123に載せている「もまないおっぱいマッサージ」です。うっ積でもうつ乳でも、乳腺炎(熱あり・なし)でも、なんでも同じケアで、シコリが取れ、痛みが軽減するので重宝します。
 ちょっと前から「安産誘導セミナー」で披露していました。とっても簡単なので、「見ただけでできるだろう」と思っていたら「見ただけじゃ~できんわ! (-_-)ノ(>o<)」って突っ込みが入って、このたび1つのセミナーとして独り立ちすることになりました。
 そうなると「もまない おっぱいマッサージ」の技術伝達だけでは済まなくなり、いつもの私のセミナーと同じく「盛りだくさん」「詰め込み過ぎ」「もう~お腹いっぱいです」「未消化で帰る」…。でも「やってみると効果がある」って内容になります。たぶん ( ̄― ̄?)

【手を出す指導です】
 今、母乳育児支援で主流になっている“手を出さない指導”と真逆で、手を出します。手を添えて力加減や方向をお伝えします。向かい合って同じ動作をしても、同じ様にできないママが多いので「二人羽織になることもあります」。
 「赤ちゃんの首をつかんで抱っこ」なんて、もってのほか! 授乳の基本はまるまる抱っこ(p134~136)の横抱きです。「口を開けない子」や「吸わないでカミカミする子」への対策として「赤ちゃんの口ほぐし(p137)」をやります。
 乳房は“揉む”のではなく、引っ張ります(p122~123)。乳管開通は“3・3・7拍子”。シコリや白斑、乳腺炎をくり返す原因は、探していけばたどり着きます。これが私のお得意の“妖しい技術”の正体です。
 模擬セミナーの様子が魔女ブログに掲載されていますのでご覧ください。
  ⇒ http://blog.ap.teacup.com/majyosanba/1289.html
 原因が分かれば対策もおのずと分かります。必要時は“骨盤ケア技術”も繰り出します。

【こんな実習をします】
 実習では、まず「優しい手」を作ります。人様のおっぱいに触れるのですから、硬い指や手は不快感や痛みを与えます。入院中(や乳腺炎中)は強く張ってるおっぱいで、もう~泣きそうなくらい痛いんですから、よけいな痛みを与えないように“優しい手”で触れましょう。
 大切なこと、それは「いかにソフトタッチで効果を出すか」です。
 赤ちゃんを心地よく“まるまる抱っこ”して授乳するには、肩や背中、肘・手首・手のひら・指、それぞれが連動してしなやかに動くことが大事です。そう、優しい上肢帯です! 指導者(母乳育児支援者)たる者、それができなくては困ります。でも実際にやってみると、なかなかできないんですよ~(-"-;
 自分の乳首に人形の赤ちゃんの口をピッタリ合わせるのって、思ってる以上に難しいんです。自分がなぜできないか、自分で考えて、工夫した時、相手ができない理由がわかります。

【成功体験が得られていますか?】
“ポジショニング”が安定しない状態の時、どういう指導をしていますか?
 「もう少し、手をこう」
 「肘が脇から離れてる」
 「赤ちゃんが落ちそうだから、脇をしめて、引き寄せて」
 「あ~、肩があがっちゃった。少し下げて、下げすぎ!」
 こんなやりとりをしてませんか?
 私は、まずは「骨盤ケア」です。それから、肩・腕・肘・手首・手の体操をしてもらいます。体操でほぐれないところは、簡単にほぐれる技術を使います。
それで「ポジショニング」の問題は、ほぼ解決し、腱鞘炎も予防できます。
 じゃあ“ラッチオン”の問題は? どうやって解決してますか?「赤ちゃんが大きな口を開けるように、何度もくり返しましょう」って言ってますよね? どうやったら口を開けますか? 大きくなったら? 何日後? 何週間後? 何ヶ月後? それまで、ママはどうしますか? その間、あなたはどういうフォローをしてあげてますか?
 ママ達は退院までに「あ! ちゃんと吸えた!」って成功体験が得られていますか? 成功体験のためには、退院後を見据えた乳頭保護器の使用は、私は「あり」だと思います。もちろん、授乳前の乳頭のマッサージも 吸わせ始めに痛みがある間は必要です。退院後、直接吸い着けるようになるまでのフォローも必要です。
 赤ちゃんに指を吸わせたことがありますか? ラップをしたり手袋をしたりしてですが、大人の指の関節1個分吸い込んで、上手に吸い着く赤ちゃんがどれくらいいるか知っていますか? 滅多にいないですよ。
 吸い着きが下手っぴな赤ちゃんがいるんだってことを、まずは、知ってください。
 WHO/ユニセフの母乳育児成功のための10ヵ条の
 9.母乳を飲んでいる赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないこと
 これをまじめに守ろうとしている人には「ゴムの乳首を使って・・・」なんてことは憤りを感じることかもしれませんが、吸い着くのに練習が必要な子がいっぱいいるのが現状なんです。「そのうち上手になるからがんばれ」って精神論でなく、「ここをほぐしてあげると、まっすぐ吸えるようになって、傷を作らなくなるからね」というふうに、体からのアプローチで解決してあげてください。

