芦刈美和先生のコラム
施術の上手くない私が、Lilas houseを新築できた訳

 
 皆さま、はじめまして。大分市内で、もくもくと母子支援活動を続けている芦刈美和です。自宅で女性と赤ちゃんのためのサロンLilas(リラ)を開業して9年、多くの方々に支えられ、愛されてLilasは育ちました。そしてこの度、「みんなが集まれる助産院を建てたい!」との長年の願いが叶い、「Lilas house」を新築し、つい先日の9月25日、その2階で「どーなつ助産院」を開業しました。 渡部先生に出会ってもう12年くらいになるでしょうか…? ぼんやりとした夢が、やがて、「大きな借金してでも、どうしてもやってみたい目標」になり、今、その目標は現実となったのです。
 今から12年ほど前、当時勤務していた産婦人科医院で、週5日の夜間待機、日勤で外来を担当、時間外で病棟の母乳ケアや育児指導をしていました。その中で、妊産婦の体や骨盤の悪さを痛感し、「何とかできないものだろうか? 改善に役立つケアを学びたい」と渡部先生のセミナーに辿りつきました。そこで渡部先生のパワーと熱意に衝撃を受け、その受講中に「3年後には開業したいなぁ。10年くらい後には自分の仕事を、もっともっと発展させていきたいなぁ」と、漠然とした夢を抱きました。その後、勤務していた医院で、できるだけ多くの妊産婦の骨盤や全身を詳細に観察し、骨盤ゆらゆらのケアや、操体法・骨盤輪支持の指導に励みました。「嫌なこと・不快なことは行わない」をポリシーとしながら、また妊産婦が不快だと表現しやすい尋ね方を心がけながら、多くの方の体をケアしました。

 受講し始めて1年半ほどで病院勤務を辞め、渡部先生のサロンで修行し、旧母子整体研究会などのセミナー講師としての勉強をしたりしながら、受講から2年半、自宅でLilasをオープンしました。開業した月はのべ30名の方がいらっしゃいました。3ヶ月後には倍以上の70名、4ヶ月後には120名と、どんどん増えていきました。
 どうしてこんなにたくさんの方が来てくださるのでしょう…? 私は決して施術は上手ではありません。考えられることとしては、「細かくチェックし、フォローをし続けた」からではないかと思います。
 1.できるだけわかりやすく、体の状態と施術の説明
 2.骨盤輪支持をしている方には体を必ず毎回検査し、骨盤の緩みをチェック
 3.枕を購入された方には毎回、枕合わせ
 4.体操や操体法を確実にマスターできるよう、繰り返し指導
 5.指導内容は簡単で分かりやすく
 6.施術時間を長くしすぎない(疲れさせない。忙しいママ達の時間を大切に)
 時間がかかるということは、クライアントから「難しいことを教えられている」と受け止められてしまうかもしれません。クライアントが望むことより、「自分がしてみたいことを押し付ける」ことになりがちです。時間がかかると、その方は、その時は喜ぶかもしれません。でも、例えるならば、「満腹すぎてもう食べれない!」と思われたかも知れません。果たして「美味しかった」とか、「また食べに行きたい!」と思ってもらえたのでしょうか?「次にもう一度行く気になれない」ということだってあるかも知れません。そうなると、「伝えっぱなし」という無責任なケアになりがちです。ケアに当たる者は、そのことを自覚する必要があると思います。それから、患者を抱え込まないこと!「治してあげる」のではなく、「自分自身で改善できるよう援助する」という基本から逸脱しないよう気をつけることが大切だと思います。改善できなくなったときの「かけ込み寺」がLilasなのです。私もスタッフもこのことを常に意識して行動するよう徹底させています。
 そんな毎日の地道な繰り返しで、4年過ぎた頃、個人事業から株式会社へと法人化しました。そして今、5年目となります。病院勤務であった私は、経理・経営・事務手続きなどについては本当に無知で、今もとても苦手です。一番苦手な作業なので、今も勉強会を行っています。個人事業で収入の少ない1年目から、苦手な帳簿を毎日コツコツと付けて、知り合いの税理士さんに依頼して毎年決算書を作成してもらっています。経費はかかりますが自分ではできないので、必要経費と割り切っています。
 決算書を作成することは、その人の仕事の信頼につながります。施術・指導予約と、当日の会計、キャンセルなどを明確にする書類を揃え、その会計に間違いがないことを明確にしておかないと、税務署や銀行からも信頼してもらえません。なので、私は1年目からそれを行い、年度末には立派な表紙のある決算書(内容は立派ではありませんが…)を作成してもらい、自分の仕事をいつでも評価してもらえるようにしています。それは規模の大小関係なく、自分の仕事を人様に評価してもらえることだと思うのです。

では、Lilas house の設備をご紹介しましょう。
 場所・建物は「陽の光と風通し」を重視し、270度見渡せる高台を選び、1階2階ともに北側を全面窓としました。朝は小鳥のさえずり、夕方はカラスの鳴き声、夜は大分市の夜景…と、「光と風」を楽しめるように建てました。
1階…サロンLilas〈南東入り口〉
    受付、待合室、マット4台おける24畳の施術室ホール、
    6畳のベビーケア室、更衣室です。
天気のよい日は施術マットに寝転びながら青空が見えます。体操教室などもできるようにしました。
2階…どーなつ助産院(南西側の入り口)
   スタッフ休憩室、院長室、
   15畳の小ホール(小規模教室対応。将来は2部屋に改装できるよう)
   8畳の個室(将来は入院も受け入れられるよう、小さなお風呂付きです)
すべてを開放して広いホールにできようにしました。

業務・活動の内容は以下の通りです。
1.整体サロン… 助産師3名…妊娠中~産後2ヶ月の女性を担当
        一般整体師2名…一般の女性や産後の美容整体を担当
        親子4代で施術に来られているご家族もあります。
        近い未来、男性部門も検討しています。   
2.どーなつ助産院…まずはゆっくりと、おっぱいケアの勉強もしながら
         育児指導や妊娠中のスクールを開く予定です。
3.育児サークル“大分らしくの会”…「赤ちゃんの体のケア以外の情報
        初めてのお出かけ、離乳準備、遊び、読み聞かせについてなど」
        を発信していく会にしたいと計画中です。

 これからまた10年、楽しく忙しい毎日を送って行きたいと思います。