東京のセラピスト(骨盤体操・アロマ) 上利仁美先生のコラム
1人+双子の育児体験から始まった私の活動と想い

 
【はじめに】
 初めまして、東京都北区に住む上利仁美(あがりひとみ)と申します。仕事は、産後ママ向けに骨盤体操教室やベビーマッサージ教室・まんまる育児教室の開催やアロマトリートメントなどで、活動の場は駒込を中心とする豊島区・北区です。
 私がこのような仕事をするようになったきっかけは、自分の産後の体験です。
今回このコラムを書く機会をいただき、今に至るまでのことや想いをまとめてみました。

【結婚・妊娠】
 10年前、結婚4ヶ月後に妊娠し、それを機に専業主婦に変わりました。ゆったりとした時間の中、妊婦向けの本を読み、テレビの中で微笑むママや赤ちゃんを見ては、産後の生活を想像していました。お医者様から「ちょっと体重が…」なんてお話があると食事を気にし、「少し安静にしていましょう…」なんて言われると、自宅から一歩も出ないというように、日々の生活を慎重に過ごしていました。今思えば気にしすぎでしたが、まずは無事出産することを目標にしていました。

【初めての育児】
 初めての出産。我が子を産むと涙が出るとともに、全身の力が抜けていきました。それは無事に産めた安堵感と出産による疲労、そして慎重に行動するあまり、体力が低下してしまった…と感じました。
 退院後はすぐに自宅へ戻り、日中は赤ちゃんと2人っきり。初めての育児に緊張し、ちょっとの泣き声に敏感に反応し、眠れない日々が続きました。「泣いたらとりあえずおっぱいをあげて」「そのうち寝るようになるし、泣く理由も分かるようになるから」。病院で言われた言葉を支えに、おっぱいをあげ、おむつを替え、抱っこ・・・。
 でも、段々と「そのうち」という言葉が遠くに感じ、「うちの子はなんでこんなに泣くのだろう?」そんな疑問が日ごとに膨らみ、限られた睡眠時間と体力の低下で、思うように動けない自分を情けなく思うようになりました。また、育児の不安から気持ちも落ち込み、自分が自分でないような不安感にも苛まれていき、泣いている我が子を抱っこしながら、涙がこぼれることも。
 でも周りのママや赤ちゃんを見ると笑顔で楽しそうにしていて。そんな姿を見ているうちに、「きっとママが何でも分かっているから」「こんな風におかしいのは自分だけ」と思ってしまったのです。
 “いつも笑顔でいる元気なママ”“我が子のことは何でも分かるママ”。妊娠中から見ていた本やテレビの中のママも、実際に周りにいるママもそんなふうに私の目には映り、「それがママなのだ! 私もそうならなければいけない!」と思ったのです。

【双子妊娠】
 “理想のママ”を目指しつつ、だんだんと育児にも慣れてきた頃、2度目の妊娠。双子でした。張りやすいお腹を抱え、もうすぐ2歳となる子どもとの生活…、妊娠24週でついに入院となりました。最初は錠剤の内服で、病棟内歩行は許可されていましたが、基本はベッド上で安静の日々。そのうちお腹の張りが強くなり点滴と変わり、子宮頸管も短くなってきたのです。
 看護師さんに子宮頸管の事を話していると、それを聞いていた同じ入院中の妊婦さんから、「いいベルトがあるよ」と教えてもらったのです。それがトコちゃんベルトでした。
 早速ネットで買い冊子を見ながら着けてみると、お腹の張りは和らぎ、子宮頸管も保つことができ、ベルトを着けながらの入院生活となりました。「これを着けていれば、産み月までは…」と期待したものの、更に大きくなるお腹にベルトが当たるようになり、脚の付け根が圧迫されているような不快感を覚えるようになりました。冊子を見ながら自分で何とか工夫しながら着けていたものの、だんだんと不安がつのり、産み月間近となった頃は着けられなくなってしまいました。そうしているうちに37週になると子宮口が開いてきてしまい、緊急帝王切開となりました。

【3人の育児】
 双子とともに退院。階段で脚を上げることができない自分に驚きながらも、義父母宅で2ヶ月を過ごし、その後自宅に戻りました。1人をスリングで抱っこ、1人をバウンサーに寝かし、上の子を歌いながらあやして食事を作るなんてことも。でも、2人同時に泣いてもママは私1人。1人のお世話をしているときは、2人には何もできず。初めての育児のときに抱いた理想のママ像が心の片隅にちらつき、このときも「ダメなママなのだ」と、自分で自分を責めていました。
 そんなある日、抱っこできない代わりに子どもの足裏をさすりながら寝かしつけていると、笑いながら子どもが寝たのです。その笑顔を見た瞬間、自分の中で何かが変わりました。「できない自分を責めるのではなく、できることをすればいい!」。そう、子どもの笑顔に教えられたのです!
 すると気持ちが楽になり、心に思うことを少しずつ話せるようになりました。また、“辛いときは休む”という、いわば当たり前のことをするようにもなり、そのことから更に気持ちも楽になっていったのです。