【退院後に困らないように】
 院内だけの授乳しか見ていない人には分からないかもしれませんが、家に帰ってから、支援者なしの授乳バトルは大変なんですよ。1週間もがんばれないですよ。
ましてや実の親に「あなたはミルクで育ったけど、ちゃんと丈夫に育った。どうしてそんなに母乳にこだわるの? こんなに赤ちゃんを泣かせて! かわいそうでしょ!」
 これは、私が実際に母親に言われた言葉です。体は丈夫ですが、すぐじんましんが出ます。かゆくて大変ですが、親にとっては痛くもかゆくもない些細なことのようです( 。-_-。)
ママ達も、病院で「母乳出てるからこのまま頑張りましょう」って言われたから頑張っているのに、かわいい孫を抱っこしてミルクを飲ませたくてウズウズしている親に、授乳のたびに1日何度もそんなこと言われ続けたら、数日で陥落です。
 そして「母乳でがんばるつもりだったのに、ミルクを飲ませてしまった」と罪悪感で、次回の受診(退院後のフォローをしているのであれば)に、暗~い気持ちで来るのです。
 先ほど「吸い着けない子」の話をしましたが、出生直後におっぱいを探して吸い付いていたのに、翌日には探しもせず口も開けない子がいます。出産直後から母子同室にして、哺乳瓶を使っていないのに、どうしてでしょう? そんな赤ちゃんが上手にラッチオンできるでしょうか?
 そんな時に役立つ“技”があります。退院する前なら授乳の前にするだけで、3回目の授乳の時には変化が出ます。ぜひ、そのスキルを身につけてください。
 ぱっと見て、深く吸い付いている様なのに、乳頭や乳頚部に傷ができたら「浅飲みだから、もっと深く吸わせましょう」って言いますよね? それって指導ですか? ただのチェックじゃないですか? どうやったら深く吸わせられるのでしょうか?
 私もどうしていいかわからなくて、我が子を太ももにまたがらせて、首を反らせて、縦抱きで授乳しました。 やや短乳頭の貧乳だったので、それでしか吸い着かせられなかったけど、今だったら絶対そんな授乳姿勢で吸わせません。首と背骨に良くないからです。緊急避難的に縦抱きをやったとしても、数日以内にまるまるの横抱きができる体に、自分を変えます。

【私の悲痛な体験から編み出した“技”を伝えたい】
 私は産後3ヶ月を過ぎるまでず~っと、両乳頭に白斑(膜で塞がるタイプと違う)が4~5個常駐していました。吸い付かせるたびに、畳屋さんの太い針で背中まで貫かれるように痛みました。その類の白斑は硬いので、吸わせてる間中ず~~~~っと痛いんです。吸わせ始めの硬さが取れるまでの数分間の痛みではなく、1回の授乳が1時間。これを毎日12回を3カ月間続けました。
 そんな母子があなたの前に現れて、助けを求めて来たら、あなたは何ができますか? そんなときに、手を出して助けることができる人になるのが「母乳育児支援 じゅんこ姉さんの“技”秘伝セミナー」です。
 ぜひ、受けに来てください<(_ _)>