【活動のきっかけ】
 初めての育児の時に感じていたことを他のママに話すと、「実は私も…」という声を聞きました。また1人+双子の育児から、「赤ちゃんはそれぞれ違っていて、ママにはできることとできないがあるのだ」ということを学び、「初めての育児のときに、そこまで思い悩むこともなかったのだ」と気付きました。 そして、体の状態は気持ちにも影響し、逆に気持ちが体に与える影響もあるということも経験しました。
 結婚前にセラピストとしてリフレクソロジーやアロマトリートメントをしていましたが、「女性にとって日々の生活だけでなく、ライフステージが変わるときほど、心と体への影響が大きい」と感じたのです。そして「体に関わることにもう一度携わりたい!」「まずは自分が経験したことやできることから、産後ママに伝えていこう!」と活動を始めました。(ブログ:http://ameblo.jp/petite-pousse/

【操体法・トコヨガとの出会いから】
 「ママとして感じたことをカタチにできたら…」と模索しながら活動を始め、「日頃の生活の中で体を整える方法は…?」と考えていたとき、思い浮かんだのが入院中に使っていたトコちゃんベルト! イマイチ分からず苦労したことを思い出しました。
 そこでメンテ“力”upセミナーを受けに行くと、初めて、ベルトを締め付け過ぎていたことを知り、「産後も妊娠前と同じように普通に過ごせるもの」と思っていた私がなぜそうではなかったのか、その原因が分かりました。それとともに、まんまるケアから「赤ちゃんが泣く理由の1つは、体にある」と知ったとき、泣いていた上の子のことが腑に落ちました。
 また、不思議な感覚が体の隅々にまで伝わる“操体法”というものを初体験。「もっと知りたい!」との気持ちから、トコヨガ入門から、さらに、インストラクター養成セミナーも受講しました。助産師さん達と一緒に学ぶのですから、ついて行くのに必死でしたが、操体法について詳しく学ぶことができました。
 それとともに、トコヨガでは、呼吸のできる体作りだけでなく、まるまるケアや妊産婦の体についてなど、新たに学ぶことがたくさんありました。そして私自身の体に向き合うことの大切さを改めて実感しました。
 更に、NPO法人“美えな塾”で産後向けの体作りの学びを深め、それらを元に骨盤体操教室を開催できるようになりました。

【お教室から学んだこと】
 骨盤教室を終えた後、「リラックスできました!」「久々に体操をして、体が楽になりました!」と、たくさんの方から喜びの感想を頂きました。
 また、お教室を通じて皆様から教えていただくことも多く、その一つが体のことです。それは、尿漏れと下腹部のポッコリ。「自宅に戻るまで我慢ができない」「少し漏れてしまう」「漏れるのって誰でもあるのですよね?」とか、体重は落ちるのにお腹だけが戻らない」「数年経っても下腹だけ出ている」など・・・。実は私も初めての育児のときに尿漏れを体験。2度目の産後からポッコリしたお腹になっていましたが、年齢など考えると「当たり前なのかな?」と思っていました。
 そこで育児や家事に追われる毎日の中で、簡単にできることはないだろうかと探してみたところ、「美姿勢トーニング」という骨盤底筋トレーニング方法を見つけたのです。さっそく私もレッスン受けてみると、やっていくうちにくしゃみのときに不意にでる尿漏れが軽減し、ポッコリしたお腹もすっきりすることを体感。骨盤教室のママにも一部をレクチャーしたところ、「効果が感じられた」とか、更には、「普段の生活でも体に気を配るようになった」との声が返ってくるようになりました。お教室に参加される方々を見ていると、「体を整えることは気持ちを楽にして、前向きになる一歩なんだなあ」と実感できます。

【これからの私】
 当たり前が難しく感じた産後、それは、出産という大きな体の変化とともに、母というライフステージに移ったことが大きく影響していると思います。母だけでなく社会人・妻・祖母と変わる女性にとって体を整えるということは、単に健やかに過ごせるというだけでなく、1人の女性として大切なことではないでしようか。
私の活動はまだ少ないですが、そんな想いを胸に、今後も多くのママ達に産後体験と共に学んだことをお伝えしながら歳を兼ねていけたらいいなぁ…と、これからの私を想像しています。